ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「犬神家の一族」

2020-11-29 14:50:14 | Weblog
(C)KADOKAWA1976


角川レビュー8発目は、記念すべき角川映画 第一弾の「犬神家の一族」です!

1976年の市川崑監督の作品です。

この映画、ブログにupするのにちょっと勇気がいりましたが、とても良い作品で、何といっても角川映画の初作品なので、思い切ってレビューすることにいたしました。

今回これを書くために、また本作を見直したのですが(4~5回目かと思います)、何回見ても、またもやストーリーにグイグイ引き込まれる、実に良く出来ている映画です。

ちょい、あらすじ。。。ネタバレあります。。。

ストーリー冒頭、那須市に拠点を置く、犬神財閥及び犬神製薬工場の創始者である犬神佐兵衛翁(三國連太郎)が昭和22年2月に亡くなるシーンから入ります。。。

遺言状は、犬神家の顧問弁護士である古館(小沢栄太郎)が預かっているのだが、佐兵衛翁の意向により、犬神家の血縁者全員が揃わないと、開封してはならないことになっていた。。。

そう、佐兵衛翁の長女・松子(高峰三枝子)の一人息子である佐清<すけきよ>が戦地へ赴いたまま、消息不明だったのである。
ところが、引揚げ船で博多に着いたとの知らせあり、松子が迎えに行ったのだが、半月近く帰ってこず、連絡もなし・・・。

するとある夜、松子から電話があり、松子の妹二人が迎えに出ると、車の中から、松子と、黒い頭巾をかぶった佐清が現れたのだった・・・。


その那須市に、くたびれた羽織袴の探偵がやって来る。金田一耕助(石坂浩二)である。
当地の古館法律事務所の若林(西尾啓)という男からの「近々、犬神家で大変な事態が起こるかもしれない」という依頼で・・。

通りかかった那須ホテルの女中はる(坂口良子)の案内で、指定された「那須ホテル」にやって来た耕助であったが、ホテルとは名ばかりの安宿・・・。湖面の向こうに建つ犬神家の屋敷を見ていると、犬神家に来ている野々宮珠世(島田陽子)の漕いでいたボートが沈みかけていた!

耕助と、犬神家の門番である猿蔵(寺田稔)の救助で救われた珠世であったが、乗っていたボートには船底に誰かが空けた穴があった。。。

そして那須ホテルに戻った耕助は、訪ねて来て待っていたとみられる若林がタバコを吸いかけで、喀血死している事態に遭遇する!
いきなり事件発生である。


自分の法律事務所の若林が、耕助に依頼していたことを初めて知り、確かに犬神家で何か起きるのではないかと思っていた古館は、若林に替わって自分が耕助に改めて依頼することにした。。。

という感じで物語は始まるのですが、これまだ、ストーリーのほんの始まりなので、ここから本編へ突入する感じです。

犬神家に関わる人物の家系図が欲しいところですが、佐兵衛翁は終生正妻をめとらず、母親のそれぞれ違う、松子(高峰三枝子)、竹子(三条美紀)、梅子(草笛光子)の3人の子供をもうけます。


松子の一人息子は、ビルマの戦線から帰ってきて、顔に酷い傷を負ったので、黒い頭巾の下に、白い仮面を被っている佐清<すけきよ>です。

竹子は、佐武<すけたけ>(地井武男)と、その妹小夜子(川口晶)の2人の子供がいます。

梅子には、佐智<すけとも>(川口恒)という息子がおります。

それとはまったく別に佐兵衛翁は、自分の工場の女工である青沼菊乃という愛人との間に、静馬<しずま>という息子をもうけますが、静馬は戦場へ行ったまま行方知れずです。。。
松子、竹子、梅子は、この青沼親子を憎悪しています。


またそれとは別に、明治11年に佐兵衛翁が浮浪しているところを那須神社の神官である野々宮大弐に救われるのですが、云わば“命の恩人”の大弐の孫にあたるのが、野々宮珠世なのであります(ということになっているのですが・・・)

そして、佐清が戦地から戻り、血縁者と珠世が揃ったところで、古館は佐兵衛翁の遺言状の封を切ります。
古館が読み上げるのですが、大変な内容に出席の血縁者は騒然とします。。。

