(C)KADOKAWA1976
角川レビュー8発目は、記念すべき角川映画 第一弾の「犬神家の一族」です!
1976年の市川崑監督の作品です。
この映画、ブログにupするのにちょっと勇気がいりましたが、とても良い作品で、何といっても角川映画の初作品なので、思い切ってレビューすることにいたしました。
今回これを書くために、また本作を見直したのですが(4~5回目かと思います)、何回見ても、またもやストーリーにグイグイ引き込まれる、実に良く出来ている映画です。
ちょい、あらすじ。。。ネタバレあります。。。
ストーリー冒頭、那須市に拠点を置く、犬神財閥及び犬神製薬工場の創始者である犬神佐兵衛翁(三國連太郎)が昭和22年2月に亡くなるシーンから入ります。。。
遺言状は、犬神家の顧問弁護士である古館(小沢栄太郎)が預かっているのだが、佐兵衛翁の意向により、犬神家の血縁者全員が揃わないと、開封してはならないことになっていた。。。
そう、佐兵衛翁の長女・松子(高峰三枝子)の一人息子である佐清<すけきよ>が戦地へ赴いたまま、消息不明だったのである。
ところが、引揚げ船で博多に着いたとの知らせあり、松子が迎えに行ったのだが、半月近く帰ってこず、連絡もなし・・・。
するとある夜、松子から電話があり、松子の妹二人が迎えに出ると、車の中から、松子と、黒い頭巾をかぶった佐清が現れたのだった・・・。
その那須市に、くたびれた羽織袴の探偵がやって来る。金田一耕助(石坂浩二)である。
当地の古館法律事務所の若林(西尾啓)という男からの「近々、犬神家で大変な事態が起こるかもしれない」という依頼で・・。
通りかかった那須ホテルの女中はる(坂口良子)の案内で、指定された「那須ホテル」にやって来た耕助であったが、ホテルとは名ばかりの安宿・・・。湖面の向こうに建つ犬神家の屋敷を見ていると、犬神家に来ている野々宮珠世(島田陽子)の漕いでいたボートが沈みかけていた!
耕助と、犬神家の門番である猿蔵(寺田稔)の救助で救われた珠世であったが、乗っていたボートには船底に誰かが空けた穴があった。。。
そして那須ホテルに戻った耕助は、訪ねて来て待っていたとみられる若林がタバコを吸いかけで、喀血死している事態に遭遇する!
いきなり事件発生である。
自分の法律事務所の若林が、耕助に依頼していたことを初めて知り、確かに犬神家で何か起きるのではないかと思っていた古館は、若林に替わって自分が耕助に改めて依頼することにした。。。
という感じで物語は始まるのですが、これまだ、ストーリーのほんの始まりなので、ここから本編へ突入する感じです。
犬神家に関わる人物の家系図が欲しいところですが、佐兵衛翁は終生正妻をめとらず、母親のそれぞれ違う、松子(高峰三枝子)、竹子(三条美紀)、梅子(草笛光子)の3人の子供をもうけます。
松子の一人息子は、ビルマの戦線から帰ってきて、顔に酷い傷を負ったので、黒い頭巾の下に、白い仮面を被っている佐清<すけきよ>です。
竹子は、佐武<すけたけ>(地井武男)と、その妹小夜子(川口晶)の2人の子供がいます。
梅子には、佐智<すけとも>(川口恒)という息子がおります。
それとはまったく別に佐兵衛翁は、自分の工場の女工である青沼菊乃という愛人との間に、静馬<しずま>という息子をもうけますが、静馬は戦場へ行ったまま行方知れずです。。。
松子、竹子、梅子は、この青沼親子を憎悪しています。
またそれとは別に、明治11年に佐兵衛翁が浮浪しているところを那須神社の神官である野々宮大弐に救われるのですが、云わば“命の恩人”の大弐の孫にあたるのが、野々宮珠世なのであります(ということになっているのですが・・・)
そして、佐清が戦地から戻り、血縁者と珠世が揃ったところで、古館は佐兵衛翁の遺言状の封を切ります。
古館が読み上げるのですが、大変な内容に出席の血縁者は騒然とします。。。
かいつまんで抜粋すると、
「全相続権を示す犬神家の家宝 “斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、佐清・佐武・佐智の3人の中から配偶者を選ぶことを条件に、野々宮珠世に与えるものとする。」
「さらに珠世がこの3人から配偶者を選ばない、もしくは珠世が死亡せるときは、犬神家の財産は5等分して、佐清・佐武・佐智がそれぞれ5分の1ずつを相続し、残りの5分の2を青沼静馬に与えるものとする。。。」
「なんで血縁でもない野々宮珠世に!?」
「なんで青沼静馬に!?」
怒り狂う者、嘆き号泣する者、驚きで言葉も出ない者・・・。
ここから謎の連続殺人事件が始まります。。。
この作品、観るたびに思うのは、画面の色合いに深みがあるというか・・うまく言葉で言い表せないんですが、観ていてしっくり来るんです。
監督の市川崑さんは「色彩の魔術師」と呼ばれているとか。
感覚的にはリドリー・スコット監督の作品を観るときに受ける“安心感”みたいなものと、近いのかなと。「この映画、ちゃんとしてるから、期待できそう・・」みたいな気持ちになります。
主演の石坂浩二さん演じる金田一耕助は、奇をてらったところが無くて(頭掻いてフケが・・は定番ですからね(^^♪)オーソドックスなイメージです。ストーリーの良さを引き立てるキャラクターの演じ方で、好感が持てます。
松子夫人を演じた高峰三枝子さんが素敵です!
