ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「花のあと」

2010-03-29 18:47:26 | Weblog
                                   「花のあと」
T・ジョイ大泉にて。
監督・中西健二
原作・藤沢周平

山田洋次監督の三部作「たそがれ清兵衛」「隠し剣、鬼の爪」「武士の一分」などでお馴染みの、藤沢周平物であります・・。

舞台は東北は庄内地方の架空の藩、海坂であります。

主人公、以登(北川景子)を陰で支える才助を演じた甲本雅裕の演技が見事です!

ネタバレご注意!!

主人公、以登は、海阪藩の組頭である寺井甚左衛門(國村隼)の一人娘。
幼い頃から以登は厳しい剣術の訓練を受けて育つのですな。

そんなお陰で年頃には、その美しさに似合わず男顔負けの剣の使い手に成長したのであります。

そんな以登がある春の日、江口孫四郎(宮尾俊太郎)という、身分下級ながら藩随一の剣士と出会います・・。

以登は父、甚左衛門の許しを得、寺井家の裏庭で孫四郎と竹刀を交えることになります・・。

とまあ、こんな感じで始まるのですが、正直なところ、北川景子の演技力不足は否めませんな。表情、セリフ回し・・。硬いなぁ・・。
まぁ、お武家の娘役なので、少し硬い言い回しになるのかもしれませんが。

江口孫四郎を演じた宮尾俊太郎も表情が硬いし、セリフ回しがぎこちないんですよ。

もしかしたら、監督の演出なのかな・・とも思いました。

孫四郎との手合わせで完膚なきまでに敗れた以登は、彼の、女性相手でも手抜きをしない実直な心に、恋に落ちてしまうんですな・・。

しかし、以登にはすでに結婚を決められた相手、片桐才助(甲本雅裕)がいるのでございます・・。そしてその孫四郎も、どこかへ婿入りの噂が・・あぁ・・出逢うのが、もう少し早ければ・・。

この辺は、まぁ、時代劇に限らず現代劇にもよくある、悲恋の“時すでに遅しバージョン”というやつですな。

孫四郎は三百石の奏社の家柄である、内藤家へ婿入りさせられます。お相手は、以登や津勢との習い事仲間の加世(伊藤歩)だったのでございます!

この加世は詳しくは書きませんが、不義密通、今で言う不倫をしている悪女なのですが、
彼女を演じた伊藤歩さんは、一昨年に公開された重松清原作の映画「青い鳥」で、とても印象に残る先生の役で出ていらっしゃったので、本作の悪女役がなんとなく不思議な感じでした。

ここから後はさすがにストーリーにはあまり触れられませんが、
以登の婚約者を演じた甲本雅裕がイイんですよ(^^♪!

ストーリーが進むにつれてイメージが良くなるという難しいキャラクターを豪快に演じて見事でした!私的には助演男優賞候補です(^^♪。

この物語は、“仇討ち”という方向へ向かってゆきます・・。

この作品は映像が美しくて、それが見れただけでも儲け物という感じでした。

要所、要所で流れる音楽が(多分ストリングス系だったと思います)以登の心の内の切なさを際立たせていて、観ているこちらも胸がしめつけられるような哀切な思いになりましたな。いい音楽でした。(エンドロールの歌はいらない)。

ナレーションの藤村志保さんは“声”だけでも作品のグレードをupさせ物語に凛とした佇まいを与えてしまうのですから、すごい女優さんです!

それにしても悪役の藤井勘解由(市川亀治郎)は、いかにもだったな~(笑)!



ひきばっち的満足度★★★☆
















「シャッターアイランド」

2010-03-28 15:02:21 | Weblog
                            「シャッターアイランド」
中野サンプラザにて、試写会。
監督・マーティン・スコセッシ

今回は<超>日本語吹き替え版(何が<超>なのかよく解りませんが)の試写でした。

いや~、謎が謎を呼ぶサスペンス・ミステリーだけに、ネタバレ厳禁ですな。
あらすじは必要最小限だけにとどめます・・。

1954年9月。
連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)と新しい相棒のチャック(マーク・ラファロ)は、ある島へ向かっていた・・。

その島は人呼んで“シャッター・アイランド”
島には、精神を患った犯罪者だけを収監した「アッシュクリフ病院」がある。

その厳重な警備の病院の独房から、レイチェル・ソランド(エミリー・モーティマー)という女性患者が忽然と姿を消した・・!

