ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「12人の怒れる男」

2009-02-28 03:17:07 | Weblog
                                「12人の怒れる男」 

日本でも、民間人の中から無作為に裁判員を選ぶ制度ができるようであるが(これは以前のブログからお引越ししてきたものです)

アメリカでは、かなり昔から、陪審員制度があった。

民間人から無作為に選ばれた陪審員12人はすべての裁判の経過を傍聴し、最後に、陪審員室に入り
有罪か無罪かを決定する。

12人全員が有罪、もしくは無罪に同意しないかぎり、決定はしたことにならない・・・。

黒人青年が父親殺しの容疑で裁判にかけられ、最終日をむかえた・・。

裁判長いわく「もし、陪審員の方々が有罪と決めた場合、被告は、死刑に処する」

うだるような夏の暑い日、十二人の男が陪審員室に集まった。

部屋にはクーラーなどない。

陪審員はお互いの名前は教えないようになっている。番号で呼び合うのだ。

「どうせみんな有罪だろ。」一人の男が言う。

まとめ役っぽい男が、「じゃあ、有罪、無罪を挙手してもらうことにしよう」

12人中、有罪11名、無罪1名。

8番の男だけが無罪に手を挙げたのである。「有罪かもしれないが、人一人の生死がかかっている評決を

全く議論せずに決めるべきではないと思った」

フラストレーション、差別と偏見が渦巻く中、8番の男は、

「それでは、私をぬいた11名で無記名投票をして、全員一致で有罪となったら、私も有罪に同意しよう

」11名の投票の結果、有罪10名、無罪1名。

ここから怒りと怒号飛び交う壮絶な議論が始まる・・。

この映画は、ストーリーのほぼ全編が、陪審員室の中で撮影されている。

全てのカットが、異なる位置から撮影されているという!

8番の男を演じるヘンリー・フォンダの最高傑作と言っても過言ではないだろう。

お金をかけなくてもいい映画はできるんだ!と、思わしめてくれる、名作である。

製作 ヘンリー・フォンダ レジナルド・ローズ
脚本 レジナルド・ローズ
監督 シドニー・ルメット
出演 ヘンリー・フォンダ
   リー・J.コッブ
   エド・ベグリー
   E.G.マーシャル
   ジャック・ウォーデン

読書・重松清「きよしこ」

2009-02-26 15:35:18 | Weblog
この小説は作者、重松清さんの自伝的要素が少なからず含まれている。

この本の主人公である「きよし」くんは吃音(どもり)をもっている。特にカ行、タ行、それに濁音で始まる言葉が苦手だった。

吃音をもっていると、思ったことが言いづらい、というかつっかえてみんなに笑われるのがいやなので、喉まで出かかった言葉を、飲み込んでしまったり、つっかえない他の言葉にとっさに置き換えたりしてしまう・・。

きよし君のお父さんは運送関係の会社に勤めていて、しばしば転勤がある。
きよし君は小学校だけで5回も転校することになる。
吃音をもっているきよし君にとって転校は、どれくらい大変だっただろうか・・。

7つあるお話のうちの2番目、「乗り換え案内」に出てくる担任の森先生、わたしも大嫌いである!作文読むのをつっかえたのも「反省」しろだと!?話にならない。読んでいるこちらまで怒りを感じる「乗り換え案内」の章である。

章が前後するが、この本で作者が一番語りたかったのは、やはり1番目の「きよしこ」の章だろう。
父親の「まあ、どっちにしても、ちゃんとしゃべれんようじゃと、一生だめになってしまうけん・・。」この言葉は悲しい。
でも、星のきれいな夜に、「きよしこ」はやってきた!
「・・・それが君のほんとうに伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと」

