新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

ProMedの方針転換

2008-08-12 13:50:34 | 報道

当ブログの情報源のひとつProMedが方針転換、インドネシアに関してはインドネシア政府が確認しない限り、ProMedは報じないと言い出したことが波紋を広げています。もちろん私もコマッタ!と思っているわけですが、recombinomicsはインドネシア当局の頼りなさをあげ(今回の北スマトラの件でも犠牲者3名の検査はおこなわれていない。外岡先生サイトの徒然日記でも頼りなさ指摘)、それに準拠する姿勢を批判しています。

 インドネシアの情報収集はだんだん難しくなってゆきます。

ソースは8月11日付recombinomics↓
http://www.recombinomics.com/News/08110803/H5N1_Sumatra_ProMED.html
ProMED Halts Reports Of Suspect H5N1 Cases in Indonesia
Recombinomics Commentary 02:54
August 11, 2008


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インドネシア北スマトラ、人間様は陰性

2008-08-10 22:33:02 | 報道

インドネシア 北スマトラで緊張が走っている事態、

ヒト側は入院中の13人全体についてH5N1は陰性だったと発表です。
そして全員、快方に向かっているとも。 まずはほっとします

ソースは8月10日付straightsnews↓
http://www.straitstimes.com/Breaking%2BNews/SE%2BAsia/Story/STIStory_266172.html
Indonesian villagers test negative for bird flu: health ministry


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インドネシア当局の回答(日本大使館)

2008-08-10 11:11:55 | 報道

ここのところインドネシア北スマトラの事態でインドネシア在住日本人社会の不安はいかばかりかと思います。 日本大使館領事部の電話が鳴りっぱなしになっている光景が目に浮かぶようです。

というわけで、大使館領事部がインドネシア保健当局に問い合わせた回答が大使館HPに載っているので、紹介します。(ペースト)

在インドネシア日本国大使館及び在メダン日本国総領事館より、インドネシア関係当局に確認した内容は以下の通りです。

(1) 検査結果はまだ判明していないものの、現在アダム・マリク病院で2名、キサーラン公立病院で10名の鳥インフルエンザと疑われる患者が治療中であるが、12名の容態はすべて快方に向かっている。
(2) 他に発熱や呼吸器症状がある人はいるが、発熱も高くない。これら患者が鳥インフルエンザに感染したかどうかの検査結果はまだ出ていない。
(3)

アサハン県では、7月27日から28日にかけて数十羽の鳥が死亡したことを受け、現地の鳥の検体について簡易検査を行ったところ、H5N1陽性の結果であった。
入院治療中の者はおおむね快方へ。 トリからは例によってH5N1検出だがヒトの結果はもうちょっと待ってくれ。 こんなところのようです。

ソースは大使館HP↓
http://www.id.emb-japan.go.jp/jakarta.html


 


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怪病ネパール版

2008-07-30 17:24:36 | 報道

”青島のうわさ”に続いて、ネパールでも怪病(mystery disease)の報道です。

頭痛と嘔吐で発病して24~72時間でぽっくりいってしまうナゾの病気で7名犠牲に。

普通に床についた人が翌朝冷たくなっている光景に浮き足立った村人たちは、村から避難するという行動にでています

ソースはnepalnews.com↓
http://www.nepalnews.com/archive/2008/jul/jul26/news03.php
Mystery disease claim 7 lives

この日のProMedは、このネパールの件と、青島の件(こちらは情報提供呼びかけ)と、ナゾの怪病づいています。
そして、(青島の初期もそうでしたが)よくわからん病気はしばしば「スワ、パンデミックか!?」というウワサに結びつき勝ちです。H5N1が強毒性で呼吸器系以外にもあらゆく所に感染可能という性格が、どんな症状でもパンデミック関連のウワサに仕立て上げかねない要素をはらんでいます。要注意ですね


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青島の怪病続報

2008-07-27 12:26:03 | 報道

中国青島で奇妙な感染症が出ている?? という噂がネット上で絶えません。今のところ、どの情報見ても、「スワ、パンデミックか!」といきり立たなければならないニュアンスは私は感じないのですが、Fluwikiあたりにもいくつもリンクが貼られてるのを見ると、世界中のfluウォッチャーたちも心の片隅(あくまでも片隅)ではちょっとだけ気になってはいるみたいです。

というわけで、本日も、ひとつ続報紹介。

山東文登市万家口村出現怪病(山東省文登市万家口村に怪しい病気出現)

万家口村に”怪病”が出現して、村人の一人は全身が紫紅色になり、あらゆる孔(耳・口・肛門・・・)から出血した。 3人亡くなりまだ病院に6、7人いる模様。
そして、地元病院医師とのインタビューが紹介されていて
医師:彼(彼女)は盲腸炎だった。伝染性はない。・・(略)・・人々が自分たちでパニクってるだけだ と言っています( 那是盲腸炎、没有伝染性・・・(略)・・・是老百姓自己造成的恐慌)。

以上、医学的に翻訳すると、
「虫垂炎(いわゆる”盲腸”)→手遅れ→せん孔(腸に孔があいて膿が漏れ出す)→腹膜炎→DIC(播種性血管内凝固症候群)→出血傾向→全身出血」 というストーリーかと思います。
実は昔昔40年ほど前、当時小学生だった私自身が上記ストーリーの”腹膜炎”のところまで経験して1ヶ月入院しているんで結構身につまされる話だったりします。
ソースは7月23日付新宇明↓
http://yuming.flnet.org/news2/html/8/609.shtml
山東文登市万家口村出現怪病