テディたちはその捜査にこの島へやって来たのだ・・。

とまあ、こんな感じのオープニングでございます。

絶海の孤島というシチュエーションと、1950年代という時代背景が、えもいわれぬおどろおどろしさを出していますな。
何か、横溝正史の「獄門島」(古いなオレも)を彷彿とさせる映像であります。

ストーリーはこの後、姿を消したレイチェルを追ってテディとチャックが島を捜索するうちに、「あれ??」となってゆきます(なんじゃそのいいかげんなレビューは(T_T))。

これ以上内容については書けませんな。観てのお楽しみっちゅうことで。

脚本が非常にしっかりしているので、観ているほうもストーリーに引き付けられっぱなしでした。ところどころで、「あれ・・?」と思うシーンが、意味を持っていたり・・。

音楽も、不協和音を使ったようなゾワゾワしたもので、とてもストーリーの不気味さというか不可解さを盛り上げるのに一役買っていました

レオナルド・ディカプリオは私的には、「ワールド・オブ・ライズ」を観た時に、演技において信頼のおける頼もしい俳優だなと思ったのですが、本作でも謎に立ち向かう連邦保安官を上手く演じていて、好感が持てました。

それと、アッシュクリフ病院院長をなんとベン・キングズレーが演じているんですね~。
この院長の行動が、不可解に感じるのですな~・・。

映画全体としては(ネタバレ厳禁なので上手く書けませんが)「う~ん、そうきたか~!!」という感じですね(苦笑)。

P.S.この映画に関しては、私は「字幕のほうがよかったかもな~・・」と思ってしまいました。吹き替えだとなんとなくストーリーが「軽く」感じちゃうんですね~・・。



ひきばっち的満足度★★★☆







「渇き」

2010-03-25 21:58:40 | Weblog
                                     「渇き」
新宿武蔵野館にて。
監督・脚本パク・チャヌク

ちょっとした話題を呼んでいるのと、主演女優さんが好みのタイプなので観にいって参りました。

ちょいとあらすじ・・。
主人公のサンヒョン神父(ソン・ガンホ)は、病院で重病の患者さんたちを看取ってきたが、そんな毎日に疲れ果て、無力感を募らせていた・・。

サンヒョンはそんな毎日にけりをつけ、アフリカにあるウィルスのワクチン研究所へ向かった。自らを実験材料として提供するためだ
問題となっているウィルスを体内に入れられたサンヒョンは発病し、ほどなく死亡したが、正体不明の輸血を受けて奇跡的な復活をする

韓国へ戻ると、奇跡の復活を遂げた神父は大変な歓迎を受けた。がしかし、神父の体内では異変が起きていた。サンヒョン神父は人の血を飲まなければ生きていけない、ヴァンパイアになってしまったのである・・。

そんな時、神父は、友人ガンウ(シン・ハギュン)の妻であるテジュテジュ(キム・オクビン)に出逢う・・。


という感じでお察しの通り、神父とテジュはこの後、燃え上がるような禁断の恋に堕ちてゆくのであります!
なにせヴァンパイア神父と人妻ですから、道ならぬなんてもんじゃない!

しかし観ていて、「神父さんをヴァンパイアにする必要ってあるのかな~・・??」と疑問を感じっぱなしでした。
普通の神父さんのままでも充分、というか私的には普通の神父さんのほうが普通に感情移入できたかな~・・と感じたりしました。

それはさておき、人妻テジュを演じたキム・オクビンですよ!!
演技も上手いし、何よりくるくる変わる表情が素敵もうすってきって感じですよ(^^♪!
童顔ですが、ソン・ガンホとのラブ・シーンも見事にやってのけ、新しいスター誕生の予感であります!
何でも彼女は本作の演技により、2009年シッチェス・カタロニア映画祭で主演女優賞を受賞したそうであります。

結構笑えるシーンもあるのですが、映画全体としては、何か哲学的で(パク・チャヌク監督が哲学を学んだ方らしいです)、ハリウッド映画のような爽快感は残らないですな・・。

でも、こういう系(ってどういう系だよ!)が好きな方には興味深いテーマの映画なのではないでしょうか・・。


ひきばっち的満足度★★★

「NINE」

2010-03-22 04:21:39 | Weblog
                                     「NINE」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・ロブ・マーシャル

フェデリコ・フェリーニ自らが監督した自伝的映画「81/2」の、ブロードウェイ・ミュージカル版を、「シカゴ」のロブ・マーシャルがミュージカル・ムービーに仕上げましたな。

舞台はイタリアでございます。
スランプに陥った巨匠映画監督と彼を取り巻く女性たちの物語を、絢爛豪華なキャスティングで魅せてくれます!

