ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「パンドラの匣」

2009-10-31 01:14:53 | Weblog
                             「パンドラの匣」

「ヴィヨンの妻・・」に続き、太宰治原作であります。

監督・脚本は「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬。

主人公ひばり役には、染谷将太が抜擢されました・・!

そしてもう一人の主人公、竹さんには、芥川賞作家の川上未映子がキャスティングされました・・・びっくり・・・。

この映画の舞台となる結核療養所「健康道場」の元気でキュートな看護婦、マア坊役には、仲里依紗!

病気が完治して、家に戻るが、ひばりと頻繁に手紙をやりとりして、竹さんに惚れてしまう“つくし”役には窪塚洋介です。

「健康道場」での治療の日々を、患者(男性)と、看護婦(女性)という視点から描いた、ある意味でのプラトニックな“恋愛”映画なのだと思いますね・・。

しかし正直言って、川上未映子さんの起用はどうなのかと思いますね。
話題性先行という感が否めません。
もっとほかに、竹さんを演じられるプロの女優さんがいると思うんですが・・。

いきおい、この映画を最後まで引っ張っていったのは、仲里依紗さんの魅力であると思います。

仲さん演じるマア坊と、ひばりとのやりとりが、この作品の骨格を成しているのだと思いますな。

映画としては、結構好きなタイプの作品でした・・。

ひきばっち的満足度★★★☆

今回より「ひきばっち的満足度」を★で表してみようと思います。五つ星が満点ということで、☆は★の半分です・・。




「ホースメン」

2009-10-28 23:30:43 | Weblog
                              「ホースメン」

「羊たちの沈黙」ばりのサイコ・サスペンスと聞いていたので、期待していたのですが・・。

よく考えると、そんなに凄かったら、東京で2館しか上映してないのは・・・??

ちょいネタバレ入ります・・。

デトロイト郊外の荒地で、奇妙な物が見つかる・・。抜歯した人間の歯である。1人分全てらしく、おびただしい数である・・。

その道に詳しい、デトロイト市警のブレスリン(デニス・クエイド)刑事が呼ばれた・・。

と、この辺までは「ゾワゾワ~!!」っといい感じだったのだが・・・!

何かブレスリンの家庭問題がストーリーに出てきちゃっって、仕事一途なお父さんは、子供にかまってやれなくてすまないとか何とか・・・。

ぜんぜんハード・ボイルドじゃないじゃん(T_T)!!

まぁ、それが後のストーリーの伏線になっているのですが、そんなのバレバレじゃん!!

せっかく、チャン・ツィイーがいい演技してるのに・・・。

新約聖書ヨハネの黙示録が事件のかぎになっている・・って「セブン」に似てるし・・・。

ストーリーに自信が無い分、音楽がやたら扇情的に煽ってくるし・・。

今日も涙の~日が落ちる・・って感じでした(T_T)/~~~。


「さまよう刃」

2009-10-25 12:48:22 | Weblog
                              「さまよう刃」

観終わってまず思ったのが、「この映画見てよかったなー!」ですね。

月並みな感想のようですが、結構意味が凝縮された「よかったなー!」でして・・。

正直、派手な映画ではありませんし、途中、雪の長野のシーンあたりは私もやっとやっとついて行った感じはありましたが・・。

最後まで見ると、この映画を貫く一つの“テーマ”のようなものが見えてくるのであります。

「少年法」。日本では、犯罪を犯した者が未成年である場合、原則として刑法ではなく「少年法」によって、更生、社会への復帰が図られます。

少々ネタバレいきます。

この映画の主人公、長峰重樹(寺尾聰)の唯一の肉親である中学生の愛娘・絵摩
は、二人の少年によって拉致、薬物注射の後、レイプされ、それを一部始終ビデオに撮られ、挙句の果ては薬物注射のショックで死んでしまいます・・。
遺体はどこかの河川敷で発見されます・・。

長峰は途方に暮れます・・。

警察の捜査はなかなかはかどらず・・。

そんな時、長峰はあるルートから、娘を殺した犯人2人の名前と住所を手に入れます・・。
警察に捕まってしまえば「少年法」という檻に守られてしまうだろう犯人を、長峰は自ら追い始めます・・・。

映画は観る者に問いかけます、“法”とはなんだ・・“正義”とは・・・。

ラストシーンで真野(伊東四朗)が織部刑事(竹野内豊)につぶやく言葉に、この映画の主人公が持っていた、“復讐”の意味が初めて解るのです・・・。

私たちは、わが身に置き換えて、もし自分の大切な人がいたずらに命を奪われたら、だまっていられるでしょうか・・・。
そんな思いに対する一つの答えを、長峰はラストシーンで見せてくれます・・。

なにやら一部では酷評もされているこの作品ですが、
私は思います、「本当にこの映画に出会えてよかった」と・・。

監督・脚本 益子昌一

出演 寺尾聰 竹野内豊 伊東四朗 酒井美紀 山谷初男 佐藤貴広 岡田亮輔 
   黒田耕平 ほか。







「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」

2009-10-20 17:41:56 | Weblog
                    「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」

太宰治原作の作品です。

主人公、佐知を演じる松たか子が、イイんですよ!