この本が、重松さんに手紙をくれたお母さんとそのお子さんに届くことを願ってやみません。




「グーグーだって猫である」

2009-02-25 11:23:45 | Weblog
                        「グーグーだって猫である」

この映画は、猫好きの人にとってはたまらない一本であると思う。

とにかく、「グーグー」という猫と、死んでしまった「サバ」という猫のシーンが多い。
舞台は吉祥寺。漫画家の麻子(小泉今日子)は15年連れ添った猫のサバが死んで以来、作品が描けなくなってしまった。
アシスタントのナオミ(上野樹里)らも心配して見守っていたが、ある日、麻子はペットショップで目が合った、どうしようもなくかわいい子猫を買ってきた!
「名前は、グーグーとします♪意味がわかった人には、佐藤のメンチカツ1年分!」
グーグーが生活に加わり、ひょんなことから沢村という青年(加瀬亮)とも知り合った麻子は、新しい漫画を描くことになるが・・・。

大島弓子さんの自伝的エッセイ漫画が原作らしいです。

小泉今日子がいいのである!
本当の漫画家さんみたいな雰囲気を上手く醸し出している。
沢村が酔っ払ってソファーでパンツ一丁で寝ても、怒ったりしない。毛布を掛けてあげたりする。大人の女である。小泉さん、いい歳のとりかたしてますね!

この作品には、映画全体を貫く一本の空気みたいなものがある。浮遊感とでも言えばよいのだろうか。それに浸れれば、それでOKだと思う。

細野晴臣の音楽がその「浮遊感」を決定付けている。
全編に渡って「ひだまりのしあわせ」のようなメジャーで優しい音世界である。

しかし、ナオミたちを見ていると、「吉祥寺」で青春を送れるなんてうらやましい限りである。いや、ほんとに・・。

監督 犬童一心



「ビッグ・ウェンズデー」

2009-02-25 10:50:04 | Weblog
この映画は、私が中学生の頃、公開されたはずで、当時購読していた雑誌「バラエティ」(なつかしい

なぁ(T_T)/~~~)に、「お薦めの映画」としてカラーで何ページも割いて紹介されていたのを覚えてい

る。何故か、その時は難しそうで、観なかった。確かに、雪国の中学生にとって、カリフォルニアの青春は眩しすぎた・・。

なので、初めて映画館で観たのは、つい5年位前である。(新宿の武蔵野館でリバイバル上映されてい

た)。「バラエティ」で知ってから、20年以上経っていた・・・。

1960年代初頭、カリフォルニアの浜辺でサーフィンをする男達・・。

水曜日にやってくると言われている幻の大波「Big WEDNESDAY」をいまか、いまかと、ボイント岬で待つ

マット(ジャン=マイケル・ビンセント)、ジャック(ウィリアム・カット、若い~!!)、リロイ(ゲ

イリー・ビジー)らのサーフィンに賭ける青春・・恋愛・・。正直うらやましかった。この人たち、宿題とかねーのかなぁとか思いましたよ。

60年代も半ば、そんな彼らにもベトナム戦争への徴兵令状がやってきた・・。

監督 ジョン・ミリアス

出演 ジャン=マイケル・ビンセント
   ウィリアム・カット
   ゲイリー・ビジー
   リー・バーゼル
パティ・ダーバンヴィル

「ビッグ・ウェンズデー」元のブログよりお引越しして参りました。


読書・福岡伸一「できそこないの男たち」

2009-02-24 18:36:57 | Weblog
日本橋の丸善で立ち読みでもしようか、と思って入ると、やたら置かれている本がありまして、「できそこないの男たち」・・・ほ~う・・・(ちなみに私は男です)(T_T)/~~~。
裏表紙の概略を見ると、<地球が誕生したのが46億年前。そこから最初の生命が発生するまでにおよそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10億年、この間、生物の性は単一で、すべてがメスだった。(本文より)>

思わず買ってしまひました。
読み終えて・・。非常によい本です!!