所作というんでしょうか、立ち居振る舞いがスゴくエレガントで。
顔に酷い傷を負って仮面を被っているのが、我が子、佐清だと自分に言い聞かせながらも、心のどこかで一抹の不安を感じている松子夫人を演じて、抜群の存在感です。
後日の何かの賞では「助演女優賞」の枠にエントリーされておりましたが、「えっ!主演でしょ!?」と思った方もいらっしゃるのではないかと。。。
那須神社の神官で、佐兵衛翁の命の恩人である野々宮大弐の孫娘という設定で登場するのが、島田陽子さん演じる野々宮珠世というキャラクターです。
このキャラクターが、観ている者にとっては、「イイもん」なのか「ワルもん」なのか、そして何故、佐兵衛翁は、血縁でもないこの珠世に財産決定権を与えたのか。。。!?
それは、耕助が、那須神社の大山神官(大滝秀治)へ聞き込みにいったとき、その秘密が明かされます・・・。知りたい方は、映画を観てね。。。(^^♪
一人、また一人と、犠牲者が出てくる訳ですが、この作品で、インパクトがあって、解りやすいキャラクターの、橘(たちばな)警察署長(加藤武)が登場します(^^♪
後の横溝正史原作の映画の多くの警察署長も、この加藤武さんのが定着したほど、インパクトがあります。
「よーし!わかった!犯人は〇〇だ!!」
と手を叩くお決まりのポーズは、ストーリーにひととき和やかなムードをもたらします。
なんかいつも胃薬みたいな粉薬をコップの水で呑み込んでいて、粉をまき散らしながら喋る様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます(^^♪
捜査はいつも見当はずれだけど、憎めないキャラクターです。
あと印象に残っているのが、盲目の琴の師匠・宮川香琴(岸田今日子)というキャラクターです。
耕助の聞き込みに対し、まず、一人目の犠牲者が出たあと、喪中であるにもかかわらず、琴の稽古に呼ばれたのが、まず、おかしい。。。そして、二人目の犠牲者が出た時間帯は、<その人>は琴を弾いていたが、御不浄へ中座し、程なく戻ってきてまた琴を弾き始めたが、すると、音色で判ったが、<その人>は人差し指に怪我をして来ていた。そして、それを悟られぬよう、かばいながら琴を弾いていた。。。という重要な証言をするのであります。。。
岸田今日子さん、いい味出してますね~(^0_0^)
このあたりで犯人およびこの事件の真相が判った方。エラいっす!!
ワタシ初めてこの映画観たときは、最後まで犯人および真相、判りませんでした(T_T)
ただの連続殺人事件ではない、複雑な事実が、錯綜しておる訳であります。
スゴくネタバレしちゃうから、これから観ようと思ってる方は、読まないでね。。。
ストーリー序盤で、柏屋という宿に、顔を襟巻きで隠した復員服の謎の男が投宿するのですが、これで勘の鋭い方は、ピンとくるかもですが、最初観たとき、ワタシまったく意味が判りませんでした(汗)。。。
そして、仮面を被っているのが、本当に佐清なのかどうか、出征前に那須神社へ奉納した手形と、今仮面を被っている佐清の手形を警察の鑑識が比較するシーンがありますが、これがぴったり一致します。
映画の登場人物たちも、映画を観ている我々も、ー本当の佐清なんだ!ーと認識するのですが、本当の佐清ではあるんですが・・・ここにトリックが仕組まれているのであります。これは最初観たときは、思いもつかなかったです。
トリックといっても、犯人ではない誰かが仕組んだもので、言ってみれば犯人すらも騙されているという・・・ワケわかんないでしょ!