松たか子さんて、あまり視野に入ってなかった(要はファンではなかった)のですが、この作品を観て、俄然、ファンにならせていただきました(^^♪!!

才能がありながら、酒、女、と放蕩を続け、借金まで作ってしまう夫であり作家の大谷(浅野忠信)を、佐知は支え続けます・・。

佐知という役はとても難しい役所だと思うのですが、松さん見事に演じ切っておられましたね!
目に力があるんですよ、松さんは。

作家、大谷を演じた浅野忠信の「泥酔シーン」は見事でした。でも私的には
「母べえ」で演じた“山ちゃん”のほうが良かったなぁ・・。

根岸吉太郎監督がこだわったという、戦後の商店街や飲み屋のセット(オープンセットなのかもしれません)が非常に効果的で、作品のグレードを上げておりました。

ストーリー中盤から登場する、大谷の愛人・秋子を演じた広末涼子も、佐知に対しての勝ち誇ったかのような鼻持ちならない仕草など、上手だなぁと思って観ちょりました・・。

映画全体としても、スゴくバランスがとれていて、観ていて最後まで飽きなかったですね。脚本(田中陽造さん)がしっかりしているんでしょうね。
要所、要所で流れる音楽も効果的でした!

余談ですが、松たか子と広末涼子って、月9のドラマ「ロング・バケーション」で共演してるんですな・・!
16年位前で、絡むシーンも無かった(よく覚えているでしょう!何回もレンタルして見てますので。マイ・フェイバリット・ドラマです!!)ですが・・。



「東京物語」

2009-10-13 18:52:15 | Weblog
                               「東京物語」

小津安二郎監督作。1953(昭和28)年の作品です。

脚本は小津と、野田高梧の共同執筆となっています。

何で突然「東京物語」なのかというと、最近友人から「小津安二郎作品集(井上和男・編集)」なるシナリオ本を借りて、読んでみたら、観たくなった、ただそれだけであります。

世界的に有名な作品なので、ご覧になった方も多いとは思いますが、ストーリー冒頭のあらすじを書きますので、読みたくない方はとばして下さい。

話の始まりは、尾道・・。
昔ながらの造りの家で、平山周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)の老夫婦と、末娘で小学校の教員をしている京子(香川京子)の三人が暮らしている・・。

周吉ととみは、東京行きの準備をしている。
東京にいる息子の幸一(山村聰)や長女の志げ(杉村春子)のところを訪ねる東京行きの準備である・・。
周吉は空気枕をどこに入れたか探している・・。
隣のおかみさんが、楽しみですなぁ、と声をかけてくる・・。


で、いきなり舞台は東京の幸一の家に飛ぶんですな・・。

ホント、駅での見送りや迎えのシーンやらは一切ないんで、シナリオで読んでも、映画で見ても、不思議な感じがしましたね。
思うには、昭和28年頃は、まだ“駅”での撮影が何らかの理由で出来なかったのかな・・とも見てとれます。
見終わると気付くのですが、ストーリー中に実は一つも「列車の窓ごしの見送り」
が出てこないんですな。(周吉ととみが東京から尾道へ帰る時、志げが見送ったのは「待合室」でした)・・。

当時の映画撮影の苦労が、画面のそこここに垣間見れます・・。

看板を効果的に使ったり、工場の煙突を写して工業都市のイメージを彷彿とさせたり・・etc・・。


周吉ととみの東京滞在は、日常それぞれの仕事に家事に追われる息子夫婦や娘夫婦には手に余るものとなってしまいます・・。

そこで白羽の矢が立てられたのが、戦死した次男、昌二の嫁である紀子(原節子)であります!
紀子は勤め先の上司に翌日の休暇を許可され、周吉ととみを東京めぐりに連れてゆきます・・。

いやぁ、原節子さん、私にとっては、「麦秋」以来です・・!
威風堂々といった感じさえいたしますな・・。

笠智衆と原節子が「麦秋」と同じ“周吉”と“紀子”という役名(名字は違いますが)で出演しており、実質上この二人が「主役」的なところを演じています。

物語は淡々と進み、東京から尾道へ二人が帰ってから、山場はありますが、
それも大げさに描かれることはなく、淡々と終わります・・。

この映画が「エンターテインメント」性に富んでいるかと聞かれれば、答えは“否”でしょう。
難しい理屈はよく解りませんが、当時、商業映画として集客力のあった娯楽映画は他に沢山あったでしょうし、そういう映画を否定する理由などありません。むしろ私は娯楽作品こそ映画の王道だとさえ思います。

ただ、日本の映画が全部商業作品でなくても、オレ一人くらいこういう映画撮ったっていいじゃないか・・・というようなアウトローな感覚が、小津さんの中にはあったような気がいたしますな・・。憶測に過ぎませんが・・。
そういう「アウトロー感覚」が無くなると、まずいぞ、と・・。