かいつまんで抜粋すると、

「全相続権を示す犬神家の家宝 “斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、佐清・佐武・佐智の3人の中から配偶者を選ぶことを条件に、野々宮珠世に与えるものとする。」

「さらに珠世がこの3人から配偶者を選ばない、もしくは珠世が死亡せるときは、犬神家の財産は5等分して、佐清・佐武・佐智がそれぞれ5分の1ずつを相続し、残りの5分の2を青沼静馬に与えるものとする。。。」


「なんで血縁でもない野々宮珠世に!?」
「なんで青沼静馬に!?」

怒り狂う者、嘆き号泣する者、驚きで言葉も出ない者・・・。

ここから謎の連続殺人事件が始まります。。。

この作品、観るたびに思うのは、画面の色合いに深みがあるというか・・うまく言葉で言い表せないんですが、観ていてしっくり来るんです。
監督の市川崑さんは「色彩の魔術師」と呼ばれているとか。
感覚的にはリドリー・スコット監督の作品を観るときに受ける“安心感”みたいなものと、近いのかなと。「この映画、ちゃんとしてるから、期待できそう・・」みたいな気持ちになります。

主演の石坂浩二さん演じる金田一耕助は、奇をてらったところが無くて(頭掻いてフケが・・は定番ですからね(^^♪)オーソドックスなイメージです。ストーリーの良さを引き立てるキャラクターの演じ方で、好感が持てます。


松子夫人を演じた高峰三枝子さんが素敵です!
所作というんでしょうか、立ち居振る舞いがスゴくエレガントで。
顔に酷い傷を負って仮面を被っているのが、我が子、佐清だと自分に言い聞かせながらも、心のどこかで一抹の不安を感じている松子夫人を演じて、抜群の存在感です。
後日の何かの賞では「助演女優賞」の枠にエントリーされておりましたが、「えっ!主演でしょ!?」と思った方もいらっしゃるのではないかと。。。


那須神社の神官で、佐兵衛翁の命の恩人である野々宮大弐の孫娘という設定で登場するのが、島田陽子さん演じる野々宮珠世というキャラクターです。
このキャラクターが、観ている者にとっては、「イイもん」なのか「ワルもん」なのか、そして何故、佐兵衛翁は、血縁でもないこの珠世に財産決定権を与えたのか。。。!?

それは、耕助が、那須神社の大山神官(大滝秀治)へ聞き込みにいったとき、その秘密が明かされます・・・。知りたい方は、映画を観てね。。。(^^♪

一人、また一人と、犠牲者が出てくる訳ですが、この作品で、インパクトがあって、解りやすいキャラクターの、橘(たちばな)警察署長(加藤武)が登場します(^^♪

後の横溝正史原作の映画の多くの警察署長も、この加藤武さんのが定着したほど、インパクトがあります。
「よーし!わかった!犯人は〇〇だ!!」
と手を叩くお決まりのポーズは、ストーリーにひととき和やかなムードをもたらします。
なんかいつも胃薬みたいな粉薬をコップの水で呑み込んでいて、粉をまき散らしながら喋る様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます(^^♪
捜査はいつも見当はずれだけど、憎めないキャラクターです。

あと印象に残っているのが、盲目の琴の師匠・宮川香琴(岸田今日子)というキャラクターです。


耕助の聞き込みに対し、まず、一人目の犠牲者が出たあと、喪中であるにもかかわらず、琴の稽古に呼ばれたのが、まず、おかしい。。。そして、二人目の犠牲者が出た時間帯は、<その人>は琴を弾いていたが、御不浄へ中座し、程なく戻ってきてまた琴を弾き始めたが、すると、音色で判ったが、<その人>は人差し指に怪我をして来ていた。そして、それを悟られぬよう、かばいながら琴を弾いていた。。。という重要な証言をするのであります。。。
岸田今日子さん、いい味出してますね~(^0_0^)

このあたりで犯人およびこの事件の真相が判った方。エラいっす!!
ワタシ初めてこの映画観たときは、最後まで犯人および真相、判りませんでした(T_T)

ただの連続殺人事件ではない、複雑な事実が、錯綜しておる訳であります。

スゴくネタバレしちゃうから、これから観ようと思ってる方は、読まないでね。。。

ストーリー序盤で、柏屋という宿に、顔を襟巻きで隠した復員服の謎の男が投宿するのですが、これで勘の鋭い方は、ピンとくるかもですが、最初観たとき、ワタシまったく意味が判りませんでした(汗)。。。


