ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「忠臣蔵外伝 四谷怪談」

2012-05-21 20:21:52 | Weblog

                            「忠臣蔵外伝 四谷怪談」

1994年の深作欣二監督作。

読んで字の如く、忠臣蔵と四谷怪談が合体したホラー・ロマンス時代劇(??)

公開当時から観よう、観ようと思いながら、苦節18年(?)やっと観てみました。

ストーリーはさておき(?)やはりお岩役の高岡早紀がイイっす。
「バタアシ金魚」の頃から、素敵な女優さんだとは思っていたのですが、本作、もっと早く観とけばよかった。
この映画に関するインタビューで「深作監督のキビしさに、何度も泣かされた」と彼女が語っていたのを思い出します。

その高岡氏に負けず劣らず異彩を放っていたのが、吉良方、伊藤喜兵衛(石橋蓮司)の孫娘・お梅を演じた荻野目慶子です。
“子供の頃の病により言葉を失った”という設定なので、セリフが一言もなく、発するのは笑い声と叫び声だけという、狂気さえ感じる“怪演”でした。
おそらく、この作品以前の自分のイメージを、良い意味で“ぶち壊した”演技だったのではないでしょうか。

さて、ご紹介する女優さん三人目は、お梅の乳母(側近??)・お槇を演じた渡辺えり子(現・えり)さんです(なぜか敬称)
白塗りした顔に不気味な微笑み・・・存在感有りまくり(笑)
本作のキャラクターで、渡辺さんを知ったという方も多いのでは(私もそうです)

男優さん。
伊右衛門を演じた佐藤浩市さんもよかったのですが、
私的には、湯女宿の番頭・宅悦を演じた六平直政さんにシビれました。
湯女宿の番頭らしい、下卑た物腰や言い回し・・それでいて実はお岩さんに下心があるという件などの演技は、まさにハマリ役。
何か賞をあげたいくらいです。

という訳で、ストーリー的には、ネタバレになりますが
伊右衛門とお岩の出会い。時同じくして元禄十四年、赤穂浪士たちの苦難の道のりには、松の廊下の二か月前に召し抱えになった伊右衛門も加わっていた・・。
伊右衛門の前に現れる吉良方の孫娘・お梅・・。
伊右衛門の裏切りとお岩の死。

そしてクライマックスの吉良邸討ち入りに、なんとお岩と伊右衛門が・・・。

思ったのは、これだけ盛り沢山のストーリー及び豪華なキャストの割に、正味100分くらいでジ・エンドなのは何故かしら??
まあ、コンパクトで中身が濃いと言えなくもないが・・。

討ち入りのシーンだけでも、もうちょっと長く観たかった感じがしました・・。



ひきばっち的満足度★★★






「どついたるねん」

2012-05-18 22:36:24 | Weblog

                           「どついたるねん」
監督・脚本 阪本順治

20年以上前に観た本作を、なんとなくまた観たくなってDVDを借りました。

ボクサー現役時代は「浪速のロッキー」と呼ばれた赤井英和の初主演映画ですな。

ネタバレあります~・・。と言っても、ストーリー自体はとてもシンプルなのですが・・。

ストーリー冒頭で赤井演じるボクサー安達英志がノックアウトされる。
そのまま病院で開頭手術を受け一命を取り留める。
奇跡的に殆んど後遺症は残らなかったが、頭に“爆弾”をかかえた安達は、二度とリングには上がれなくなった・・。

このあたりのストーリーは、赤井英和が実際にたどった道程に近いのではなかろうか(というかそのものか)。1985年2月5日に行われた“世界タイトルの前哨戦”。
対大和田正春戦で赤井は7ラウンドKO負けを喫した。その際「急性硬膜下血腫」及び「脳挫傷」で意識不明の重体となった。
なんでも、「搬送時生存率20%」だったというから、まさに奇跡的な回復だ。

映画では退院してその後が描かれる。
それまで世話になったナショナル・ジムには恩返しもせず、勝手に自分のジムを作り、あくまでも自分がやってきたような“ファイター”型の選手を作ることに固執し、その結果、安達のジムは崩壊する。

