「万引き家族」
是枝監督の作品を観るのは「誰も知らない」に続き、2作目。
本作が国内外で高い評価を得て、数々の賞を受賞しているのは知っていたので、観る側としては、ちょっとハードルが高くなってしまうのは、いたし方なし。
ちょい、あらすじ。。。
柴田治(リリー・フランキー)と、その妻の信代(安藤サクラ)、信代の妹(?)である亜紀(松岡茉優)、治と信代の息子のような(?)男の子・祥太(城桧吏)、そして治の母(?)である初江(樹木希林)。この5人は、下町のビルとビルの間に取り残された、廃屋のような一軒家に住んでいる。。。
一家は治の日雇いの仕事と、信代のクリーニング店での仕事、初江の年金、そして・・・治と祥太がタッグを組んで行う「万引き」で生計を立てていた。。。
お世辞にも豊かとは言い難い家計だったが、何故かいつも温かい空気がこの家族を包んでいた。。。
そんなある寒い夜、万引きを無事に(?)終えた治と祥太が歩いていると、とあるアパートの階段の下で、ひとりの少女(佐々木みゆ)が震えているのを見つける。。。
取るものとりあえず、厳寒の中、見捨てていくわけにもいかず、治と祥太は、少女を家に連れてくることに。。。
最初は、すぐ帰さないと、誘拐になっちゃうよと言っていた信代は、食事のあと眠った少女を背負って、治と一緒に、少女がいたアパートに近づくと、その部屋からはDVと思われる男女の諍う大声が聞こえてきた・・・。
この作品は、実際にあった事件を元に、作られているとのこと。
リリー・フランキーが、イイっす。
ちょっと頼りなさげで、ちょっとおしゃべりで、実はちょっと優しい、治のキャラクターを、ちょっと巻き舌で、上手く演じています。
彼の出演作は「ぐるりのこと」しか観たことないんですが、本作の治役はとてもイイっす。
もっと最優秀主演男優賞とかもらってもいいのになぁ、と思いました。
そして、安藤サクラ。イイですね(^^♪
彼女の出演作は「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」と、「俺たちに明日はないッス」くらいしか観たことないのですが(朝ドラもあまり見ていませんで、失礼いたしました(T_T))、彼女の持ってるタイム感というか、演技なのか素なのか判らないような空気みたいなものが、この作品にハマっていました。
樹木希林さん演ずる初江も、存在感たっぷりです。
パチンコ屋で隣の席の人のパチンコ玉を箱ごとくすねたり、亡き夫と後妻との間にできた息子夫婦を、夫の月命日に訪ねては、お金を貰ったり、それとなく初江の転居を勧めに来る、元地上げ屋には「あたしがここ出ると、あんたいくら貰えんだ?」と、ドスの利いた声で尋ねたり・・・なかなかタフなキャラクターです。。。
松岡茉優が、信代の腹違いの妹という設定で、亜紀という風俗店で働く女の子を演じているのですが、ワタシこのレビューを書くまで、彼女が「蜜蜂と遠雷」の栄伝亜夜を演じていた女優さんだということに、恥ずかしながら気が付きませんでした(+o+)失礼いたしました(汗)!
「蜜蜂と~・・」のレビューにも書いたのですが、栄伝亜夜役の時は、正直、自分的にはちょっとしっくりこなかったのですが、本作の亜紀役はとても魅力的です(^^♪
ストーリー半ばで、お店でよく来てくれる4番さん(池松壮亮)にひざ枕するシーンがありますが、彼を抱きしめた時に、その優しさと温もりが伝わって来るようでした。泣けます(T_T)
ストーリーでは連れてきた女の子に「りん」と名付けて、一緒に暮らすことになるのですが、このりんは、どうやら自宅でDVを受けていたと思われるやけどの跡などが・・。
この、りんを演じた佐々木みゆの表現力には驚きです。
オーバーな表情の変化は見せないのですが、ふっと、不安になったとき、あるいは何かを、思い出しているとき、ふっとその表情が微妙に変わる・・。
かつて「クレイマー、クレイマー」という映画で、父(ダスティン・ホフマン)と母(メリル・ストリープ)の親権争いのはざまに置かれた少年・ビリーを演じたジャスティン・ヘンリーが、ホフマンをして「小さなマーロン・ブランド」と言わしめて高い評価を得ましたが、本作の佐々木みゆの演技はそれに匹敵するものがあるのでは、と、思いました。
演出する側も、どうやって演出したんだろう??
