中東の戦乱国、イエメンで猛威をふるコレラ、4月27日以来、2カ月経たぬうちに死者850例超とハイチみたいな状況に近づきつつあります。
- 1週間前に国連UNICEFは「2週間以内にイエメンのコレラ感染者数は13万例に達するだろう」と予言していたが、それから1週間、11万6700例と的中しつつある。コレラ関連死は859例!
- イエメンでは2年来、戦火がやまず医療機関が破壊、疲弊しきっている。コレラ感染者が入院すべき病棟の稼働率は20%しか動いていない。
- 現在、イエメン人口の3分の2、1880万人が何らかの人道的支援を要する状況におかれており、1030万人については特に急を要する。1700万人が食糧不足にあり、なかでも700万人は次の食事のあてもなく飢餓状態にある。少なくとも300万人は家がなく、公共サービスは機能せず、医療機関の半分以上は機能せず医薬品も足りない。安全な水へのアクセスも危機に瀕し、衛生状態の悪化は伝染病のリスクを上げている。10分に1人、5歳以下の子供が本来予防可能な疾患でなくなっている。
戦乱が続き破壊されつくした国の医療機関は悲惨です。20%しかベッドが稼働せず水もままならぬ処で、(ほぼ)なすすべくもなくコレラで人がなくなってゆく。
イエメンは、911なぞのはるか以前から火薬庫の国で、管理人がスーダンに在勤していた94年頃から、米国大使館テロだとか、きな臭い話が絶え間なく流れてきていました。しかし現在の状況はそれをはるかに上回る凄惨さです。たとえば、戦乱真っ只中の病院とは、検査室ひとつとっても↓のような状況(これは1996年頃、クーデター繰り返しザイール⇒コンゴと国名が変わった頃のキンシャサの病院。今のイエメンはこのような写真を撮りに行くことすら困難)
コレラが記憶に新しいところで猖獗を極めた国といえば、ハイチです。
こちらは大地震という天災、国連の支援活動で持ち込まれたコレラが悲惨な衛生条件のなか1万人近くの犠牲者を出してしまったものです。天災ですから2年間以上も揺れ続けるわけではなく、支援が入れないわけでもないですが、イエメンは現在も砲弾飛び交い、支援も入りにくい状況。イエメンのハイチ化、ハイチ以上の事態にならぬことを願うばかりです。
ソースはoutbreaknews
http://outbreaknewstoday.com/yemen-cholera-epidemic-worsens-850-deaths-since-april-27-58986/
Yemen cholera epidemic worsens: More than 850 deaths since April 27
ハイチのコレラ(日本語報道)
http://www.afpbb.com/articles/-/3098043