われわれは、次なるパンデミックに向けて鉢巻きをしめなおして対策を!と呼び掛ける2論、違う切り口で。
- H1N1(2009)による犠牲者数は当初発表の18500人じゃなくて28~57万!という米CDC発表の波紋。先日、これをボロクソに批判した論評を紹介しましたが、今回は違う切り口で。
- (09年の)アウトブレイクは混沌としていた。ワクチンはなかなか出来ず、サーベイランスは頼りなかった。WHOの反応の遅さは批判の対象になり、世界中の保健当局も。
- この点こそが今回の焦点である。国際・国内・ローカル各レベルの保健機関はより有効な計画を準備すべきだし、新たな感染症出現の折には、より有能なサーベイランス・追跡をおこなうべきである。ワクチン製造・流通についても最後まで待たされるなどという事なないようにすべきである。
犠牲者数は当初思われていたよりもずっと多いのだから、対策についてあらゆる保健当局はハチマキをしめなおすべし!という論です。
ソースはPilotonline↓
http://hamptonroads.com/2012/06/its-time-prepare-next-pandemic
It's time to prepare for next pandemic
また、遺伝子操作、数か所の変異でパンデミックも・・・という件を引用した論も。
- 最近の、(H5N1が)3か所遺伝子変異したら~の報告は、だれもが震え上がるものである。
- 1918年のスペインインフルエンザでは、健康な兵士が、ドイツ軍砲弾による犠牲者数を上回る数、亡くなった。そして戦争が終わり、兵士の故国にウイルス持ち帰られさらに感染拡大した。
- 当時の世界人口は18億。いま70億。すると同様の(病原性の?)ウイルス感染拡大で3億7800万人の犠牲者発生も考えられる。それが鳥インフルがヒトヒト感染できるようになった(新型)ものならその倍になるかもしれない。
- 薬物治療に重きをおいた対策では時間がかかり間に合わない可能性。よって、感染してからの反応よりも、予防に重きをおくべきである。(We must adopt the strategy of prevention rather than reaction, and do so before it is too late.)
引用する材料は違えども、「次なるパンデミックにしっかり備えねば!」と呼び掛ける論が続けて出てきているのは興味深いところです。07年~09年初頭あたりに見られた、煽り系ではなく冷静な論調です。引き続きしっかりウォッチしてゆきましょう。
ソースは6月28日付ワシントンポスト↓
http://www.washingtontimes.com/news/2012/jun/28/prevent-flu-outbreak-now/
Prevent flu outbreak now