さらに、犯人が、殺人するのですが、明くる日になると、殺したのとはまったく違う場所で、しかも死体がまったく違う状態で(菊人形の首だったり・・)発見されるのです。いちばん驚いているのは、犯人なのであります。。。
この作品、推理モノとしても、とても良く出来ているのですが、そこに、親と子の、延いては人誰もが持つ愛と憎しみが絡みついた、人間ドラマとしても良く出来ているのでした。
ストーリー終盤で、本物の犬神佐清(あおい輝彦)が逮捕され、この度の連続殺人事件はすべて自分がやりました、と、自白するのですが、それを金田一耕助が「そうじゃないでしょ、あれを全部あなた一人でなんて出来っこない。あなた、誰かをかばっているんでしょ!?・・・〇〇さんを・・・。」
その時の佐清の、絶望と悲しみの嗚咽は、見ているものの胸を打ちます。。。
この映画、音楽は、後に「人間の証明」「野性の証明」「ルパン三世・カリオストロの城」などを手掛けることになる大野雄二さんが担当なさっておられます。
オープニングで流れる「犬神家の一族・愛のバラード」は、これから繰り広げられる欲望と愛憎のストーリーを流麗な旋律で予感させてくれる、とても素敵な曲です。
5人の死者を出したこの事件が終わって、関係者に惜しまれつつ、見送られるのが苦手な金田一耕助は予定よりも早い汽車に飛び乗って、幕、となります。。。
この作品が興行的に大成功したのを皮切りに、日本映画の1本立てロードショー公開という型が出来上がっていったそうです。
角川映画としても、第一作が大成功ということで、このあと「人間の証明」「野性の証明」などの大作を世に送り出すことになります。
角川映画の一大ブームの始まりを告げる「犬神家の一族」のレビューでした。。。
しかし坂口良子、カワイイなぁ(そこかいな!)
ヒッキー的満足度★★★★☆
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分
角川レビュー8発目は、記念すべき角川映画 第一弾の「犬神家の一族」です!
1976年の市川崑監督の作品です。
この映画、ブログにupするのにちょっと勇気がいりましたが、とても良い作品で、何といっても角川映画の初作品なので、思い切ってレビューすることにいたしました。
今回これを書くために、また本作を見直したのですが(4~5回目かと思います)、何回見ても、またもやストーリーにグイグイ引き込まれる、実に良く出来ている映画です。
ちょい、あらすじ。。。ネタバレあります。。。
ストーリー冒頭、那須市に拠点を置く、犬神財閥及び犬神製薬工場の創始者である犬神佐兵衛翁(三國連太郎)が昭和22年2月に亡くなるシーンから入ります。。。
遺言状は、犬神家の顧問弁護士である古館(小沢栄太郎)が預かっているのだが、佐兵衛翁の意向により、犬神家の血縁者全員が揃わないと、開封してはならないことになっていた。。。
そう、佐兵衛翁の長女・松子(高峰三枝子)の一人息子である佐清<すけきよ>が戦地へ赴いたまま、消息不明だったのである。
ところが、引揚げ船で博多に着いたとの知らせあり、松子が迎えに行ったのだが、半月近く帰ってこず、連絡もなし・・・。
するとある夜、松子から電話があり、松子の妹二人が迎えに出ると、車の中から、松子と、黒い頭巾をかぶった佐清が現れたのだった・・・。
その那須市に、くたびれた羽織袴の探偵がやって来る。金田一耕助(石坂浩二)である。
当地の古館法律事務所の若林(西尾啓)という男からの「近々、犬神家で大変な事態が起こるかもしれない」という依頼で・・。
通りかかった那須ホテルの女中はる(坂口良子)の案内で、指定された「那須ホテル」にやって来た耕助であったが、ホテルとは名ばかりの安宿・・・。湖面の向こうに建つ犬神家の屋敷を見ていると、犬神家に来ている野々宮珠世(島田陽子)の漕いでいたボートが沈みかけていた!
耕助と、犬神家の門番である猿蔵(寺田稔)の救助で救われた珠世であったが、乗っていたボートには船底に誰かが空けた穴があった。。。
そして那須ホテルに戻った耕助は、訪ねて来て待っていたとみられる若林がタバコを吸いかけで、喀血死している事態に遭遇する!