そして、仮面を被っているのが、本当に佐清なのかどうか、出征前に那須神社へ奉納した手形と、今仮面を被っている佐清の手形を警察の鑑識が比較するシーンがありますが、これがぴったり一致します。
映画の登場人物たちも、映画を観ている我々も、ー本当の佐清なんだ!ーと認識するのですが、本当の佐清ではあるんですが・・・ここにトリックが仕組まれているのであります。これは最初観たときは、思いもつかなかったです。

トリックといっても、犯人ではない誰かが仕組んだもので、言ってみれば犯人すらも騙されているという・・・ワケわかんないでしょ!

さらに、犯人が、殺人するのですが、明くる日になると、殺したのとはまったく違う場所で、しかも死体がまったく違う状態で(菊人形の首だったり・・)発見されるのです。いちばん驚いているのは、犯人なのであります。。。

この作品、推理モノとしても、とても良く出来ているのですが、そこに、親と子の、延いては人誰もが持つ愛と憎しみが絡みついた、人間ドラマとしても良く出来ているのでした。


ストーリー終盤で、本物の犬神佐清(あおい輝彦)が逮捕され、この度の連続殺人事件はすべて自分がやりました、と、自白するのですが、それを金田一耕助が「そうじゃないでしょ、あれを全部あなた一人でなんて出来っこない。あなた、誰かをかばっているんでしょ!?・・・〇〇さんを・・・。」
その時の佐清の、絶望と悲しみの嗚咽は、見ているものの胸を打ちます。。。

この映画、音楽は、後に「人間の証明」「野性の証明」「ルパン三世・カリオストロの城」などを手掛けることになる大野雄二さんが担当なさっておられます。
オープニングで流れる「犬神家の一族・愛のバラード」は、これから繰り広げられる欲望と愛憎のストーリーを流麗な旋律で予感させてくれる、とても素敵な曲です。

5人の死者を出したこの事件が終わって、関係者に惜しまれつつ、見送られるのが苦手な金田一耕助は予定よりも早い汽車に飛び乗って、幕、となります。。。



この作品が興行的に大成功したのを皮切りに、日本映画の1本立てロードショー公開という型が出来上がっていったそうです。

角川映画としても、第一作が大成功ということで、このあと「人間の証明」「野性の証明」などの大作を世に送り出すことになります。
角川映画の一大ブームの始まりを告げる「犬神家の一族」のレビューでした。。。

しかし坂口良子、カワイイなぁ(そこかいな!)






ヒッキー的満足度★★★★☆





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「Wの悲劇」

2020-11-21 16:10:29 | Weblog
(C)KADOKAWA1984

角川映画7発目は、薬師丸ひろ子さん主演の「Wの悲劇」です!

この作品、原作は、夏樹静子さんの同名小説とクレジットされていますが、この原作は実際は、この映画「Wの悲劇」で演じられる劇中劇が書かれたものであり、映画としてはこの劇中劇を内包する、劇団の研究生が成長してゆく過程を描いた青春映画という感じになっております。赤字はWikipediaより抜粋。

この「Wの悲劇」は1984年に映画館で観たのですが、このレビューを書くために、約30年以上振りに観直してみました。

主演の薬師丸さんがとてもイイっす(^^♪

'84年にリアルタイムで観たときは、よく判らなかったのですが、おじさんになってから観直してみると、とても素敵。。。

そして、それと同じか、もしかするとそれ以上に、三田佳子さんがとってもイイっす(^^♪

この映画は澤井信一郎監督の作品で、この作品で日本アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞されております。

ちょい、あらすじ・・・。ネタバレあります。。。

最初は、暗い感じの画面で、主人公の三田静香(薬師丸ひろ子)と劇団「海」の先輩俳優である五代淳(三田村邦彦)の会話から入ります。。。

三田静香は、劇団「海」の研究生。
その日の朝方、アパートへ帰る途中の誰もいない公園の野外舞台で一人演じてみると、拍手が聞こえた。これが静香と昭夫(世良公則)の出会いであった。。。

