新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

蚊媒介疾患は女性の方がリスク高くなってしまう事情

2016-11-10 08:03:57 | チクングニヤ熱

蚊媒介疾患のリスク、男性より女性の方が高リスクになる事情について報告。

チクングニヤなど蚊によって媒介される疾患について、女性の方がり患リスクが高くなることを報告。

  • バングラデッシュの小村をフィールドに、ジョンズホプキンズ、パスツールらの共同報告。どのような属性がどのような理由で感染しやすいのか明らかにするのが目的。現地のPalparaは首都ダッカから90㎞地点。
  • 2012年のチクングニヤ流行時の調査。460世帯の1933人対象。364人(18%)が症状あり。
  • 罹患者の4分の1は同一世帯で発生しており、半分は200メートル以内の範囲で発生していいる。接触感染するわけでもないのに。
  • 男性に比べて女性の方が自宅で過ごす時間が長い。午前8時から午後8時までの12時間中、女性は66%を家で過ごし、男性は45%。
  • 蚊がそれほど広範囲には行動しないことと考えあわせ、したがって、女性の行動特性、蚊の習性から、女性のリスクが高くなることになる。

チクングニヤ流行に見舞われた村をフィールドにしているので、また、ソースはインド紙で地元でチクングニヤ大暴れ中なこともあり、記事の見出しもチクングニヤになっていますが、もちろん、ジカやデング共通の話題です。女性は家で・・という価値観が、女性により大きなリスクを負わせてしまうという現実、蚊媒介疾患における文化の壁を感じます。一般家庭および周辺の蚊対策に資金が投じられるべきであることの根拠になるでしょう。

ソースはwebindia
http://news.webindia123.com/news/Articles/India/20161108/2986281.html

Women worst sufferer of diseases like Chikungunya

コメント (1)
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インドの混沌、チクングニヤにツツガムシ・・・

2016-09-28 08:57:37 | チクングニヤ熱

インド発の報道がいろいろ盛り上がっている今朝・・・

チクングニヤが収束の兆しなくドンドン拡大、犠牲者もドンドン発生、その一方で見分けのつきにくいツツガムシが確認され・・・とインドの混沌です。
インドに出張者を送り出す会社の皆さま、ご注意を。


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インドのチクングニヤ、2011年以来の3桁入りから4桁へ

2016-09-19 23:17:35 | チクングニヤ熱

騒動が続いているインド発チクングニヤ報道。数字がぐんぐんあがっています。
ここ6年間で最大、3桁の数字をたたきだしたのは2011年以来と。

  • これまでの数字は、2011年に107例、2012年6例、2013年18例、2014年8例、2015年64例、2016年すでに1000例超。
  • 今年の数字は南デリー発表が9月10日現在ですでに1057例
  • 全国では9月11日現在1724例

http://www.siasat.com/news/chikungunya-outbreak-delhi-worst-last-six-years-1023301/
Chikungunya outbreak in Delhi worst in last six years

一方で死者数の数字も15例に
http://www.ndtv.com/delhi-news/number-of-deaths-due-to-chikungunya-rises-to-15-government-seeks-peoples-cooperation-1460026

Number Of Deaths Due To Chikungunya Rises To 15, Government Seeks People's Cooperation


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インドのチクングニヤ報道が目立ってきている

2016-09-10 08:40:37 | チクングニヤ熱

ここ数週間ばかし、インド発のチクングニヤ熱報道が目立ってきています。

日本経済界のチャイナプラスワンの動きの一旦をにない、在留邦人数がぐんぐん増えているこの国の事態は気になるところ。デング・ジカと共通のネッタイシマカ・ヒトスジシマカ媒介で関節症状がいつまでも続く気になる疾患、実は、日本国内流行の脅威はジカウイルス感染症より早くから認識され、ジカより早く四類感染症に指定されています。そんなチクングニヤ関連報道いくつか紹介。


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チクングニヤウイルスは蚊のなかで継代感染してゆくことが証明された