いきなり事件発生である。
自分の法律事務所の若林が、耕助に依頼していたことを初めて知り、確かに犬神家で何か起きるのではないかと思っていた古館は、若林に替わって自分が耕助に改めて依頼することにした。。。
という感じで物語は始まるのですが、これまだ、ストーリーのほんの始まりなので、ここから本編へ突入する感じです。
犬神家に関わる人物の家系図が欲しいところですが、佐兵衛翁は終生正妻をめとらず、母親のそれぞれ違う、松子(高峰三枝子)、竹子(三条美紀)、梅子(草笛光子)の3人の子供をもうけます。
松子の一人息子は、ビルマの戦線から帰ってきて、顔に酷い傷を負ったので、黒い頭巾の下に、白い仮面を被っている佐清<すけきよ>です。
竹子は、佐武<すけたけ>(地井武男)と、その妹小夜子(川口晶)の2人の子供がいます。
梅子には、佐智<すけとも>(川口恒)という息子がおります。
それとはまったく別に佐兵衛翁は、自分の工場の女工である青沼菊乃という愛人との間に、静馬<しずま>という息子をもうけますが、静馬は戦場へ行ったまま行方知れずです。。。
松子、竹子、梅子は、この青沼親子を憎悪しています。
またそれとは別に、明治11年に佐兵衛翁が浮浪しているところを那須神社の神官である野々宮大弐に救われるのですが、云わば“命の恩人”の大弐の孫にあたるのが、野々宮珠世なのであります(ということになっているのですが・・・)
そして、佐清が戦地から戻り、血縁者と珠世が揃ったところで、古館は佐兵衛翁の遺言状の封を切ります。
古館が読み上げるのですが、大変な内容に出席の血縁者は騒然とします。。。
かいつまんで抜粋すると、
「全相続権を示す犬神家の家宝 “斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、佐清・佐武・佐智の3人の中から配偶者を選ぶことを条件に、野々宮珠世に与えるものとする。」
「さらに珠世がこの3人から配偶者を選ばない、もしくは珠世が死亡せるときは、犬神家の財産は5等分して、佐清・佐武・佐智がそれぞれ5分の1ずつを相続し、残りの5分の2を青沼静馬に与えるものとする。。。」
「なんで血縁でもない野々宮珠世に!?」
「なんで青沼静馬に!?」
怒り狂う者、嘆き号泣する者、驚きで言葉も出ない者・・・。
ここから謎の連続殺人事件が始まります。。。
この作品、観るたびに思うのは、画面の色合いに深みがあるというか・・うまく言葉で言い表せないんですが、観ていてしっくり来るんです。
監督の市川崑さんは「色彩の魔術師」と呼ばれているとか。
感覚的にはリドリー・スコット監督の作品を観るときに受ける“安心感”みたいなものと、近いのかなと。「この映画、ちゃんとしてるから、期待できそう・・」みたいな気持ちになります。
主演の石坂浩二さん演じる金田一耕助は、奇をてらったところが無くて(頭掻いてフケが・・は定番ですからね(^^♪)オーソドックスなイメージです。ストーリーの良さを引き立てるキャラクターの演じ方で、好感が持てます。
松子夫人を演じた高峰三枝子さんが素敵です!
所作というんでしょうか、立ち居振る舞いがスゴくエレガントで。
顔に酷い傷を負って仮面を被っているのが、我が子、佐清だと自分に言い聞かせながらも、心のどこかで一抹の不安を感じている松子夫人を演じて、抜群の存在感です。
後日の何かの賞では「助演女優賞」の枠にエントリーされておりましたが、「えっ!主演でしょ!?」と思った方もいらっしゃるのではないかと。。。
那須神社の神官で、佐兵衛翁の命の恩人である野々宮大弐の孫娘という設定で登場するのが、島田陽子さん演じる野々宮珠世というキャラクターです。
このキャラクターが、観ている者にとっては、「イイもん」なのか「ワルもん」なのか、そして何故、佐兵衛翁は、血縁でもないこの珠世に財産決定権を与えたのか。。。!?
