「忠臣蔵外伝 四谷怪談」
1994年の深作欣二監督作。
読んで字の如く、忠臣蔵と四谷怪談が合体したホラー・ロマンス時代劇(??)
公開当時から観よう、観ようと思いながら、苦節18年(?)やっと観てみました。
ストーリーはさておき(?)やはりお岩役の高岡早紀がイイっす。
「バタアシ金魚」の頃から、素敵な女優さんだとは思っていたのですが、本作、もっと早く観とけばよかった。
この映画に関するインタビューで「深作監督のキビしさに、何度も泣かされた」と彼女が語っていたのを思い出します。
その高岡氏に負けず劣らず異彩を放っていたのが、吉良方、伊藤喜兵衛(石橋蓮司)の孫娘・お梅を演じた荻野目慶子です。
“子供の頃の病により言葉を失った”という設定なので、セリフが一言もなく、発するのは笑い声と叫び声だけという、狂気さえ感じる“怪演”でした。
おそらく、この作品以前の自分のイメージを、良い意味で“ぶち壊した”演技だったのではないでしょうか。
さて、ご紹介する女優さん三人目は、お梅の乳母(側近??)・お槇を演じた渡辺えり子(現・えり)さんです(なぜか敬称)
白塗りした顔に不気味な微笑み・・・存在感有りまくり(笑)
本作のキャラクターで、渡辺さんを知ったという方も多いのでは(私もそうです)
男優さん。
伊右衛門を演じた佐藤浩市さんもよかったのですが、
私的には、湯女宿の番頭・宅悦を演じた六平直政さんにシビれました。
湯女宿の番頭らしい、下卑た物腰や言い回し・・それでいて実はお岩さんに下心があるという件などの演技は、まさにハマリ役。
何か賞をあげたいくらいです。
という訳で、ストーリー的には、ネタバレになりますが
伊右衛門とお岩の出会い。時同じくして元禄十四年、赤穂浪士たちの苦難の道のりには、松の廊下の二か月前に召し抱えになった伊右衛門も加わっていた・・。
伊右衛門の前に現れる吉良方の孫娘・お梅・・。
伊右衛門の裏切りとお岩の死。
そしてクライマックスの吉良邸討ち入りに、なんとお岩と伊右衛門が・・・。
思ったのは、これだけ盛り沢山のストーリー及び豪華なキャストの割に、正味100分くらいでジ・エンドなのは何故かしら??
まあ、コンパクトで中身が濃いと言えなくもないが・・。
討ち入りのシーンだけでも、もうちょっと長く観たかった感じがしました・・。
ひきばっち的満足度★★★