新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

戌年の戌は話題豊富

2018-01-22 11:08:47 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

戌年の今年、ワンちゃん関連の海外報道をよく耳にします。かいつまんで。

  • 戌インフルエンザ(canine flu)。米カルフォルニアでも流行目立ち、動物保護施設で流行。
    自分のペットが呼吸器症状を示していれば、ペットホテルだとかドッグパークだとか、多数の戌がいる場所に連れてゆくべきではなかろうと。
    https://www.eastbaytimes.com/2018/01/15/alamedas-adoptable-pets-be-on-lookout-for-new-dog-flu/
    Alameda’s Adoptable Pets: Be on lookout for new dog flu
  • 野兎病ツラレミアが猟犬に蔓延してるぞと。読んで字のごとくの病気ですが、獲物として接触する猟師や猟犬のリスクが言われてきました。ウイーンのスタディ、猟犬の7%がこれの抗体もちだったと。ここから、無症候の動物(元気な猟犬)からヒトに感染するリスクやいかにというディスカッションに。
    http://outbreaknewstoday.com/tularemia-hunting-dogs-possible-vectors-infectious-disease-59510/
    Tularemia: Hunting dogs as possible vectors for the infectious disease
    January 20, 2018
  • 戌インフルエンザ、ペットオーナーはワクチン打て、ドッグパークやペットホテルやペットデイケアはリスクであると、オーナー向けリスコミ。
    https://www.today.com/pets/dog-flu-real-here-s-what-you-need-know-keep-t121461
    Dog flu is real: Here's what you need to know to keep your pet safeby Julia Curley / Jan.21.2018

 


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H7N9の第6波が・・・という見出しが出はじめた

2017-12-28 17:20:24 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

鳥フルH7N9. 2016/17の第六波でポンと跳ね上がり、2017年はフェレット間感染の河岡報告で盛り上がり・・・

そして、第6波が・・というタイトルも出だしてきました。例年、中国の春節(旧正月)次期に、活きた鶏を持って移動する人々とともに増えるというトレンドがありますが、ここのところそれは「数ある要因のひとつ」で、中国全土に鶏の感染広がり、活鶏マーケットで売買する習慣とともに、ヒト接触チャンスが増えているからというのが実際のところです。

 

第6波、今後の動向はどうなってゆくのか・・・注目してまいりましょう。

http://virologydownunder.com/avian-influenza-a-h7n9-virus-starts-its-6th-wave/

Avian influenza A H7N9 virus starts its 6th wave….

 


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「オージーインフルエンザ」に戦々恐々の英連邦

2017-09-27 09:35:54 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

オージーインフルエンザ。かつて09年H1N1極初期にいわれた「メキシコインフルエンザ」を彷彿とさせますが、まあ、マスコミ命名です。こんな珍病名が大見出しになるほど、英連邦の国々ではオーストラリアから流れ込んでくるインフルエンザに戦々恐々としています。Professor Robert Dingwall, a public health expert from Nottingham Trent University,という方が登場して相当煽っているのですが、要旨、

  • (今南半球シーズン大流行した)オーストラリアのインフルエンザH3N2がUKに入ってくるのはもはや避けられない。鎖国ができない以上。
  • オーストラリアの経験から、公衆衛生当局はただちに緊急プランを策定せねばならない。H3N2はここ数年でもっとも激しく流行、なかでも特にオーストラリアの打撃が大きかった。10万人の(重傷者?)発生でベットが足りなくなった。UKでもベッドをあけておく必要がある。
  • 1968年の香港インフルエンザ以来の被害になるかもしれない。

大衆紙で、煽り系という面はあるにしても、オーストラリアとの間に交流が多い英連邦の国々ではアイルランドの流行なんてこともあり、緊張が高まっています。日本もオーストラリアとの間にはLCCふくめボリューム大きな流動がありますから、今年のインフルシーズンは要注意です。キーワードはオージーインフルエンザ!

http://metro.co.uk/2017/09/26/killer-aussie-flu-h3n2-is-heading-to-the-uk-6955857/