その頃、劇団「海」では、新作「Wの悲劇」のオーディションが告知される。準主役級の女性の配役のオーディションである。

その舞台の主演は、劇団「海」のトップスター女優である羽鳥翔(三田佳子)である。

そして、オーディションの結果、準主役級の「和辻摩子」役に、静香のライバルである菊地かおり(高木美保)が選ばれた。

静香が与えられた配役は、セリフ一行で終わり、舞台から下がる女中さんの役で、楽屋当番と、舞台中の俳優さんたちのセリフや立ち位置を舞台袖からサポートする「プロンプター」もやるように命ぜられた。。。オーディション落選である。。。
(C)KADOKAWA1984

その夜、静香と、落選を知った昭夫は、看板になるまで居酒屋で飲み、静香は昭夫のアパートに・・・。
その後日、女優としてもし芽が出なかったら、と昭夫は静香にプロポーズをする。もし静香がスターになった日には、楽屋に大きな花束を届けて、それをサヨナラの挨拶にしようと。。。

そして「Wの悲劇」は大阪公演よりスタートする。

その大阪公演中のある夜、異変が起きる。
羽鳥翔の泊まっているホテルのベッドで、翔のパトロンである堂原良造(仲谷昇)が心臓発作で死んでしまう。
このままでは、マスコミの餌食になり、羽鳥はスキャンダルにまみれて、スターの座を追われることになる。。。

そのとき、たまたま届け物をした静香を羽鳥は部屋に入れ、静香に、「和辻摩子」の役を与える代わりに、堂原とのことを、身代わりを演じてくれるように懇願するのであった。。。

静香にとって、一世一代の、「芝居」の幕が開いた・・・!
(C)KADOKAWA1984

という感じで、ストーリーが展開してゆくのですが、冒頭でも書いたように、静香を演じる薬師丸さんが、イイのであります(^^♪

メイクとか髪型、画面の色調やストーリーそのものも手伝っているのかも知れませんが、それまでに出演した「ねらわれた学園」や「探偵物語」「メインテーマ」の頃よりも、明らかに大人っぽくて(単に私の好みっちゅう話もありますが(汗)素敵なのであります。。。
後半の記者会見の長回しのワンカットは、「女優」薬師丸ひろ子の誕生を感じさせます。
(C)KADOKAWA1984

そして、この映画を成功に導いたファクターの一つに、羽鳥翔を演じた三田佳子さんの卓越した演技力と存在感があると思います。

堂原の死のあと、静香を部屋に呼び入れて、自分と堂原の出会いから今までを静香に説明し、静香に身代わりになってくれと、懇願をして静香に納得をさせるまでの長回しのワンカットは鬼気迫るものがあります。
「できるわよ!あんた役者でしょ!!」・・・。
スキャンダルから逃れようとする羽鳥翔ですが、三田佳子さんの鬼迫のせいか、“悪者”のイメージは薄く、ストーリー後半でも静香の初舞台をバックアップするなど、情熱的でとても素敵です!

で。。。あれ?そのあおりを食らって、「和辻摩子」役を降ろされた高木美保演ずる菊地かおりの立場は??
とも思うのですが、三田佳子さんの気迫と、薬師丸さんの熱演で、ラストまでもっていくので、かわいそうなんですが、観ているこちらは、ラストの近くでかおりがもう一度出てくるまではかおりサイドの感情は忘れて、イイ意味でストーリーに没頭できてしまいます。。。

この映画、音楽は、のちに「あの夏いちばん静かな海」「HANAーBI」「菊次郎の夏」などの
北野ムービーの多くを手掛けることになる、久石譲さんが担当なさっていて、要所要所でストーリーを引き立てる印象的な旋律を届けてくれます。

ネタバレになってしまうのですが、
オーラスで、静香と昭夫がよりを戻さない、という筋書きが、この作品の魅力を決定づけているのかなと、思いました。
(C)KADOKAWA1984

ラストで昭夫の拍手に、振り返ってとるポーズが、エンドロールになるのですが、松本隆さん作詞、ユーミン(呉田軽穂)作曲の「Woman“Wの悲劇”より」の曲と相まって、何故かとてもノスタルジックな気持ちにさせられます(T_T)

薬師丸ひろ子さんが「女優」への道を踏み出す姿と、この作品のストーリーが、ダブルイメージとなって感じられる、素敵な映画でした。。。





ヒッキー的満足度★★★★☆





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劇場版「鬼滅の刃」ー無限列車編ー

2020-11-15 20:33:03 | Weblog
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable              劇場版「鬼滅の刃」ー無限列車編ー