グイド監督役は、名優ダニエル・デイ=ルイス

彼を取り巻く女性たちを、ペネロペ・クルス、マリオン・コティヤール、ニコール・キッドマン、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレン、ケイト・ハドソン、、そしてファーギー、という夢のような女優さんたちの競演で魅せてくれました!

あらすじはいろいろな所で書かれているようなので、割愛いたしますが・・。

なにせミュージカルの場面が超ゴージャスでございました!
ストーリーの随所随所にセットでの歌とダンスのシーンがあるのですが、
この女優さんたちのフェロモンに、わたくし完全ノック・アウト状態でした・・!
ジ、ジュディ・デンチ??いやいやジュディも素敵でしたですよ~。

中でも私が一番素敵だと感じたのは、娼婦サラギーナ役のファーギーの歌でした・・!

「Be Italian !」イタリアの男たれ!
この映画で一番インパクトのある歌と踊り、そしてエピソードでした。

ファーギーの歌唱力、表現力はハンパではありませんでした
彼女の登場するエピソードで、少年時代のグイドが彼女にお金をあげて・・・というシーンがあるのですが、観ていてとても切ないというか・・グイドの笑顔がたまらなくやるせなかったです・・。

グイド監督の妻・ルイザを演じたマリオン・コティヤールはショートカットが似合いますね(^^♪。

パブリック・エネミーズ」の時より本作の方が私的には素敵だと思うなぁ・・。
というかとても好みです!失礼いたしましたm(__)m。

こんな素敵な奥さんがいるのに、グイド監督は欲張りですねぇ。

やがてグイドはスランプから抜け出し、新作へ情熱をたぎらせるのですが・・。
ここのプロセスがよく解らんかったですな。
あれっ??いつのまにスランプ抜けたんかな~??ちゅう感じでした・・。私だけか・・?

「Be Italian ! 明日など考えずに今日を生きろ!」
あの歌がこの映画の魅力を決定づけていると言っても過言ではないでしょう。
もう1回、観たいです~(^^♪!



ひきばっち的満足度★★★★






番外編・舞台・「農業少女」

2010-03-20 01:11:22 | Weblog
                                   「農業少女」
東京芸術劇場・小ホール
作・野田秀樹
演出・松尾スズキ

珍しく芝居を見てきました。

何故、前売りまで買って行ったかといえば、主演が多部未華子ちゃんだからです。他に理由なし(笑)。

小ホールなので割と近く(というかかなり近く)に舞台がありました。

時間前に行って座っていると、最前列のお客にスタッフが紙を配っている。

と、連れが「あれ、配ってるの多部ちゃんじゃないの?」
「へっ・・?」
多部未華子さんでした。初めて見る“生多部”(なんかどこかの名物のお菓子みたいだな)でした。

こんなミーハー根性ですから、お芝居のストーリーは難解でよく理解できませんでした(T_T)/。
覚えているのは、百子(多部未華子)は九州あたりの農家の一人娘で、
東京に憧れて電車に乗ると、「毒草研究家」のヤマモト(山崎一)が東京までの電車賃を出してくれて、とりあえず東京に来ちゃうのですな。
                               
もうこの辺で私は「・・???」となっていました(笑)。

その後百子は、江本純子さん演じる江戸っ子に誘われて、ボランティア活動家ツツミ(吹越満)のもとでボランティア活動をして・・・いつのまにか彼女は農業高校へ入学して、お米を作るんですな・・。
                           
ここまで来ると「・・・」何が何やら・・???

そして「農業少女」という言葉がどういうわけか「不登校の少女たち」の代名詞になって、ツツミが世間から評価されるのですが・・・??

なにしろ私なぞは、映画でも「リアル」なのが好きなほうなので、正直このお芝居は難解でした(T_T)。

でも多部さんは元気ハツラツでした!
彼女の声はすごくよく通るイイ声でしたな(^^♪。
朝の蓮ドラ「つばさ」の頃よりちょっとふっくらして、今後の活躍が楽しみです!