生物学的に(単位としては分子生物学といふのかしら)なぜ男は「できそこない」なのか。なぜ男の平均寿命は女よりも短いのか、が解りやすく書かれています。

オスをオスたらしめるSRY遺伝子の発見について。Y染色体上にあるDNAのなかで、
「オス」を「オス」たらしめるのは、ほんの一部の「SRY遺伝子」なるものである事実の発見について。

がん細胞の増殖を抑える働きのある免疫細胞の抗体やナチュラルキラー細胞は、男性特有のホルモンであるテストステロンによってその能力が低下する。
しかし、男性は生涯に渡り高濃度のテストステロンにさらされて生きなければならない・・。それが「男」が「男」であるゆえんであるから・・。

とまあこんな具合で、生物の基本仕様は女性なのだそうです。
縦糸で紡がれてきた女系の遺伝子を混合するために、女性を無理やり作り変えたものが「男」であり、<そこにはカスタマイズにつきものの不整合や不具合がある。つまり生物学的には、男は女のできそこないといってよい(本文より)>

なあんだ、そうだったのか・・・!?

しかし本書を紹介するにあたって、特に女性の方へ。
本文中にはかなり「性」に関する言葉がズバリ出てきますので、お気を付けくださひ・・・。

「できそこないの男たち」(光文社新書)
福岡伸一 著


読書・天童荒太「悼む人」

2009-02-22 00:01:51 | Weblog
いや、正直言って、遅読の私に441ページで比較的に隙間のないこの「悼む人」は読み手がありました!

この小説は、日本全国を歩いて(時にはバスで)、新聞などをたよりに亡くなった人を「悼む」旅を続けている坂築静人という青年を、ある週刊誌の記者、服役を終えて出所したばかりの女性、そして静人の母、という三つの目線から描いています。

私は週刊誌の記者である蒔野抗太郎の出てくるストーリーが一番好きですね。

最初は「エグノ」とあだ名されるくらい、エログロな記事を書き、センセーショナリズムを体現してはばからなかった蒔野が、静人に出会い、徐々に(本当に少しずつ)変わってゆくんですねえ。

276ページ~286ページの件は読んでいて感動さえ覚えました。
「殺された子は、本当にいい子なんです・・」
蒔野が変わりつつあるのがわかる件です。

そして296ページでしょう。
蒔野は静人が亡くなった人をなぜ「悼む」のか、そのわけが解ってくるのです。
自らもボロキレのように「死」と隣り合わせになった時・・。








「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」

2009-02-20 14:46:07 | Weblog
      「 隠し砦の三悪人THE LAST PRINCESS」

何しろストーリーの展開が速いので、観る者を飽きさせません!!

概要としては、
山名という国が、秋月という国へ攻め入って、秋月の城は炎に包まれましたよと。

しかし、秋月唯一の血筋である「雪姫」と、その側近真壁六郎太の死体が見つからなかった・・。それに加えて、秋月が所有するといわれる「金百貫」も見つからない。
山名の大将である悪党、鷹山刑部(椎名桔平)は、総力を挙げて雪姫と金を追い始めた!!

雪姫(長澤まさみ)と金百貫は、真壁六郎太(阿部寛)と武蔵(松本潤)、新八(宮川大輔)らによって、敵の意表を突き、秋月→山名→早川、というルートで運ばれる途上にあった・・・。
さあ、雪姫一行の運命や、いかに・・・べべんべん!!

といった感じですね~。

キャラが一人一人立っていて、とても判りやすく作られていますな。

「武蔵」を演じているのが誰だか途中までわからなかったくらい、ハマってましたからね!

長澤まさみの「雪姫」ぶりもカッコよかったっス!!「私を誰と心得る!!・・」の啖呵はシビレた!馬にまたがり弓を引くシーンも出色の出来ですな!

阿部さんの真壁六郎太。圧倒的な強さと雪姫への献身、お見事でした。
殺陣も豪快で、量もたっぷりあったので楽しめました!

そして椎名桔平さんの悪役「鷹山刑部」。恐れ入りましたm(__)m。
椎名さんは主役もできるし、こういう悪役もハマってしまうというのがスゴイところです!