あと、現代でこそ、核家族化などの問題を扱った本や映画、TVドラマなどは沢山見受けられますが、
この頃にこういう家族をテーマにしたものは無かったんでしょうね・・。
そういう面でエポック・メイキングな作品となったんだと思います。

出演者として特筆すべきは、長女で美容院をやっている“志げ”を演じた杉村春子さん、あたりまえながら凄いですね・・。
東京に出てきた両親を、嫌っているわけではないんだけれど、つい角が立つような言動をしてしまうという・・。気の強い役。
微妙な役所をキレ味良く演じておられました。

あと、私がこの映画を見て、ファンになっちゃったんですが、末っ子の京子を演じた香川京子さん!ラスト近くで、原節子演じる紀子に、“幸一兄さんや志げ姉さんは家族としての情が無い”と嘆くシーンは、初々しくてとても可愛らしかったです(^^♪。

それにしても笠智衆さん・・この頃に70才のこの老け役で、「男はつらいよ」の御前様の頃と見た目がほとんど変わりないというのがすごいっす・・・。














「疾走」

2009-10-09 22:13:29 | Weblog
                                 「疾走」

重松清の同名小説が原作である。

まぁ、重いですよね・・。

私は原作読んでいませんので、希望を持ちながら観たのですが・・。

ネタバレになりますが、

舞台はどこかの干拓地のある街・・。

干拓された土地より陸側の方を“浜”、と地元の人々は呼び、干拓地側を“沖”と言って、“浜”に住む人々は“沖”に住む人々を、差別の目で見ています・・。

主人公のシュウジ(手越祐也)は父(菅田俊)、母(高橋ひとみ)と兄のシュウイチ(柄本佑)との4人家族で、“浜”に住んでいる。

どこにでもありそうな平和な家庭が、兄・シュウイチが「連続放火」事件を起こした事を発端に、崩壊してゆく・・。

学校での「放火犯の弟」として受ける陰湿なイジメ・・・。

父の失踪、母の失踪、(兄は未成年で、犯行時、心身耗弱状態にあったため、治療施設へ)・・・。シュウジは一人残される・・。

“沖”にある教会の神父(豊川悦司)が頼みの綱と思って観ていたのですが・・。

次々とシュウジに襲い掛かる「運命」・・・。

時折、シュウジの人生に明るい兆しがチラッと見える瞬間があるのですが、ことごとく暗転してしまうんですな。

物語り始まって間もなくは、教会で会ったエリ(韓英恵)とのランニング・シーンなどがあって、「この二人を軸に展開する、わりと爽やかなストーリーなのかなー」
などと勝手に思っていましたが・・・あに図らんや・・。

それでもやはり、中谷美紀がヤクザの姉御で登場し、シュウジを色々と導いていく件は、なんかぐっときちゃいました・・!
中谷さん、さすがやな~(T_T)/。

最後はそう来たかーっ・・。びっくり。

しかし、セリフ以外の「ナレーション」が多いのが気になりましたな・・。

脚本・監督 SABU


「ココ・アヴァン・シャネル」

2009-10-04 00:33:49 | Weblog
                       「ココ・アヴァン・シャネル」

久々に劇場で観て参りました!アンヌ・フォンテーヌ監督の「ココ・アヴァン・シャネル」であります。

主演は「アメリ」のオドレイ・トトゥ。
ココ・シャネルが服飾デザイナーとして名を馳せるまでの半生を描いた作品であります。

観終わってひと言・・・う~ん、タバコが吸いて~!!

トトゥ演じるココが劇中でやたらとタバコをウマそうに吸うんですわ!これが!
帽子や服のデザインをしながらスパスパ吸っておるもんだから、愛煙家の小生にとってはたまったもんじゃありません!

まぁ、それはさておき・・。
う~ん・・・(?_?)・・?この映画本当にフランスで大ヒットしたんですか~?

ネタバレになっちゃいますが、出だし、孤児院から酒場での下積みのエピソードくらいまでは良かったのですが、
そのあと、いくら実話とはいえ、バルザンとかいうおっしゃんと、ボーイという英国人との間のネッバッこい恋話が延々と続いて・・・。

やっとデザイナーとして活躍するかなーとか思ってたら、いきなり成功したシーンが出てきて、はい、終わり・・・これはないっすよ・・(T_T)/~~!

フランスの人はこういう作りの映画が好きなのでせうか・・?

オドレイ・トトゥは目に力があり、はまり役だっただけに、成功するまでの「仕事」の部分に時間を割いてほしかったっすね・・。

せっかく期待して劇場まで観に行ったのに・・(T_T)。

一緒に行った連れは、寝ていました・・・。


ブログ1周年でござるm(__)m。

2009-10-02 01:41:04 | Weblog
早いもので、このブログを「おくりびと」で始めてはや1年が経ちました

スローペースではありますが1周年を迎えられたのは、ひとえにこのブログを見てくださった皆様のお陰であると、感謝する次第でありますm(__)m。

今後も、独断と偏見に満ちた(笑)映画紹介をマイペースでやっていきたいと思っております!

お暇がありましたら、また当ブログを、覗いてみてください!

よろしくお願いいたします・・・

                          by ひきばっち。