「シャーロック・ホームズ」

2010-03-18 22:28:52 | Weblog
                            「シャーロック・ホームズ」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・ガイ・リッチー
音楽・ハンス・ジマー

おなじみ、イギリスが生んだ世紀の名探偵・シャーロック・ホームズ見参ですな。
しかし、今回のホームズ、これまでのイメージとはちょっとばかしちがってるね!

超人的な記憶力、観察力、そして推理力の、灰色の脳細胞(はエルキュール・ポアロでしたm(__)m)元い、超人的な頭脳はそのままに、なんと今回のダウニー・ホームズは、武闘家でもあるのです!!

19世紀末のロンドンはおどろおどろしくて、雰囲気あります!!

あらすじ冒頭の部分をネタバレしていますので、これから観る方はスルーしてください!
19世紀末のロンドンですな。
うら若き女性が次々と殺される連続殺人事件が起きますな。
それらはすべて、何やら儀式めいたやり方で殺されているんですな。
お約束通り、ロンドン警察は犯人逮捕の糸口もつかめずと・・。

こうなると、じゃじゃーん!我らがシャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr.)の登場であります!
彼はあっという間に犯人を突き止めますな。

逮捕されたのは、謎の黒魔術をあやつる男・・ブラックウッド卿(マーク・ストロング)であります!

彼は獄中で不敵に言います「私は処刑されても必ず復活する・・」

絞首刑実行。ホームズの相棒の医師・ワトソン(ジュード・ロウ)が、ブラックウッド卿の死亡を確認。
遺体は棺に入れられ墓地に埋められその上をセメントが覆いますな。一件落着と。

しかし!その墓地でブラックウッド卿を見た!という情報が入ります!

よもやの思いで警察とホームズたちは墓を掘り返し、棺を開けると・・そこには全く別の男の遺体が
・・!!

ここまでが導入部分で、ここから先が本編って感じですな~!
時間も長いけど、それに勝って中味が濃厚でごんす(^^♪
intermissionが欲しいと思いましたよ~・・。

いわゆる前述の“本編”に入りまして、ホームズ、ワトソン、この二人に絡んで来るのが、
女盗賊で、ホームズが唯一人愛した女性であるアイリーン(レイチェル・マクアダムス)と
ワトソンの婚約者であるメアリー(ケリー・ライリー)、の女性2人でありまする!

特にアイリーンを演じたレイチェル・マクアダムスは、わたし「消されたヘッドライン」(主演・ラッセル・クロウ)で骨抜きにされちゃうほど大ファンにさせて頂きまして、
もう「骨まで愛して~♪」っつーくらいのお気に入り女優さんなのですな♪

本作も予告編で「Nice Touch」とか言って笑顔を見せてくれていたので、大いに期待したのですが、出番が少ない(T_T)/・・。もちょとみたかったな・・。

で~~ぇ~映画全体としては(イイカゲンですみませんm(__)m)、かなり楽しめました!
ホームズ物でも、本作はからくりも複雑で、スケールもでかかったですから、
エンターテインメント性も充分ありましたね。

ただ、ダウニー・Jr.が演じた武闘家のどちらかというと泥臭いホームズ像は好みが分かれるかもしれませんね~。
シャーロック・ホームズって、私の中でも“生き方がスマート”なイメージがありましたからね~。でも自分的には、こういうのも面白いなと思えました。

何かラストのアイリーンの涙のセリフを聞いたかぎりでは、続編も作ってくれるような気配がしましたが・・・期待して待っとります(^^♪。



ひきばっち的満足度★★★★(レイチェル姫の追い風参考)







「しあわせの隠れ場所」

2010-03-13 15:50:08 | Weblog
                              「しあわせの隠れ場所」
新宿ピカデリーにて。
監督・ジョン・リー・ハンコック
原作・マイケル・ルイス「ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟」

実在のアメリカン・フットボールのスター選手であるマイケル・オアーがたどって来た道のり・・・両親と引き離され、住む場所も無かった時に出逢った新しい家族との心の交流、温かいベッドと食事・・そして、アメリカン・フットボールとの出会い・・。
“ビッグ・マイク”とあだ名された大きな体に並外れた俊敏性・・。しかし、彼には学ぶ“チャンス”がなかったのだ・・。

サンドラ姐さん、素敵です!!