すべては安達の復活劇への布石なのだが、ボクシング好きの私にとっては、興味深いシーンが盛り沢山。

カムバックが決まった後のロードワークのシーンは、見ているこちらも心拍数が上がる(笑)まさに「ロッキー」と同じパターンなのだが、単細胞な私は、つい拳に力が入ってしまう・・。

この作品を魅力的な物にしているのは、やはり赤井英和の存在感だと思うのだが、私的にすごく魅かれたのが、ナショナル・ジムの貴子(相楽晴子)のキャラクターだ。
男まさりで気が強く、いつも安達とケンカばかりしているのだが、実は安達のことが好きで、心配でならない・・というキャラクターに相楽晴子がとってもハマっている(^^♪
ベリー・キュートだ。

映像の色調が「やまぶき色」とでもいうのか、とても暖かみがある(ファイトシーンは別として)。

私は二十数年前に、確かにこの作品を観たのだが・・・あれ??・・終盤のファイトシーンこんなに迫力あったっけ・・??すぐ終わったような記憶があるのだが・・。
すごい迫力でした・・。エンディングもカッチョイイ。

エンドロールに原田芳雄(佐島トレーナー役で出ています)が歌う「Don't Worry」がかぶる。CD買ったのを思い出した。なくしてしまったのが残念・・。



ひきばっち的満足度★★★★












「華の乱」

2012-05-13 16:14:28 | Weblog

                             「華の乱」

松田優作つながりで、前から観たかった本作をやっと。

「ヨコハマBJ~」にくらべると、こちらはかなり大作ですな。
「オールスター・キャスト」という感じです。

明治、大正の激動の時代を舞台に、歌人・与謝野晶子(吉永小百合)を中心とし

て、女優・松井須磨子(松坂慶子)、「婦人公論」記者の波多野秋子(池

上季実子)、婦人解放運動家である伊藤野枝(石田えり)、歌人・山川登美子(中田喜子) らの女性たち、

そして作家・有島武郎(松田優作)、アナキスト・大杉栄(風間杜夫)、新劇の演出

家・島村抱月(蟹江敬三)、晶子の才能を見い出し開花させた歌人・与謝野寛(緒形拳)らが繰り広げる愛憎と人間の物語・・・かな・・??

とりあえず思ったのは吉永小百合さん綺麗・・((;゜Д゜))!

吉永さんの比較的“昔”の作品としては「青い山脈」や「キューポラのある街」を観たこと

があったが、本作での美しさは格別だ・・。これだけで観たかいがあったというものだ(そんなんばっか(゜∀。)
晶子が執筆の合間にタバコをふかすシーンがある。吉永さんが煙草を・・イケナイものを見てしまったようで、私もすぐにタバコを吸いました^^。


物語は、晶子と寛(鉄幹)の出会いから始まり、晶子と有島との恋を軸に描かれてゆく。

そこに波多野秋子が加わり、微妙な“三角関係”へと・・。それを中心に須磨子と抱

月、大杉栄と伊藤野枝のエピソードが交錯してゆく。

フィクションであるにしろ、“恋多き女”与謝野晶子の情熱的な恋愛の一端が垣間見れたようで、とても興味深い。

代表作「君死にたまふことなかれ」の一節が劇中に出てくる。知っている文章であったが、なぜか胸が詰まるシーンだった。

緒形拳が与謝野寛の俗物的な面を上手く演じていた。さすがだ。

優作さん演ずる有島武郎も生真面目だが時にコミカルで素敵だったが、私的には「それから」の代助さんの方が好きかなぁ・・。

そして画面の色なのですが、
深作欣二監督の作品独特の艶やかな色調。有機的な画質。好きです(^^♪

細かい人物設定が判らなくとも、明治と大正の時代の雰囲気を味わうだけで、結構楽しい。

ラスト近くで描かれる関東大震災のシークエンス。短いシーンだが、心に残るものであった。

私的に、とても楽しめた作品であった。



ひきばっち的満足度★★★★




















「ヨコハマBJブルース」

2012-05-10 14:05:03 | Weblog

                               「ヨコハマBJブルース」

好きな俳優、松田優作の主演作品なのに、今まで観たことがなかった本作。

ネタバレあります・・。

劇中に流れるブルージーなナンバーを優作さんが歌っている。
優作さんの歌はこれ以前に何曲か知っていたが、こんなにカッコイイとは・・!