友人に誘われて、ユナイテッドシネマとしまえんにて、遂に観てしまいました。劇場版「鬼滅の刃」ー無限列車編ー。

この日の9番スクリーンは、7割くらいの入り。

前知識ほとんど無しだったので、正直観ていて、ストーリーも(???)てな感じだったのですが、一応終わりまで観て来ました。

週刊少年ジャンプで連載されている吾峠呼世晴さんの原作、「鬼滅の刃」のアニメーション劇場版です。

ネタバレあります。。。

まず戸惑ったのが、出てくるキャラクターの名前がよう判らんことでした。友人曰く「原作を読んでないと、ちょっとキビシイかも」。なるほど、キビシかったです(T_T)/~~~

主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が家族を「鬼」に殺されて、唯一生き残った、妹・禰豆子(ねずこ)はどういうわけか「鬼」になってしまい、その禰豆子を人間に戻すために、修行を積み「鬼殺隊」に入隊し、「鬼」になった禰豆子を連れて・・・という感じらしいのですが。。。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

原作が二十数巻あるうちの、その一部分を描いたのが、この作品なので、主人公は多分この少年だな。。あれ?一緒にいる女の子はなんで竹みたいな口枷はめてるんだろう??あれ?この猪の被り物のキャラクターは。。多分主人公の味方だな。。。と、この派手なお兄さんは、なんでこんなたくさん弁当を食べてるんだ??

みたいな調子で、手探り状態で、「イイもん」と「ワルもん」を区別するといったストーリー前半でした(汗)
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

乗客が多数行方知れずになっている無限列車の中の「現在」と、「過去」の回想シーンがあって、少しづつストーリーの輪郭がおぼろげに判ってくるといった感じでした。

この弁当食ってる派手な色彩のお兄さんが、煉獄(れんごく)さんといって、味方の中でも「ハシラ」と呼ばれる格の高いキャラクターなのでした(なんか、いっぱい駅弁みたいのを食べてて、美味しそうなんだなこれが)

と思ってると、なんか車掌さんが切符に入鋏していくと、イイもんたちはみんな眠ってしまうのであります。
後で解るのですが、切符に細工してあって、入鋏すると、切符から眠りを誘う成分が出てくる、らしいのです。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

魘夢(えんむ)という鬼の仕業でした。
四人の剣士の腕を、手下になっている人間を使って縄で繋ぎ、四人の夢の中へ手下を潜入させ、精神の「核」を壊して、廃人にしてしまうという策略でした。。。

その夢から、現実へ覚醒する方法を炭治郎は見つけるのですが。。。

という感じで、ストーリーは展開してゆきます。

魘夢という鬼のビジュアルが、結構キモチ悪くて、イカして(?)ます。

基本、アクション映画なので、「鬼滅隊」の四人の剣士と、「鬼」とのバトルが見もの!多少ディテールが解んなくても、それなりに楽しめました(^^♪

ストーリー終盤で、魘夢が列車本体と融合してからの戦いは、見ごたえあり。魘夢が倒されて、崩壊してゆく映像は、なかなかリアルで、良く出来ていました。

オーラスでの煉獄さんと猗窩座(あかざ)という「鬼」との戦いも、グッときました!!煉獄杏寿郎、イカしたキャラクターです(T_T)/~~~
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

なにせワタシ、映画館でアニメを観るのは、おそらく、中学生の頃に観た「銀河鉄道999」以来約40年ぶり(ジブリ関連のも、映画館では観たことがない)なので、どうだろう、と思っていたのですが、結構楽しめたので、これを機に、食わず嫌いせずに、アニメもたまには観てみようかな、と思った次第であります。。。