それは、耕助が、那須神社の大山神官(大滝秀治)へ聞き込みにいったとき、その秘密が明かされます・・・。知りたい方は、映画を観てね。。。(^^♪
一人、また一人と、犠牲者が出てくる訳ですが、この作品で、インパクトがあって、解りやすいキャラクターの、橘(たちばな)警察署長(加藤武)が登場します(^^♪
後の横溝正史原作の映画の多くの警察署長も、この加藤武さんのが定着したほど、インパクトがあります。
「よーし!わかった!犯人は〇〇だ!!」
と手を叩くお決まりのポーズは、ストーリーにひととき和やかなムードをもたらします。
なんかいつも胃薬みたいな粉薬をコップの水で呑み込んでいて、粉をまき散らしながら喋る様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます(^^♪
捜査はいつも見当はずれだけど、憎めないキャラクターです。
あと印象に残っているのが、盲目の琴の師匠・宮川香琴(岸田今日子)というキャラクターです。
耕助の聞き込みに対し、まず、一人目の犠牲者が出たあと、喪中であるにもかかわらず、琴の稽古に呼ばれたのが、まず、おかしい。。。そして、二人目の犠牲者が出た時間帯は、<その人>は琴を弾いていたが、御不浄へ中座し、程なく戻ってきてまた琴を弾き始めたが、すると、音色で判ったが、<その人>は人差し指に怪我をして来ていた。そして、それを悟られぬよう、かばいながら琴を弾いていた。。。という重要な証言をするのであります。。。
岸田今日子さん、いい味出してますね~(^0_0^)
このあたりで犯人およびこの事件の真相が判った方。エラいっす!!
ワタシ初めてこの映画観たときは、最後まで犯人および真相、判りませんでした(T_T)
ただの連続殺人事件ではない、複雑な事実が、錯綜しておる訳であります。
スゴくネタバレしちゃうから、これから観ようと思ってる方は、読まないでね。。。
ストーリー序盤で、柏屋という宿に、顔を襟巻きで隠した復員服の謎の男が投宿するのですが、これで勘の鋭い方は、ピンとくるかもですが、最初観たとき、ワタシまったく意味が判りませんでした(汗)。。。
そして、仮面を被っているのが、本当に佐清なのかどうか、出征前に那須神社へ奉納した手形と、今仮面を被っている佐清の手形を警察の鑑識が比較するシーンがありますが、これがぴったり一致します。
映画の登場人物たちも、映画を観ている我々も、ー本当の佐清なんだ!ーと認識するのですが、本当の佐清ではあるんですが・・・ここにトリックが仕組まれているのであります。これは最初観たときは、思いもつかなかったです。
トリックといっても、犯人ではない誰かが仕組んだもので、言ってみれば犯人すらも騙されているという・・・ワケわかんないでしょ!
さらに、犯人が、殺人するのですが、明くる日になると、殺したのとはまったく違う場所で、しかも死体がまったく違う状態で(菊人形の首だったり・・)発見されるのです。いちばん驚いているのは、犯人なのであります。。。
この作品、推理モノとしても、とても良く出来ているのですが、そこに、親と子の、延いては人誰もが持つ愛と憎しみが絡みついた、人間ドラマとしても良く出来ているのでした。
ストーリー終盤で、本物の犬神佐清(あおい輝彦)が逮捕され、この度の連続殺人事件はすべて自分がやりました、と、自白するのですが、それを金田一耕助が「そうじゃないでしょ、あれを全部あなた一人でなんて出来っこない。あなた、誰かをかばっているんでしょ!?・・・〇〇さんを・・・。」
その時の佐清の、絶望と悲しみの嗚咽は、見ているものの胸を打ちます。。。
この映画、音楽は、後に「人間の証明」「野性の証明」「ルパン三世・カリオストロの城」などを手掛けることになる大野雄二さんが担当なさっておられます。
オープニングで流れる「犬神家の一族・愛のバラード」は、これから繰り広げられる欲望と愛憎のストーリーを流麗な旋律で予感させてくれる、とても素敵な曲です。
5人の死者を出したこの事件が終わって、関係者に惜しまれつつ、見送られるのが苦手な金田一耕助は予定よりも早い汽車に飛び乗って、幕、となります。。。
この作品が興行的に大成功したのを皮切りに、日本映画の1本立てロードショー公開という型が出来上がっていったそうです。
角川映画としても、第一作が大成功ということで、このあと「人間の証明」「野性の証明」などの大作を世に送り出すことになります。
角川映画の一大ブームの始まりを告げる「犬神家の一族」のレビューでした。。。
しかし坂口良子、カワイイなぁ(そこかいな!)
ヒッキー的満足度★★★★☆
つらい腰痛・肩こり・頭痛など、スタッフが全力でサポートします。
癒しの森整体院
丸ノ内線 新中野駅 徒歩3分