2016-07-14 22:29:31 | チクングニヤ熱

チクングニヤウイルスは蚊の体内で、経卵管的に垂直感染してゆくことを証明したぜ!というインドチームの報告。

  • International Centre for Genetic Engineering and Biotechnology (ICGEB), National Institute of Malaria Research and the Indian Council of Medical Research (ICMR)の報告@Acta Tropica
  • ネッタイシマカの体内で、チクングニヤウイルスが親から子へと卵管を通って感染することがわかった。チクングニヤ陽性の蚊を、同陰性の血液で育てて産卵させ、その卵を検査したとことチクングニヤ陽性が証明された。
  • したがって、流行期以外でもウイルスは自然界に維持されるメカニズムの解明につながり、卵からかえった時点から感染のリスクがあることになる。
  • インドでは32年間途絶えていたチクングニヤ熱が2006年から再興している。
  • ウイルスが蚊の胎内で垂直感染する話は、黄熱では報告があるがチクングニヤでは初めて。

今回の報告はネッタイシマカによるものですが、そこで起こることはたいていヒトスジシマカでも起こりがちです。日本ではいったん秋になると蚊がいなくなり(いなくならなくても活動性がぐっと低下し)、蚊媒介疾患はいったん一安心となるわけですが、その次の年にも可能性が出てきてしまうことも推測されうる報告で、気になるところです。こういうことも頭において、水たまり対策に精を出さねばならないでしょう。

ソースはsiasat
http://www.siasat.com/news/chikungunya-virus-transmitted-across-mosquito-generations-study-2-985143/

Chikungunya virus is transmitted across mosquito generations: Study


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チクングニヤの犠牲者はジカより怖いというブラジルドッキリ報道

2016-07-14 22:03:10 | チクングニヤ熱

ブラジル北東部でチクングニヤ流行、おなじくブラジルを悩ませてるジカウイルス感染症より死亡例が多い! とちょっと気になるブラジル現地報道。

  • ブラジルではジカに悩まされすでに35例犠牲者が出ている。さらに、同じ蚊で媒介されるチクングニヤは今年前半だけで45例感染しその数字は増加中である。
  • これら北東部の州で蚊媒介感染症の感染者にこれまで400名の犠牲者が出ていて正確な死因はわからないものの、そのうちのいくらかはチクングニヤによる死亡だ。It’s safe to say, though, that some of them certainly died of chikungunya.
  • ブラジル北西部はジカでもまた、最も被害をこうむっている地方で10万7仙人が感染していてこれはブラジル全例の87%にあたる。

まあ、ジカなんてそう死ぬ病気じゃないからそりゃそうだろという突っ込みは我慢していただき(笑)、少々あおり系記事ではありますが、チクングニヤの存在感忘れないでということで。。

http://plus55.com/culture/2016/07/chikungunya-is-becoming-more-lethal-than-zika

CHIKUNGUNYA IS BECOMING MORE LETHAL THAN ZIKA

In the Northeastern Region of Brazil, mortality rates of patients with

 


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チクングニヤも垂直感染

2016-07-04 11:15:59 | チクングニヤ熱

ブラジルの妊婦さんたちが心配せねばならないのはジカウイルス感染症だけでなくチクングニヤも感染と報告。

  • ブラジル 州での生後12日、けいれん発作にて集中治療室で経過観察中。
  • 文献で(チクングニヤの胎内感染があることは知っていても)実際にそのような例は我が国では初めてとの現地産科医の声

その後、ProMEDにも載ってきています。
チクングニヤもジカも媒介蚊は共通ですが、この国の貧困問題とも密接にからんでいます。
なかなか進まないスラム対策。虫よけスプレーの需要がわっと上がれば値段もわっと上がって貧困層の妊婦には手が届かなくなる。政府は虫よけの無償供与を打ち出し、最初はわっと報道されるけれど実際のところどこまでカバーされ、いつまで継続されるかわからない(最初の対策打ち上げ報道で、もう大丈夫みたいな印象受けたら実は打ち上げ花火みたいなもので全然大丈夫じゃなかった・・というのは途上国でありがちな話)。
ジカ報道は、蚊のシーズンに入りパニくり気味の米本土発にシフトしてきていますが、ブラジルでは依然として難題です。

ソースはoutbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/chikungunya-mother-to-baby-transmission-reported-in-brazil-67026/

Chikungunya mother-to-baby transmission reported in Brazil

Posted by on June 27, 2016 //

ProMED
http://www.promedmail.org/post/4323117

 

 