ヒッキー的満足度★★★☆








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「スパイの妻」

2020-11-11 15:39:49 | Weblog
(C)2020 NHK ,NEP, Incline, C&I      「スパイの妻」

角川映画レビュー、ちょっとお休み。。。

ユナイテッドシネマとしまえんへ行って、鑑賞いたしました。

この日のUCとしまえんのロビーは、かなり混んでいて、その多くは、やはり先週と同じく、「鬼滅の刃」のお客さんだったようで。。。

この日の2番スクリーンは4割程度の入りでした。

私はこの映画のストーリーは、全く知らない状態での鑑賞となりました。

ちょい、あらすじ・・・。

1940年、日本が太平洋戦争に向かって、轟々と唸りをたてていた頃・・。

神戸で貿易会社を営む福原優作(高橋一生)は、妻の聡子(蒼井優)と、その時代としては比較的裕福な暮らしをしていた。

ある時、優作は物資を求めて、甥の竹下文雄(坂東龍汰)と共に満州に渡ったのだが、そこで、衝撃的な国家機密を目にしてしまう。

帰ってきた優作と文雄は、時代の流れに逆らうことになる覚悟で、その事実を世界に知らしめるための準備を始める。

何も知らされていない聡子は、ある日、幼馴染であり神戸憲兵分隊本部の分隊長である津森泰治(東出昌大)に呼び出され、優作が満州から連れ帰った草壁弘子(玄理)という女性が亡くなったと知らされる。。。
時代という大きな波が、幸せだった聡子の足もとを、音をたてて崩し始めた。。。


という感じで、物語は展開してゆくのですが、蒼井優さん、しばらく見ない間に、大人の風格が出て来ましたね。
当方、蒼井優さん出演作は「フラガール」「ニライカナイからの手紙」「百万円と苦虫女」「おとうと」「ハチミツとクローバー」「Flowersーフラワーズー」あたりを観たことあるんですが、ここ五、六年は映画から離れていたので、本作の蒼井さん久しぶりでした。

ストーリー冒頭では割と裕福で、幸せな生活を送っている聡子ですが、夫である優作が物資調達先の満州から帰ってから、大変な運命を辿ることになります。
この、夫の持ち帰った“秘密”を知る前、知ってから、そしてその“秘密”をすべて飲み込んで、夫である優作についてゆくと決めてから・・・時により変化する一人の女性の心の内を演じて、蒼井さん、素敵です。

夫・優作を演じているのが、高橋一生さん。私、この俳優さん初めてなのですが、最初スクリーンで見た印象が、何故か判らないのですが、「このキャラクターは、多分、ストーリー途中から、悪役に豹変するのでは・・」と思って見ておりました。良い意味で“毒気”の感じられる俳優さんです。
書かないですが、最後にああして、こうなる(?)ので、ある意味では当たっていたとも言えるのですが。。。


優作の甥で、一緒に満州に渡り、日本軍の国家機密を見て帰った竹下文雄が、会社を辞めて文筆家になるのですが、もうちょっとキャラクターにパンチ力(?)があれば、訪ねてくる聡子に向かって、ーあなたは何も解ってないー、というセリフも説得力が増すのになぁ・・と思いました。

憲兵の分隊長で、聡子の幼馴染という設定で、東出さんが津森泰治というキャラクターを演じているのですが、聡子を思い、心配しながらも、憲兵という立場上、厳しい態度で接しなければならない、という微妙なニュアンスが感じられて、とても素敵でした。当方、東出さんのファンなので、またいつか主役を張ってスクリーンに登場するのを、楽しみにしております。


ストーリー的には、優作が満州から連れて来た、草壁弘子というキャラクターが、一瞬映って、その後はすぐに亡くなってしまうという展開なのですが、このキャラクターを、もう少し活かして物語に登場させて欲しかったです。その死因とかも、もうちょっとお話があったらよかったかな、という感じです。

ネタバレになっちゃうのですが、ラスト近くで、船上で帽子を振る優作・・・この展開は予想していなかったので、なるほど!そう来たか、という感じでした。

聡子が入院している病院を、医師の野崎先生(笹野高史)が訪問するシークエンスがあります。何が狂っていて、何が狂っていないのか・・・。とても印象的なシーンです。

オーラスの空襲のシーンが、ちょっと足りないかな、という感じがしました。

最後のテロップで、優作の死亡診断書が・・・ということだったので、「あれ?これって実話ベースだっけ?」と、一瞬驚いてしまいました。。。(^0_0^)




ヒッキー的満足度★★★☆







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「みをつくし料理帖」

2020-11-04 14:44:33 | Weblog
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会


友人に誘われて、ユナイテッドシネマとしまえんに行って、観てまいりました。

原作は高田郁さんの同名の時代小説シリーズ。

角川映画レビュー6発目です!