ストーリー全般的にはムダな小難しいところがなく、“娯楽映画はかくあるべし”というお手本のような作品でした。



「フェイクシティ」~ある男のルール~

2009-02-17 23:08:55 | Weblog
デヴィッド・エアー監督作品。

実に面白かったです!まさに「L.A.コンフィデンシャル」以来のポリス・クライム・アクション・ムービー(私が作った造語でごんす)である。

まあ、脚本が「L.A.~」と同じジェームズ・エルロイということもありますが、それにしても練りに練られたストーリー展開!好きだなぁこういう映画。

それと、期せずして良かったのが「フェイクシティ」という邦画版のタイトルですね。原題は「STREET KINGS」ですから、そのまま「ストリート・キングス」だったら多分集客力はかなり落ちたと思われますね。('70年代に裸で街を走り回る行為がありましたが、それに近い語感になってしまいますな)。

キアヌ・リーブス演じるロス市警のトム・ラドロー刑事は、妻を亡くしてからウォッカの小瓶が手離せなくなった。
危険な場面でも彼は単独で行動し、容赦なく撃ち殺す。
仲間からも煙たがられていた・・。

上司ワンダー(フォレスト・ウィテカー)だけが彼を理解し、かばってくれた。

そんな時ラドローは、かつて相棒だったワシントン刑事が、彼の違法捜査を内部捜査局に密告したことを知る。
怒ったラドローは、コンビニに入ったワシントンを殴ろうと思い、あとから入って行ったところ、直後に覆面をした2人組が現れ、マシンガンを乱射!
ラドローは応戦するも、ワシントン刑事は蜂の巣にされ、死んでしまう・・。

状況証拠では、ラドローが密告の腹いせに2人組を雇い、ワシントン刑事を殺したと見られても仕方のないところを、上司ワンダーの采配で免れたラドローであったが・・・。

この映画のキアヌ・リーブスは好きですね!「地球が静止~」の80倍くらい好きですね(どんな倍率や!)。
そろそろ、こういう泥臭い人間味のある路線に来たほうがイイのかも・・。

ラドローの相棒が、逃走する男を走って追うシーンや、銃弾が飛び交うシーンなど、この映画はアクション映画的に見てもかなりイケてると思いますね。

この映画がなぜ小規模なロードショー展開しかしていないのか・・。不思議ですね。本国アメリカであんまりヒットしなかったのかなぁ・・??
やっぱり「STREET KINGS」じゃあダメだったのかしら・・・。

「少年メリケンサック」

2009-02-16 19:35:42 | Weblog
宮藤官九郎監督作品。

ちょいあらすじ・・。
メイプルレコードの契約社員であるかんな(宮崎あおい)は、You TUBEでとんでもない掘り出し物を見つけた。その名も「少年メリケンサック」というパンクバンドである。イケメンベーシストがガシガシ弾きまくり、イキまくっている!!

そのベーシストアキオにアポを取り、会いに行くと、
何と50歳の飲んだくれオヤジ(佐藤浩一)が出てきた!!
なんとあの映像は25年も前のもので、今は何もやっていない・・・!
その間に映像を見たファンからメイプルレコードに問い合わせ殺到!!
なんとライブツアーも決まってしまった・・・!
さあ、どうする、「少年メリケンサック」・・・!!

私自身もいい歳こいてバンドなんかやらせていただいてるので(パンクじゃないですが)、この映画はとても小気味良かったですね(^^♪。

普段オヤジバンドマンたちが思っているけど口に出せない事を、アキオとハルオ(木村祐一)が代弁してくれましたからね!

かんなの彼氏(勝地涼)の歌を聴いたハルオが「彼氏だろ・・あんまり悪くは言えないけど・・・クソやな」
このセリフは、我が意を得たり、という感じでした!

ただ、25年前に解散しているのに、いきなり数回ライブをやってもう復活でお客さんがノッてくれるっていうのは、ちょっと無理があったかなと・・・。
パンクだからあり得るのか・・そうか!!

ふんだんにちりばめられたギャグも宮藤ワールドでしたね。

宮崎あおいさんは、いつ見ても素敵です!映画冒頭の寄り目はカワユかったですね!!