この作品は実話を基に作られているのですが、正直言って“映画”としてはそれほど飛び抜けた物ではないと、私は思いました。

しかし、やはり、サンドラ・ブロックがイイんですよ(^^♪!                   彼女の魅力一発!という感じの映画でした。

たしかに、「ラジー賞」もいただいたように、“どんなシーンでもブロンドの髪型はビシッと決まって微動だにしない”とか、“危険な街に胸元の開いたタイトなスカートで行っちゃう”とか、色々
微笑ましい部分はあるのですが、よく考えるとそれって監督とかスタイリストさんが決めちゃうことで、サンドラ姐さんは終始いたってCOOLでしたよ(^^♪

作品そのものも、人間が持つ“善”の部分をポジティブに描いていて、素直に観てあげれば心が優しくなるような映画です
まぁ、「ラッキー・ガイのサクセス・ストーリーじゃんかよ」と言ってしまえばそれまでなのですが・・。

また、こういうストーリーにありがちな、センチメンタルでジメジメした部分が無く、
ストーリーが終始カラッとしているのも好感が持てました。

この作品の原題は「The Blind Side」です。
アメフトで、マイケル・オアーがいるポジションが、ちょうど味方のクォーターバックの死角を守るので、こういう題名になったのと、あとは何か「人生の~」みたいなダブル・ミーニングがあるのやもしれません。
日本題も「ザ・ブラインド・サイド」じゃダメだったのかなぁ・・?

それにしても、サンドラ・ブロック姐さん、アカデミー主演女優賞おめでとうございます!


ひきばっち的満足度★★★☆








「ディア・ドクター」

2010-03-11 19:47:39 | Weblog
                               「ディア・ドクター」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・脚本・西川美和                  公式サイト

昨年6月公開時に見逃してしまって、ようやく劇場で観る機会を得ました。
先日の日本アカデミー賞で2年連続の最優秀助演女優賞を獲得された余貴美子さんの演技が楽しみでした。

香川照之さん、あなたは本当にいい役者だ!!

あらすじは色々な所で書かれていますので、だいたい・・・。

ある山村・・。住民のほとんどが老人である無医村に、伊野先生(笑福亭鶴瓶)がやってきまして(映画では時系列が行ったり来たりするのですが)、村人から慕われ、先生本人も寸暇を惜しんで往診をしたりするようになりました・・。
そこへ、研修医の啓介(瑛太)がやってくるんですな・・。
まぁ、戸惑いながらも、啓介は伊野や看護婦の朱美(余貴美子)と協力して、村民の診察を手伝うようになります。

で、いろいろあって(いいかげんですみませんm(__)m)、伊野はかづ子さん(八千草薫)がある病気であることを知りますが、かづ子さんとの約束で、娘さんで医師のりつ子さん(井川遥)には、“嘘”をつくことに・・・。

巷でも言われている通り、鶴瓶がスゴくいいですな。ハマリ役です。
かづ子さんの家で、鶴瓶がテレビのプロ野球の見方を説明する、何気ないシーンがあるのですが、絶品です!あの味わいはなかなか出せるものではありませんな

この作品で一番緊迫するシーン、がけ崩れで胸部を強く打った患者さんの応急処置のシーンですな。
このシークエンスでの余貴美子さんが凄いっす!
余さんの“目力”ってハンパじゃない説得力があるんですな~。最優秀助演女優賞も納得です。

しかし、私は薬品のプロパーを演じていた香川照之さんと、刑事との会話のシーンで不覚にも涙してしまいました(T_T)/
あんないい脚本に香川さんのようないい役者さん・・たまらないシーンでした・・。

ラストの方でも、村民がいたずらに伊野を褒めたたえたりしないのが、いい脚本だなぁ・・と、私は思いました。

この作品のキャッチ・コピー“その嘘は、罪ですか。”
これ好きですね。思わず目頭が熱くなりますな・・。

余談・しかし、井川遥はキレイやな~。あんな女医さんおったらこまりまっせ!(なんで関西弁(笑)。


ひきばっち的満足度★★★★


                 

「ハート・ロッカー」

2010-03-08 04:17:02 | Weblog
                               「ハート・ロッカー」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・キャスリン・ビグロー                     公式サイト
脚本・マーク・ボール

この記事を今急いで書いております。

ただ今、3月8日の午前4時過ぎであります・・。
7日の最終上映を観てきました。「ハート・ロッカー」噂に違わずハードボイルドでした!!