Killer ‘Aussie flu’ H3N2 is heading to the UK



Read more: http://metro.co.uk/2017/09/26/killer-aussie-flu-h3n2-is-heading-to-the-uk-6955857/#ixzz4tpm1SteW


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フィリピンで鳥インフルH5N6ヒト感染かも?発表

2017-08-26 09:54:30 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

フィリピンのマニラ北郊にて鳥インフルエンザH5N6感染鶏に接触した農民34人にインフル症状・・・と保健当局発表です。

  • フィリピン マニラ北方のPampanga and Nueva Ecija。
  • 鳥インフルエンザH5N6発生により、8月11日から殺処分がおこなわれていた。この地域で、感染鶏に接触した農民34人に共通したインフルエンザ症状がみられている。H5N6ヒト感染かどうか確定には現時点では至っていない。すでに治療開始。

H7N9@中国についてはコンスタントに報告が続いていますが、こちらは新しいパターン。H5N6の死亡率自体は高くありませんが、1例でも日本に入ってこれば(ヒト感染例がマニラから日本行きのLCCにでも乗りこめば)ヒアリ上回る炎上騒動なので、注意が必要です。

ソースはロイター
http://www.reuters.com/article/us-health-birdflu-philippines-idUSKCN1B50DK?fref=gc

August 25, 2017 / 2:04 PM / 19 hours ago

Philippines watching suspected bird flu cases in humans

 

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H1N1”騒動”報道@インドが燃えてるのは安倍首相も一因?

2017-08-24 11:29:32 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

インフルH1N1が現地報道で騒動になる・・・今年はミャンマーのH1N1”騒動”が目新しく目立ち、香港のH1N1では中国人ツアーがキャンセル”騒動”も。

例年のようにH1N1”騒動”が起きてswine flu, Swine fluと見出しが踊るのはインド。実際に犠牲者数も相当な数にのぼっています。

と、犠牲者数の数字は大変として、インドマスコミがハッスルしている要因のひとつに「安倍首相来印」もあるらしい・・・です。医務官大変かも。

↓ 見出しと中身と挿絵がチグハグな現地紙

 


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南半球、オーストラリアのインフルはここ数年で最大規模

2017-08-17 10:26:16 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

いまが冬季の南半球。オーストラリアのインフルエンザ流行状況がこの数年間でもっとも激烈と報じられています。

  • シドニーではインフルの入院者が急激に増え、8月最初の1週間だけで確定診断例8000例! クイーンズランドでは1週間で4000例。クイーンズランドは現時点ですでに19216例。これまでの最高は年間で22000例。オーストラリア全体で7万例。
  • これまで見たこともない数字になるであろうとProfessor Paul Van Buynder from Gold Coast Health and the Immunisation Coalition談。
  • 高齢者施設中心に50か所で集団発生。A型B型同時流行。
  • 小児のワクチン接種率は10%しかないと推定され、今からでもおそくないと接種呼びかけ。

このお盆休み、オーストラリアに旅行された人は多いでしょう。元祖LCCジェットスターが飛び始めたのはここ、近い将来にはANAが超巨大機A380の就航予定してるのもオーストラリア。この国のインフルシースンに何が起きるのかは、渡航医学界隈がじっとウォッチしなければならないことです。夏の輸入感染症騒動、ちょうど1年前には関空麻疹で騒ぎになっていました。

https://www.theguardian.com/society/2017/aug/15/australia-in-grip-of-worst-flu-season-yet-with-experts-saying-vaccinate-now?fref=gc
Australia in grip of worst flu season yet, with experts saying vaccinate now

Doctors say it’s not too late to get jab as high rates among children blamed for record-breaking 70,000 cases

 

https://www.businessinsider.com.au/these-charts-show-the-vast-scale-of-sydneys-current-flu-outbreak-the-biggest-in-years-2017-8?fref=gc

 


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真夏の怪、「香港にSARSより深刻なインフル」流言で中国人観光客激減