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青島の流行に細菌性髄膜炎説

2008-07-18 09:34:20 | 報道

先日、やきとりまんさんからコメントいただいた「青島でナゾの感染症」情報について。

死亡率0.8%ではパンデミックfluじゃなさそうだとお答えしたのですが、パンデミックじゃないとして、じゃあ一体何なんだということになります。新紀元の数字が膨らんでいたとしても、じゃあ火の無いところに煙は立つのかということになります。

ある現地報道によれば、「細菌性髄膜炎」説が出ています。別名 化膿性髄膜炎。
肺炎双球菌により呼吸器感染から脳神経系へ。

この病気なら、大量発生もある程度イメージできます。 私がセネガル在勤だったころ、近くのブルキナファソで大流行。アフリカのサハラ砂漠の南あたり、西から東にかけて多発地帯があり「髄膜炎ベルト」と通称されています。通常、細菌性髄膜炎は髄膜炎菌A型かC型かで起こるのですが、このときはw135という新型でバタバタと。その犠牲者数はSARSをはるかに上回っていただけに、北京に転勤してからSARSの騒ぎぶりに、国際社会の、マスコミの、ダブルスタンダードに複雑な気がしたものです。

今回も、青島でアフリカ髄膜炎ベルトの何十分の1かの発生でアフリカの何十倍かの騒ぎになるのでしょうか・・・

ソースは7月15日付Hoxun↓
http://news.boxun.com/news/gb/china/2008/07/200807152309.shtml

青岛7月爆发大规模神秘疫情,专家称疑似流脑感染
(博讯北京时间2008年7月15日 来稿)

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突っ込みを入れる農民サイト(鳥インフルエンザ オックスフォード)

2008-07-14 09:16:05 | 報道

英オックスフォードの鳥インフルエンザH7の最終レポート発表を紹介しましたがhttp://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/44ebee98be7fba0cc2e898b6c1fead6b
ほぼ同じものが、農民のサイト(farmers weekly interactive)に載っています。 http://www.fwi.co.uk/Articles/2008/07/11/111187/officials-fail-to-find-source-of-oxfordshire-h7n7-avian-flu.html

内容は同じなんですが、見出しが違う。
当局、オックスフォード州の感染源突き止めに失敗!
Officials fail to find source of Oxfordshire H7N7 avian flu virus 11/07/2008 15:00:00 FWi
defraのHPでは
鳥インフルエンザー疫学最終レポート発表
ですから、恣意的というか何というか、農民の政府当局に対する不信感というものがにじみ出ていますね。こういう感情って、ある程度世界共通なんでしょうか・・

 


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オックスフォードのH7最終レポート

2008-07-12 11:40:57 | 報道

英国オックスフォード郊外で緊張の走った鳥インフルエンザ、最終報告がdefraから出ています。

結局、最初に報じられた1件のみで終了。拡大なく封じ込め成功
ウイルスがどこから来たのか不明なるも
*英国内に鳥インフルエンザが元々あり、近くにあったか、気づかぬうち接触していた
*野生にあった

の2つの可能性が考えられるとしています。

まあ、極めて常識的なコメントですね。

ソースは7月11日付defra↓
http://www.defra.gov.uk/news/2008/080711b.htm
Avian influenza - Final epidemiology report published

 


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ナゾの死からわきおこる疑心暗鬼(パキスタン)

2008-07-08 16:18:41 | 報道

バングラデッシュのUpazila村にてここ1週間あまりの間に子供が2人亡くなり、治療中の子供が多数発生し現地はパニックになっています。

症状はウイルス性髄膜炎のようです。ウイルス性髄膜炎をおこすウイルスが数多くあれど、この件に関して当局が「鶏を食べるのを控えるよう」注意喚起を行ったことから、もしや鳥フル?と疑心暗鬼が盛り上がってしまったようです。

 もちろん理論的には、強毒性(呼吸系以外にも感染しうる)H5N1が中枢神経系に感染してウイルス性髄膜炎を発生させる・・ということは十分に考えられるわけで、今回の疑心暗鬼も否定はとうてい出来ず苦しいところです。

 なお、もしこれが鳥フルじゃなかった・・という結果が出れば、それはそれで考察対象。”ひょっとして”レベルの疑い段階で「鳥えお食うな!」というおふれを出したがゆえに疑心暗鬼(≒社会不安)を招いてしまったことになるわけで、じゃあ、疑い段階の発表はどうすれば良いのか・・となるとこれは本当に悩ましい話になってしまいます

ソースは7月7日付recombinomics↓
http://www.recombinomics.com/News/07070803/Bangladesh_Mystery_Poultry.html
Mystery Fatal Disease In Bangladesh Linked to Poultry?
Recombinomics Commentary 22:50
July 7, 2008


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アラスカはクリーンで~す

2008-06-30 21:14:46 | 報道

アラスカ当局が「アラスカは(H5N1)からクリーン」と宣言。

何でそんなこと言えるん?と疑問わきますが、なんと数百万ドル単位(億円単位)のカネをじゃぶじゃぶ使って、渡り鳥を片っ端からとっ捕まえて調べたそうな。その数、2万羽(06年)、1.2万羽(07年)、1.2万羽(08年)と気が遠くなる数。
結果得られたのが、「アラスカでは鳥インフルエンザウイルス自体はいる。だけどアジア起源のオソロシイH5N1はいないでーす」という結論。

そりゃ疑う余地なしですが、「アラスカにH5N1がいない」ことだけを調べるのに使ったそのカネ、西ベンガルやエジプトの養鶏農家補償に回したらどないやねん!と思ってしまうのでした。

ソースは6月30日付Anchorage daily news↓
/life/story/450020.html

Fatal strain of bird flu fails to land in Alaska

NED ROZELL
ALASKA SCIENCE

Published: June 30th, 2008 01:39 AM
Last Modified: June 30th, 2008 02:12 AM


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