アカデミー賞の授賞式が約5時間後にせまっております!

まるで自分が戦場にいるかのような緊迫感と、観ていて胸のあたりが焼けるような緊張感の連続・・!圧巻です!

あらすじ的には、2004年夏。イラク、バグダッド郊外で爆弾処理をしていたマット・トンプソン軍曹(ガイ・ピアース)率いるチームは、トンプソン軍曹の爆死という悲劇に直面した・・。

亡くなった軍曹の替わりにやってきたのが、ウィリアム二等軍曹(ジェレミー・レナー)であった。

このウィリアムが規則を守らない勝手なスタンド・プレーをする奴でしてな、同僚のJ.T.サンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)やオーウェン技術兵(ブライアン・ジェラティ)の言うことを聞かないんですな。
しかし爆弾処理に関しては、ウィリアムはすご腕なのですな・・。

映画はこのチームの爆弾処理に明け暮れる日常を、坦々と描きます。
観ているこっちまで、息苦しくなるような毎日です・・。

この作品の凄いところは、徹底したリアリティだと私は思います。
脚本のマーク・ボールはこの脚本を書くために、実際の戦場の爆弾処理班と同行したそうですな。

またこの作品の映像が、ハンディ・カメラを多用しているせいか、どことなく、ドキュメンタリー・タッチなのですな。
このカメラ・ワークが観ている者に“これ、本物じゃねぇの・・?”という錯覚すら与えるのです。

私はどちらかというと、時事に疎い(TVを見ないもので・・m(__)m)俗物なので、確固たる信念なり意見などは、もっていない人間なのですが・・。
この映画はアメリカ軍側から見たイラクの現状を描いており、アメリカ兵は“味方”、現地人の内テロや攻撃をしてくる人間を“敵”と、形式上はそのように描いてはいますが・・。
それは“爆弾処理班”の兵士を描く上での必然で、監督は“アメリカがいつも正義”というような思いは毛頭ないと、私はこの映画を観て感じました。

ただ、あのような灼熱の地で、毎日命をすり減らしながら爆弾処理を行っている兵士たちに、畏敬の念を表したかったのではないでしょうか・・。

ラスト近くで、アメリカに戻ったウィリアムが奥さんと子供と一緒にスパーマーケットで買い物しているシーン・・「シリアルを買っておいて」と頼まれたウィリアムが、棚一面に積み上げられている膨大な数のシリアルの箱を前にして、茫然と立ちすくんでいる姿が印象的でした。“末期的な資本主義大国、アメリカ”を、ウィリアムはそこに見たのではないかという気がします・・。

最後に、私がアカデミー会員だったら・・「ハート・ロッカー」に1票です(^^♪


ひきばっち的満足度★★★★☆

追記。アカデミー賞、作品賞、監督賞を含む6部門受賞、おめでとうございます。










「人間失格」

2010-03-07 05:15:17 | Weblog
                                   「人間失格」
ユナイテッドシネマ豊島園にて。
監督・荒戸源次郎
原作・太宰治

原作モノですな。
しかも、超有名。
こまりましたな。読んだことありませんm(__)m。人間失格です

一言、もう少し、一つ一つのエピソードを丁寧に描いてほしかったな~・・という感じですかね。
なにしろ原作未読なもので、比較できないのだから仕方がない(居直ってどうするんだ(笑)

しかし、原作未読者には未読者なりに、純粋に映画単体を評価できるという利点がありますな。

津軽を出て、東京の画学校に通うようになった葉蔵(生田斗真)は、かつての友達が予言した通り、女性にモテまくります(ウラヤマCー・・(笑)

そこなんですが、まず、原作自体が映画と同じくらいの掘り下げ度なのかもしれませんが、
葉蔵と女性たちとのエピソードが、出会ったと思ったらもう一緒に暮らしていて、はいすぐ別れて・・みたいな感じで、急展開なので、観ていて???となる場面がしばしばありました。