2017-08-14 10:17:24 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

香港で季節性インフルエンザが流行しておりますが、これに中国国内SNSで流言が蔓延し、観光業に深刻な影響が出ています。

  • 香港の季節性インルエンザ流行をめぐり、中国のSNS(微博)で流言が発生。香港ツアーのキャンセルが相次ぐ騒動に。「香港でインフルエンザで300人以上死亡しており、SARSよりシビア」が内容。
  • 香港旅行のキャンセルはすでに300ツアー、10000人規模に達する。春秋旅行社では香港ツアーが前年同期比10%減。Ctripなどネット系旅行社でも香港インフルに関して問い合わせ殺到。香港は返還20周年もあり今年前半、人気旅行先であったが冷や水をあびせられた格好。
  • SNS上で、検索キーワードの上位に「香港インフルエンザ 死亡」が重慶地震などと並ぶ。
  • 現時点のインフル死亡率1.9は例年に比べて多いわけではないと、当局説明に追われる。

微博SNSに直接アクセスできるわけではありませんが、ソースを読む限り、流言の中身はまだ単純なようです。やや季節外れの(しかし前例がないわけでもない)季節性インフルをとらえて、SARS(香港の犠牲者299人)より多い!というもので、2003年SARS流行渦中で流れたような陰謀論の域には達していないようです(あの時は人民解放軍の細菌兵器説まで登場した)。とはいえ、対処が遅れるとたちまち燃え広がってしまうのが流言による社会不安。中国当局のリスクコミュニケーションのウデが問われます。もっとも、中国当局はSNSキーワードでひっかけて表示できなくしたり、流言主のところに公安が踏み込むといった、かなり強引な剛腕ももっているわけですが・・・

 

http://www.scmp.com/news/hong-kong/economy/article/2106556/about-300-mainland-chinese-tours-hong-kong-may-be-cancelled?fref=gc

About 300 mainland Chinese tours to Hong Kong may be cancelled or postponed amid flu fears

8年前の古~い記事↓

 

 

Tourism Association says move may affect more than 10,000 potential visitors

 
PUBLISHED : Saturday, 12 August, 2017, 5:57pm
UPDATED : Sunday, 13 August, 2017, 12:38pm
 
 

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ミャンマーのH1N1騒動の背景に軍事政権⇒感染症ガラパゴス?

2017-07-29 14:54:47 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

ミャンマーでインフルエンザH1N1をめぐり、タイムマシンで2009年の世界に飛んだような騒動が続いています。WHOへ支援要請、啓発キャンペーンの議会決定。

  • 今回のH1N1”豚インフルエンザ”発生で犠牲者6例に達した。ヤンゴン総合病院では25歳、26歳、34歳例。感染者数も30例越え。
  • 死亡第一例発生以来、現地のSNSでは恐怖にかられた流言が蔓延している。
  • ミャンマー保健省はWHOに支援要請。診断キットや治療薬など。
  • ミャンマー議会は、啓発キャンペーンを決定。学校、市場、駅、バスターミナル、港、空港などで実施、マスメディア動員。

と、世界の大部分が2009年に展開してきたことがプレイバックしています。
しかしなんで今頃・・・と思われますが、その背景に、この国の特殊な近代史があります。

H1N1が世界を席巻していた2009年、この国は軍事政権にありました。当時の軍事政権下ではアウンサンスーチー氏軟禁に象徴される人権抑圧が激しく、米国をリーダーに西側諸国は経済制裁下にありました。その条件では外国企業が投資・進出は著しく制限され、海外から人の流れが極度に抑制されていました。2011年に軍事政権終焉、その後かなり急ピッチとはいえ様子見の筋も多く、2016年のアウンサンスーチー政権初年も経済政策不慣れもあり少し海外からの投資が落ち、今年2017年からは新投資法の制定もあり本格的に伸びようというところにあります。つまり、人の流れが不自然に少ないところで「H1N1ナイーブ、N1N1ガラパゴス」だったところに今回の流入で、社会パニックも起こる、妊婦や若年層の重症化という教科書的なことで一般世間がパニくり流言がSNSを席巻するという結果に至っています。

また、隣国にインドという感染症大国を抱えていることも条件で、今回ヤンゴンでの流行と同時にモン州で発生しているのはインドがらみかもしれません。

国際社会からのノウハウ支援を得て乗り切ってゆくことを期待しています。 

Myanmar now
http://www.myanmar-now.org/news/i/?id=8f07da47-22b9-45f0-b4c8-5c05467117ff