治とタッグを組んで、飄々とポーカーフェイスで万引きをやってのける、城桧吏演ずる祥太。「家で勉強できない奴が、学校へ行くんだ」と、クールに言ってのけますが、思春期が近いのか、万引きをすることに、徐々に疑問を持つようになっていきます。。。
近所の駄菓子屋で、りんが、いつもの祥太の真似をして万引きをすると、後ろから店主(柄本明)が祥太に声をかけるシーンが印象的です。人の温かみに触れる一幕です。
ストーリーは初江が亡くなって、急速に進展してゆきます。火葬する費用もないので、庭に穴を掘って埋めたのですが・・・。
祥太が万引きで逃走中に脚を骨折し、警察が介入してきて、すべてがバレてしまいます。
治と信代の関係も、祥太のことも、りんのことも・・・。
取調べ室での信代と警察官(池脇千鶴)とのやりとりに、この映画のフォーカスが合っているような気がしました。
治と祥太の二人が訪ねた、刑務所の面会室での信代の笑顔が、どこか清々しくて、とても印象的でした。
そして、親の元に戻され、一人遊びをしていて、ふと遠くを見つめた、りんは何をつぶやいたのでしょうか。。。
ヒッキー的満足度★★★★☆
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分
是枝監督の作品を観るのは「誰も知らない」に続き、2作目。
本作が国内外で高い評価を得て、数々の賞を受賞しているのは知っていたので、観る側としては、ちょっとハードルが高くなってしまうのは、いたし方なし。
ちょい、あらすじ。。。
柴田治(リリー・フランキー)と、その妻の信代(安藤サクラ)、信代の妹(?)である亜紀(松岡茉優)、治と信代の息子のような(?)男の子・祥太(城桧吏)、そして治の母(?)である初江(樹木希林)。この5人は、下町のビルとビルの間に取り残された、廃屋のような一軒家に住んでいる。。。
一家は治の日雇いの仕事と、信代のクリーニング店での仕事、初江の年金、そして・・・治と祥太がタッグを組んで行う「万引き」で生計を立てていた。。。
お世辞にも豊かとは言い難い家計だったが、何故かいつも温かい空気がこの家族を包んでいた。。。
そんなある寒い夜、万引きを無事に(?)終えた治と祥太が歩いていると、とあるアパートの階段の下で、ひとりの少女(佐々木みゆ)が震えているのを見つける。。。
取るものとりあえず、厳寒の中、見捨てていくわけにもいかず、治と祥太は、少女を家に連れてくることに。。。
最初は、すぐ帰さないと、誘拐になっちゃうよと言っていた信代は、食事のあと眠った少女を背負って、治と一緒に、少女がいたアパートに近づくと、その部屋からはDVと思われる男女の諍う大声が聞こえてきた・・・。
この作品は、実際にあった事件を元に、作られているとのこと。
リリー・フランキーが、イイっす。
ちょっと頼りなさげで、ちょっとおしゃべりで、実はちょっと優しい、治のキャラクターを、ちょっと巻き舌で、上手く演じています。
彼の出演作は「ぐるりのこと」しか観たことないんですが、本作の治役はとてもイイっす。
もっと最優秀主演男優賞とかもらってもいいのになぁ、と思いました。
そして、安藤サクラ。イイですね(^^♪
彼女の出演作は「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」と、「俺たちに明日はないッス」くらいしか観たことないのですが(朝ドラもあまり見ていませんで、失礼いたしました(T_T))、彼女の持ってるタイム感というか、演技なのか素なのか判らないような空気みたいなものが、この作品にハマっていました。
樹木希林さん演ずる初江も、存在感たっぷりです。
パチンコ屋で隣の席の人のパチンコ玉を箱ごとくすねたり、亡き夫と後妻との間にできた息子夫婦を、夫の月命日に訪ねては、お金を貰ったり、それとなく初江の転居を勧めに来る、元地上げ屋には「あたしがここ出ると、あんたいくら貰えんだ?」と、ドスの利いた声で尋ねたり・・・なかなかタフなキャラクターです。。。
松岡茉優が、信代の腹違いの妹という設定で、亜紀という風俗店で働く女の子を演じているのですが、ワタシこのレビューを書くまで、彼女が「蜜蜂と遠雷」の栄伝亜夜を演じていた女優さんだということに、恥ずかしながら気が付きませんでした(+o+)失礼いたしました(汗)!