正直なところ、あまり期待していませんでした。
'70年代後半から'80年代前半の頃の角川映画は、結構観ていたのですが、角川春樹さんの監督作をあまり観たことがなく、唯一観たことがある「笑う警官」も、自分のブログを読んでやっと思い出した、という感じの、親不孝者(?)なのでありまして・・スンマセン。。。

UCとしまえんのロビーは、混雑していました。おそらくその多くは「鬼滅の刃」を観ようとするお客さんだったようで・・。

その日の6番スクリーンは2割程度の入り。

上映が始まって、ストーリーのあらすじも全く知らなかったので、それが良かったのか、あさひ太夫が狐のお面でバク転したあたりから(ネタバレですみません)、物語に引き込まれました。

ちょい、あらすじ・・。(ネタバレあります)

享和二年の大阪。
8才の澪(みお)と野江(のえ)は幼馴染で、何をするにもいつも一緒。
泣き虫な澪を見て、野江は
ー泣き味噌やなぁ、澪ちゃんは。きつねは、コン、コン。涙は、コン、コン、やでー
手できつねを作って、澪を元気づける、野江であった。

ある日、二人で街中を遊んでいる拍子に、澪が井戸の中に履物を落としてしまった時も、野江は、自分の履物も井戸に投げ入れて、
「叱られる時も、一緒や」と、一緒にお小言をもらってくれるのであった。。。

その時、そこに居合わせた高名な易者、水原東西(反町隆史)に、野江は、朝日が天に昇るように、いつか天下を取る「旭日昇天」。澪は、人生に艱難辛苦が絶えないが、苦労に耐えればいつか青空が見れる「雲外蒼天」と占われる。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

ところが、その年、大阪の町が大洪水に襲われる。

澪はその洪水で両親を失い、野江とは音信が途絶え、生死のほども判らなくなってしまう。。。

10年後の江戸・神田にある蕎麦処、「つる屋」で料理人として働く澪(松本穂香)の姿があった。
あの大洪水のあと、両親を亡くした自分を拾って助けてくれた天満一兆庵の女将・芳(若村麻由美)と二人で暮らしている澪は、つる屋に雇われて三月目に初めて自分が作った上方風の牡蠣鍋をお客に振舞ったのだが、その評判が良くない。

江戸では牡蠣は殻ごと焼いて食べるのが常で、上方では喜ばれる牡蠣鍋も、江戸ではなかなか受け入れられないのだった。

悩んでいる澪に、神田の町医者である永田源斉(小関裕太)が、江戸は職人が多い。汗をかくので、それを補うため、料理は濃い味付けが好まれる、と助言する。
澪はそこで「食は人の天なり」という言葉と出会う。。。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

という感じで物語が進んでゆくのですが、
当方、空腹で観に行ったものですから、とにかく登場するお料理の美味しそうなこと(゚∀゚)これ、見るだけってのは、けっこう拷問でした(T_T)

つる屋の常連で、御膳奉行である小松原(窪塚洋介)が登場します。
澪のことを「下がり眉」と呼ぶこの人物。
料理に関して、言葉少なに、厳しく、しかし的を得た評価をして、澪の料理人として進む道の標を示してゆきます。
このキャラクターが、ストーリーの最後まで関わってくるのですが、窪塚さんイイですね!
「沈黙ーサイレンスー」のキチジロー役も印象強いですが、今回は寡黙な御膳奉行。
澪の心に灯をともす役を演じて、イイ感じです。
つる屋に来るお客さんたちが、どちらかというとオーバーアクション(そういう演出だと思いますが)なのに対し、この窪塚さん演ずる小松原は寡黙で、言葉少なく、渋いっす。

その小松原が、澪に「料理の基本がなっていない」と、苦言を呈する場面があります。

考え悩む澪を見かねて、源斉は、気晴らしに、吉原で催されるお祭りに、澪を連れてゆきます。

そこで催されるお祭りで、澪は、“幻の花魁”と言われている、あさひ太夫の舞いを見ることになります。。。

このシークエンスで、澪と、あさひ太夫のつながりが出来るのですが。。。
周りで見ているお客さんも、映画を観ているこちらも、恐らくこのバク転を披露した方が、あさひ太夫だろうと。。いったいどこのお店の誰だろうかと、狐のお面をしているので、謎なのであります。