しかし、「かんな」って名前の主人公、今年これで3本目ですね・・・。
「かんな」ブーム到来でしょうか・・・?

「純喫茶 磯辺」

2009-02-15 00:31:09 | Weblog
宮迫の軽薄なノリがいい味を出している。

誰しも一生に一度くらい考えたことはないだろうか、「喫茶店のマスターになりたい」「自分のスナックを持ちたい」・・。

私はある(笑)!喫茶店のマスターになりたかった。だからこの映画の磯辺裕次郎の気持ちがよく解る。やってみたいんだよね~・・!
そんな夢を叶えてくれる、ハッピーで、ちょっぴりほろ苦い大人の青春映画である。

磯辺裕次郎(宮迫博之)は8年前に妻と別れて、娘の咲子(仲里依紗)との父娘二人暮らし・・。水道工事の仕事で生計を立てている。

そんな時、裕次郎の父が病気で亡くなり、思いがけず遺産が舞い込んだ。根がぐうたらな裕次郎は、咲子の予想通り働かなくなってしまった・・・。

しかし、ある日突然、喫茶店を開業すると言い出した!しかたなく咲子もオシャレな店名をたくさん考えたが、出来上がった店の名前は「純喫茶 磯辺」!

咲子は恥ずかしくて友だちもよべない。そしてアルバイトに素子(麻生久美子)を雇ったとたん、店は常連客で一杯になるが、皆それぞれひとくせありそうな客ばかり・・・。「純喫茶 磯辺」の運命やいかに・・・!

宮迫演じる裕次郎が素子に不器用に接近してゆく様をみると、若い頃(っていつだ??)の自分を見ているようで、いたたまれないですね(笑)。
こんな役やらせたら宮迫さんメッチャ上手いもんなぁ・・!

咲子を演じた仲里依紗さんも「しっかり者の女子高生」を上手く演じていました。
「ちーちゃんは悠久の向こう」の頃にくらべると、格段に進歩していますね。仲さんはこの映画の演技で毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞を受賞されたということで、将来が楽しみな女優さんです!

そして素子を演じた麻生久美子さんは、難しい役を力みなく好演しておりました。綺麗でスタイルもいいのに、かなりいいかげんな素子が、映画が進むにつれて、少しずつ精神的に大人になってゆく・・・。
本当に難しい役どころでした。

蛇足ですが、お客の役で出てくるダンカンのイヤラシさは天下一品でした(笑)!

劇中で濱田マリ演ずる麦子が言っていましたが、大人になっても、気持ちって若い頃と変わらないんですよね。恋もしたいし、トキメキたいんですよ。男も女も・・・。
そんな「いい夢」を見させてくれる、素敵な映画でした。



「20世紀少年<第2章>最後の希望」

2009-02-13 22:14:43 | Weblog
                 「20世紀少年<第2章>最後の希望」
観ちゃいました。第2章!
カンナさん大成功です(笑)!!いや、冗談抜きで!

カンナちゃん素敵でしたよ~!その一言ですね(笑)。平愛梨さん、伸びるでしょうね!楽しみな女優さん登場です!

舞台は2015年の日本・・。
「ともだち」が日本を支配していた。

2000年12月31日「血の大晦日」事件はケンジ(唐沢寿明)らが企てたテロだというふうに歴史はいつのまにか歪曲されていた・・。

ケンジは行方不明、オッチョ(豊川悦司)はうみほたる刑務所の独房に繋がれていた・・。
演歌歌手のマネージャーを仮の姿とするマルオ、「ともだち」の本拠地の清掃員となって内部を探るヨシツネ・・・みなそれぞれが、息をひそめていた・・・。

そして、「しんよげんのしょ」にある「2015年、人類滅亡」の実行を阻止するために、「神の子」として、ケンジの姪、あのカンナが立ち上がる!!
幼い頃の「ケンジおじちゃん」との思い出を胸に、オッチョらと共に「ともだち」の悪行を阻むべく!!