小池栄子演ずる静子とのエピソードはホントにあっという間でしたね(笑)!
「あれ??なんで一緒に住んでんだ??おとうちゃんとか呼ばれてるし・・??」

寺島しのぶ演ずる常子とのエピソードも、「あれ??鎌倉行くって・・え~!!いつのまにそんな仲になったとですか!?」って感じでした。

ストーリーに感情移入しているひまがありませんでしたな。

それでも2時間を優に超える長尺になるのですから、女性たちとのエピソードも総花的になるのも仕方なかったのかもしれません。

やがて葉蔵は、モルヒネ中毒になってゆきますな。
この辺りの描写は凄くリアルで、迫力さえ感じましたな!生田斗真の“堕ちてゆく”演技が見事でした。

葉蔵をとりまく女性たちを、寺島しのぶ、石原さとみ、小池栄子、坂井真紀、室井滋、大楠道代、三田佳子らが演じます。

個人的には石原さとみのファンなので、久しぶりに笑顔が見れて満足だったのですが、
あの“間男”のエピソードは可愛そすぎる(T_T)

坂井真紀も好きな女優さんなのですが、あの片思いの役は痛々しくて・・・。
彼女はやっぱり「赤い文化住宅の初子」でみせたようなぶっとんだ役や、「ノン子36歳(家事手伝い)」で演じた“やさぐれアイドルくずれ”のような、どちらかというと強がってみせる役のほうが合っていると、私は思いますな。

この女性陣と、葉蔵との絡みを追ってゆくのも、この作品の楽しみ方の一つではないかと思います。

映画全体としては、昨年公開された同じ太宰治原作の「ヴィヨンの妻~」「パンドラの匣」
に比べると、本作はやや“その時代の香り”が薄かった、言い換えれば、現代と、劇中の時代との時間の隔たりがよく感じられなかったです・・。
放送史に名高いベルリンオリンピックの女子200m平泳ぎのラジオ中継“前畑ガンバレ!!”や、太平洋戦争開戦を告げるラジオ放送など、ディテールは結構しっかりしていたのですが・・。

しかし何と言っても、原作あっての映画ですから、未読の私はこれをいい機会として、原作を読んでみようと思っとります!

出演 生田斗真 伊勢谷友介 寺島しのぶ 石原さとみ 小池栄子 坂井真紀 室井滋
   石橋蓮司 大楠道代 森田剛 三田佳子 他。



ひきばっち的満足度★★★ 








「恋するベーカリー」

2010-03-05 20:29:58 | Weblog
                               「恋するベーカリー」
ユナイテッドシネマ豊島園
監督・脚本・製作・ナンシー・マイヤーズ

ラブ・コメディはちょっと苦手なので、本作も避けて通ろうかと
思っていたのですが、風評によると、結構笑える映画・・とのこと。「ファンタジー系」に続き「“ラブ・コメ”食わず嫌い」を返上するべく、映画館へ向かいました!

一言、随所で爆笑できました!女性の心はオレごときには難しすぎるかも(T_T)/

ストーリーは色々な所で書かれておりますので割愛いたしますが、
メリル・ストリープの演技が、なんというか、肩に力が入っていなくて、とてもイイ感じなんですね。

私は「クレイマー、クレイマー」でのメリルの演技のイメージが強く残っていて、正直なところ苦手な女優さんだったのです。
そのため、「クレイマー~」以降、彼女の出演作を観たのは、遡って見た「ディア・ハンター」だけです。

しかし本作のメリルには“貫禄”を感じましたね~・・何者をも包み込んでしまうような、寛容で温もりのある“愛”・・・。素敵でした!

冒頭にも書きましたが、この作品の監督・脚本はナンシー・マイヤーズという女性なんですね~。
そんなこともあってか、ストーリーのところどころで、「は~・・ここでそういくのか~」的な小さな驚きが幾つかありましたね~。

ジェイク(アレック・ボールドウィン)との不倫を断った直後にアダム(スティーブ・マーティン)とキスをしていたりとか・・まぁ、映画の構成上そうなったのだろうとは思いますが・・。悪いと言ってるんじゃありませんが、アメリカの国民性・習慣なのかもしれませんな。

そんなこんなも全て「ジェイクの下半身、パソコンネタ」ですべて吹き飛んでしまいます(笑)!

いや~、マイヤーズ監督、あなどれないです(^^♪!

ジェーンの家族も個性的な面々が演じており、中でも次女のギャビーを演じたゾーイ・カザンは感情表現も非常に豊かで、いい女優さんだなと思いました。

この作品の原題「It's complicated」・・・「いろいろとありすぎて・・」みたいなニュアンスらしいです・・。



ひきばっち的満足度★★★☆