又次という吉原・扇屋の料理人(中村獅童)が登場します。
この又次を介して、澪の料理があさひ太夫(奈緒)に届くようになって、ストーリーは展開してゆきます。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

この奈緒さん演ずるあさひ太夫がスクリーンに登場するのですが、見ているこちらが、思わず、ハッ!と息を呑むような、艶やかさです。さすが吉原で伝説になるような花魁。。。

当方、最近の映画やテレビをあまり見ないので、こんな素敵な女優さんがいるとは、知りませんでした。。。
奈緒さんのあさひ太夫は、ディープ・インパクトでした。

また、中村獅童さん演ずる又次が、イイ仕事(?)するんだなぁ・・・。
言葉少なで、忍んで、耐えるキャラクターは、往年の高倉健さんを彷彿とさせます。。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

スゴくネタバレしますので、これから観る方は、読まないでね・・。

「雲外蒼天」。幼い日に占われた言葉が、澪と、あさひ太夫を名乗る野江とを結びつけます。。。

野江が、又次に助けられるシーンが、一瞬だったので、そこをもう少し噛み砕いて、ストーリーに入れて欲しかったです。

廓の二階に居る野江と、窓下の澪の、狐はコン、コン、のシーンは、もうちょっとあっさりしていたほうが、イイかな。。。

野江と澪の、鳥居の下での再会シーンは、一緒に観に行った友人と意見が分かれました。友人は映画の通りで良い。ワタシはあまのじゃくだから、あそこで野江が狐のお面を、外さないで、そのままで再会したほうが、もしかしたら、イイかな、なんて思いました。

澪と小松原の別れのシーンは、言葉少なで、グッときました(T_T)
お互いの気持ちは、向き合ってるのに、別れる。。。松本穂香さんも窪塚さんも、グーッと長回しに耐え、いいシーンでした。
(C)2020映画「みをつくし料理帖」製作委員会

この映画、音楽は「ねらわれた学園」「時をかける少女」でも素敵な旋律を届けてくれた、松任谷正隆さんが担当していらっしゃって、ここ一番!というスポットで印象的で切ない“松任谷節”が奏でられ、物語に潤いを与えてくれます(^^♪
エンドロールで流れる「散りてなお」は、作詞・作曲 松任谷由実さん 編曲 松任谷正隆さんで、手嶌葵さんが歌っていらっしゃいます。ストーリーのエンディングの余韻が感じられる、とても素敵な曲です。

長くなりまして、恐縮なんですが、この作品、角川映画にゆかりのある俳優さん、たくさん出演なさってますね(^^♪

角川映画第一作目の「犬神家の一族」で金田一耕助を演じて、その後も横溝正史原作の作品の多くに出演された、石坂浩二さんを筆頭に、「スローなブギにしてくれ」の浅野温子さん、「蒼き狼ー地果て海尽きるまでー」の若村麻由美さん、反町隆史さん。「メインテーマ」「キャバレー」などの野村宏伸さん、「伊賀忍法帖」「晴れ、ときどき殺人」などの渡辺典子さん、「男たちの大和/YAMATO」の中村獅童さん、「天と地と」の榎木孝明さん、「湯殿山麓呪い村」の永島敏行さん、「野獣死すべし」の鹿賀丈史さん、そして「野性の証明」「セーラー服と機関銃」「Wの悲劇」などの薬師丸ひろ子さん・・・(一生懸命網羅したつもりなんですが、情報足りなかったら、ゴメンナサイ(汗))

豪華です~!
本作未見の方は、どのシーンで誰が出てくるかというのも、楽しみ方のひとつかも。。。

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追記。
藤井隆さん演ずる、つる屋の常連で、文句を言いながらも、足繁く通う戯作者・清右衛門が、ユーモラスでとても魅力的なのですが、薬師丸さん演ずる奥方、お百さんが登場するシーンで、お百さんの「今回の『里見八犬伝』は、この人にしては上出来・・・」というセリフがありまして、
見終わってから、友人が、「『里見八犬伝』って言ってたから、清右衛門は、滝沢馬琴がモデルなのでは?」と言った拍子に、あ!薬師丸さん!『里見八犬伝』!!と、そのセリフがお洒落だったことに、やっと気がついたワタシでした。。。(^0_0^)





ヒッキー的満足度★★★★☆






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