「蜜蜂と~・・」のレビューにも書いたのですが、栄伝亜夜役の時は、正直、自分的にはちょっとしっくりこなかったのですが、本作の亜紀役はとても魅力的です(^^♪
ストーリー半ばで、お店でよく来てくれる4番さん(池松壮亮)にひざ枕するシーンがありますが、彼を抱きしめた時に、その優しさと温もりが伝わって来るようでした。泣けます(T_T)
ストーリーでは連れてきた女の子に「りん」と名付けて、一緒に暮らすことになるのですが、このりんは、どうやら自宅でDVを受けていたと思われるやけどの跡などが・・。
この、りんを演じた佐々木みゆの表現力には驚きです。
オーバーな表情の変化は見せないのですが、ふっと、不安になったとき、あるいは何かを、思い出しているとき、ふっとその表情が微妙に変わる・・。
かつて「クレイマー、クレイマー」という映画で、父(ダスティン・ホフマン)と母(メリル・ストリープ)の親権争いのはざまに置かれた少年・ビリーを演じたジャスティン・ヘンリーが、ホフマンをして「小さなマーロン・ブランド」と言わしめて高い評価を得ましたが、本作の佐々木みゆの演技はそれに匹敵するものがあるのでは、と、思いました。
演出する側も、どうやって演出したんだろう??
治とタッグを組んで、飄々とポーカーフェイスで万引きをやってのける、城桧吏演ずる祥太。「家で勉強できない奴が、学校へ行くんだ」と、クールに言ってのけますが、思春期が近いのか、万引きをすることに、徐々に疑問を持つようになっていきます。。。
近所の駄菓子屋で、りんが、いつもの祥太の真似をして万引きをすると、後ろから店主(柄本明)が祥太に声をかけるシーンが印象的です。人の温かみに触れる一幕です。
ストーリーは初江が亡くなって、急速に進展してゆきます。火葬する費用もないので、庭に穴を掘って埋めたのですが・・・。
祥太が万引きで逃走中に脚を骨折し、警察が介入してきて、すべてがバレてしまいます。
治と信代の関係も、祥太のことも、りんのことも・・・。
取調べ室での信代と警察官(池脇千鶴)とのやりとりに、この映画のフォーカスが合っているような気がしました。
治と祥太の二人が訪ねた、刑務所の面会室での信代の笑顔が、どこか清々しくて、とても印象的でした。
そして、親の元に戻され、一人遊びをしていて、ふと遠くを見つめた、りんは何をつぶやいたのでしょうか。。。
ヒッキー的満足度★★★★☆
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分
いいですよね、この映画。
傷ついた人だからこそ他の傷ついた人に寄り添えるし、家族に
以上に『家族』になってましたよね。
すごく切ない気持ちになってしまいましたけど。
いい映画ですよね!
この家族の一人ひとりが、それぞれ、何かで傷ついている。
傷ついているから、「家族」を越えた本当の意味での「家族」が、描かれていましたね。
柄本明さん演ずるお店の主人が、祥太に声をかけるシーンは、感動しました(T_T)
本当の「優しさ」って、こういうものなんだなぁ、と思わされる、ワンシーンでした。
ito☆mさん、今後とも気が向いたら、コメントいただければ、幸いに存じます(^0_0^)
よろしくお願いいたします<m(__)m>