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チクングニヤ熱は190万例間近

2016-03-02 09:33:57 | チクングニヤ熱

ジカ熱騒動に先行してカリブ中南米で猛拡大しているチクングニヤ熱、コンスタントに数字を伸ばしています@PAHO発表。

  • トータル1,892,631例に。2016年に入ってから18472例
  • 今週の新増が多かったのはコロンビアで803例。今年に入ってからのトータルは6555例。
  • 次いでグアテマラの495例増、今年トータル737例。
  • エクアドルが242例、381例。
  • コスタリカ112例。

こういう数字があがる国々はネッタイシマカがいっぱいいることを示していますから、ジカ熱大騒動も拡がってゆくのでしょう。。。って、対太平洋岸の火事みたいなことは言ってられません日本。
今夏は何の騒動が起きるのか。ジカジカジカって騒いでるうちに、「関節痛を主訴に整形で疑い例になり〇〇センターで確診された第一例」なんてことにならねばよいのですが。

ソースはPAHO→CIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2016/02/news-scan-feb-29-2016

PAHO reports 1,800 new chikungunya cases in the Americas

PAHO
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_download&Itemid=&gid=33395&lang=en

 


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チクングニヤ熱で脳炎を起こした17%死亡!の衝撃

2015-11-28 08:41:08 | チクングニヤ熱

チクングニヤ熱感染で10万例あたり8.6例の脳炎を合併して死亡率17%という衝撃の報告が話題になっています。

  • レユニオン島のチクングニヤ熱感染30万例調査。
  • うち57例で脳神経系合併症。うち24例が脳炎(10万例あたり8.6)。死亡率17%。記憶障害など後遺症が30-45%
  • 小児と高齢者ではさらに高率に合併(10万例あたり小児187、高齢者37)

かつて2004年以前は”死なない病気”と認識されていたチクングニヤ熱の衝撃の数字です。おなじく蚊媒介の西ナイル熱に悩まされた米国マスコミは「チクングニヤは西ナイルより厄介だ!」と大見出しを打っています。

チクングニヤはヒトスジシマカと相性が良いので、日本国内感染も発生することを前提として、四類感染症に指定され、また、デング熱関連の通知にもデング・チクングニヤが併記されています。17%という数字がこの先独り歩きしてゆけば(「脳炎合併例の17%」が「感染してしまったら17%」と伝言ゲームみたいな流言になってパニックを起こしてゆく事態・・・は容易に想像できます)これまた二重三重に厄介なことになります。

ソースはmedical news today
http://www.medicalnewstoday.com/articles/303213.php

17% fatality rate for chikungunya-related encephalitis

valleynews
http://www.valleynewslive.com/home/headlines/Research-Chikungunya-more-problematic-than-West-Nile-virus--353751361.html

Research: Chikungunya more problematic than West Nile virus

 


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チクングニヤ熱の大幅増でCDCが注意喚起していること

2015-09-30 07:49:43 | チクングニヤ熱

チクングニヤ熱、メキシコの感染者数が7000例越えになっちゃったタイミングで米CDCが注意喚起していること。

  • CDCはメキシコへの渡航者に対して、蚊対策をとりチングニヤ予防につとめるよう呼びかけ。

  • 特にチクングニヤに感染しやすく、また重症化しやすい旅行者として以下をあげた。
    関節炎に罹患している
    基礎疾患(高血圧・糖尿病・心臓病など)
    65歳以上
    妊娠後期の妊婦(←前期の間違いではない)
    長期間旅行者、伝道師・人道援助関係者・友人を訪問・屋外活動の長時間にわたる者・網戸やエアコンの無い部屋に滞在する者

  • 全米のチクングニヤ輸入例は467例にのぼる。2015年は国内感染例が発生していない。

    中南米では大いに暴れまわりつづけている2015年のチクングニヤ熱ですが、とりあえず米国では(昨年は発生をみて保健当局を緊張させた)国内発生はない模様で、日本も(デング熱ガイドラインにチクングニヤが併記されているごとく)厚労省も緊張しておりましたが、どうにか2015年は逃げ切りになるのでしょうか。
    ともあれ、メキシコは邦人数も多く(管理人は、親戚がかの地で日本人学校教諭の任期中に訪問)、大気汚染ともどもお察しするところであります。

    ソースはoutbreaknews
    http://outbreaknewstoday.com/mexico-chikungunya-cases-top-7000-cdc-updates-travel-warning-37082/

  • Mexico chikungunya cases top 7,000, CDC updates travel warning

    Posted by on September 28, 2015

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