Swine flu death toll reaches 6 in Myanmar

  • By Myanmar Now
  • 27/07/2017

http://www.straitstimes.com/asia/se-asia/myanmar-seeks-who-help-with-deadly-swine-flu-outbreak-that-has-killed-6
Myanmar seeks WHO help with deadly swine flu outbreak that has killed 6

http://frontiermyanmar.net/en/parliament-agrees-to-public-education-campaign-for-h1n1-outbreak
Parliament agrees to public education campaign for H1N1 outbreak

 

 


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H1N1騒動のミャンマーで鳥のH5N1も同時発

2017-07-26 21:22:29 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

季節性H1N1の流行で騒動状態になっているミャンマーで、鳥インフルエンザH5N1も同時発生に見舞われています。

  • 季節性H1N1は、その後2例犠牲になり詳細を報道。25歳男性と26歳妊婦例。
    若年者や妊婦が重症化という基本、リコールされます。
  • 鳥フルH5N1は、新たな経済特区も計画されるダウェー周辺。
    1000羽殺処分。

写真は本件とは無関係ですが、ヤンゴンの船乗り場で撮影。普段からこうやって移送されています。(自転車の荷台にくくりつけて渡し船を待っているところ)

ソースはmizzima
http://www.mizzima.com/news-domestic/two-more-die-h1n1

Two more die from H1N1

 

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季節性H1N1でミャンマーが取り付け騒ぎ状態に・・・

2017-07-25 14:29:30 | インフルエンザ:海外の動き/海外発生

2009年に世界中でパニック騒動をひきおこした、いま季節性、当時新型インフルエンザH1N1pdm。その心理社会的破壊力は、「たかがH1N1、されどH1N1」であると思い知らされる出来事がミャンマーで現在進行形です。

  • ミャンマー保健スポーツ省発表。ヤンゴンとチン州でH1N1(swine flu豚インフルエンザと表現)発生13例報告、1例死亡。
  • ヤンゴン総合病院ICUにH1N1重症例が2例入院中。政府はさらなる発生に備えている。同病院院長は会見にのぞむも、詳細は、担当医が政府当局との会議で協議中であることを理由に語られなかった。

というのが事実関係ですが、現地報道は揺れています。
ミャンマーにはイラワジ紙という、かなり支持されてるメディアがあります。軍事政権時代から反政府的立場をとり編集

部を隣国タイに置いたりして批判繰り返していたこともあり、政治的に御用メディアではないということでそこそこ信用するミャンマー人は多いです。しかし、不慣れな医学報道では・・・

  • 2009年にH1N1についてWHOはパンデミック宣言を出した
  • 2009年のパンデミックに続いて開発されたワクチンは危険であることがわかり、代わりに予防に重点がおかれることになった(The flu vaccine invented in the aftermath of the 2009 outbreak is unsafe, according to the ministry, which has not used it but instead focused on prevention)
  • 必要に応じてX線、血液検査、唾液検査(???)、そしてウイルスの重症度に応じた薬を投与しなければならない(If necessary, we have to do X-ray, blood, and saliva tests and administer medicines depending on the severity of the virus,” said Than Htun Aung)

と不思議な記述も見られています。
https://www.irrawaddy.com/news/burma/h1n1-flu-outbreak-myanmar-linked-one-death.html
H1N1 Flu Outbreak in Myanmar Linked to One Death

ミャンマー人たちのSNSもおかしくなってきているので、管理人的には、とりあえず、ヤンゴン日本人会報に緊急投稿を送りました。

リスクコミュニケーションを効果的に・・・という段階ではないこの国、不思議な騒動にならないことを願っています。

http://aa.com.tr/en/asia-pacific/swine-flu-claims-1-life-in-myanmar/868325

Swine flu claims 1 life in Myanmar

13 patients tested positive for swine flu this month, health authorities say

http://www.express.co.uk/news/world/832279/Swine-flu-2017-Burma-H1N1-influenza-outbreak-Rangoon

Burma fears outbreak of swine flu after two people hospitalised in Rangoon


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