なかでも、オープニング直後のライブハウスのシーンで歌われる「灰色の街」はイカしている。
甘えのない声が渋くてタマラナイ。
松田優作ファンならば、これだけでOKかも。

優作さん演じる主人公BJは、売れないシンガー。
食うために、私立探偵もやっている。

“探偵”。松田優作にはなぜか“探偵”がよく似合う。
今回は“工藤ちゃん”ほどコミカルではなく、渋い探偵さんだが、それでも所々にファニーなシークエンスがあり、つい笑ってしまう^^。

ストーリーは、麻薬密売に絡む「ファミリー」とそれを阻止しようとする警察との攻防に
BJが巻き込まれて・・・。という感じなのだが、出てくるキャラクターが一癖もふた癖もある連中ばかり。

BJの親友の警察官ムク(内田裕也)、同じ警察官だがBJを目の敵にしているベニ(山西道広)、ファミリーのスナイパーアリ(蟹江敬三)、同じくファミリーのメンバー安永(安岡力也)、これだけ並べただけで十分怖い(笑)

そしてファミリーのドンである牛宅麻(財津一郎)である。
男色の気がある牛がとてもコミカルで、観ている方がほっとする(^^♪財津一郎ってすごいなぁ。

他にも、ムクの妻、民子を辺見マリが、ライブハウスのオーナーを宇崎竜童が、牛に雇われているアキラ(田中浩二)の母を馬渕晴子が、といったぐあいに、思わぬところで懐かしさを感じたりする・・。

そしてストーリーのクライマックスは、え、(゜∀。)それあり~・・・!?
まるで「スティング」を観た時のような・・・。

優作さん見たさだったので、このストーリーはありがちかもだけど、びっくりしました・・・。



ひきばっち的満足度★★★☆







「THE WALL」

2012-05-04 18:52:04 | Weblog

久しぶりの投稿です。

ピンク・フロイドの「THE WALL」です。

全編にわたってピンク・フロイドの曲が流れ、観ていて不思議な感覚に襲われる作品です。

1979年発表のピンク・フロイドの大ヒットアルバム「THE WALL」を、鬼才アラン・パーカーが“そのまま”映像化したものです。

あくまでも“曲の持つ世界”を表しているため、「物語」的なものを期待して観ると、少々拍子抜けするかもです(迫力が無いということではありません。迫力ありすぎのシーン満載です!)

管理された教育に対するアイロニーや、反戦のメッセージが強く感じられます。

“君も壁のレンガの一つになるのか”

なるほど、レンガにはなりたくないが、レンガになってるなぁ・・。
というかレンガになっているのか・・?いや、レンガになれればまだいいのか??う~~む、何回観ても難解な映画じゃ(??)

ストーリー後半で、主人公ピンク(ボブ・ゲルドフ)がヤク中になってしまうシーンに、「コンフォタブリーナム」という曲が使われております。私的にピンク・フロイドのなかの数少ない「知っている」曲だったので、“今、気持ちが良い~♪”っちゅうニュアンスが感じられたシーンでした。

アラン・パーカー監督は、「ミシシッピー・バーニング」と「フェーム」の二作が大好きなのですが、本作はかなりカラーが異なります。
本作はもしかして私未見の「エンゼル・ハート」寄りの一本なのかしらん。

本作のDVDを貸してくれた友人曰く“決して夜中に観たりしないように”・・・。

不思議体験なさりたい方は、一見の価値ありかも・・。


ひきばっち的満足度★★★☆