とにかく平愛梨演ずるカンナの存在感がズバ抜けていますね!目に力があるんですよ。まさにキャスティングの妙ですな。

それに負けず劣らず豊川悦司演ずるオッチョも相変わらずカッコイイです!教会のステンドグラスを割って登場するなんざぁ、キザでイカスねぇ!

第2章、今もって覆面を被っている「ともだち」が誰なのか判らない・・。
ストーリーの要所、要所で判りそうになるが、まだわからない・・・。
これが観客を引き付けることに成功したファクターのうちの大きな要因だと思いますね。冒険活劇に「謎」が加わったという形ですね。

ラストに、ケンジがギターを背負って北海道をバイクで走っている映像が入り、
to be continued となりました・・。

しかし、これだけの人数の出演者でこれだけ荒唐無稽な話をよくまとめたものだと思います。堤監督、さすがです。

「20世紀少年<第1章>終わりの始まり」

2009-02-12 20:38:21 | Weblog
       20世紀少年<第1章>終わりの始まり。
観てしまいました。公開当初は観るつもりなかったんですけどねぇ・・・。

第2章に出てくるカンナ役の平愛梨さんがあまりにもステキなもので、第2章を見るために慌てて最初のを借りてきて見ました!!

原作は、浦沢直樹さんの同名の漫画であまりにも有名でございますね。
なにやら世界各国で読まれていて、フランスでは賞を受賞したそうですな。

基本的に冒険活劇なんですな。1970年頃にガキだった奴らが、面白半分で考えた「地球滅亡・予言の書」なんつーのが登場しましてな、少年たちはそれを地中に埋めたりなんかしまして。

ところが2000年、世紀末ですな、その「予言の書」を実行しようとする「友だち」なる巨悪が出現いたしましてな、
そうは許さん!と、ケンジ(唐沢寿明)、オッチョ(豊川悦司)、ユキジ(常盤貴子)ら7人の元悪ガキたちが立ち上がりまして、その巨悪に挑む・・・!!

おっと、忘れちゃいけないのが、ケンジが育てているのが姪のカンナでしてな、<第二章>で活躍するという噂であります・・・!!

やはり、漫画が原作なだけに、シンボルとなっている<目玉と指>のマークが、映画にすると微妙に浮いた感じになっているのは否めないでしょう。

キャラクターはそれぞれ立っていて、判りやすかったです。子供の頃の映像が頻繁に出てくるのですが、特徴をとらえたキャスティングで判りやすかったです。特にマルオ(石塚英彦)は(笑)。

大人のキャスティングで良かったのはオッチョ(豊川悦司)ですね!
これだけ荒唐無稽なストーリーにリアリティと緊張感を持たせてくれました!

飛行場や街の爆破シーンなどは本物と見紛うばかりの素晴らしい出来です。
特に国会議事堂の爆破シーンは秀逸!60億かけてるだけあります!!

ラストに「友だち」の顔が見えそうで・・見えない・・。

そしてこれはDVD版だけなのかもしれませんが、エンディングに成長したカンナ(平愛梨)が走るシーンがあって、to be continued・・・。

あ~これで<第2章>を観れるぞ~・・・!!

監督 堤 幸彦

「チェ・39歳 別れの手紙」

2009-02-09 14:22:56 | Weblog
いよいよ後編である。      「チェ・39歳別れの手紙」

キューバ共産党発足式の日、当然いるはずのチェの姿はそこになかった・・。

カストロに一通の手紙を残して、彼は新たなる革命にむかっていた。

「私はキューバ革命で、私に課せられた義務の一部は果たしたと思う。だから別れを告げる。同志と、君の人民に・・・今、世界の他の国々が、私のささやかな助力を求めている。君はキューバの責任者だからできないが、私にはできる。別れの時が来たのだ・・・」

1966年11月、チェ・ゲバラは米州機構特使と偽りボリビアのラ・パス空港に降り立った。
当時ボリビアは、バリエントス政権による圧政のため、人民は過酷な条件で使い捨てのような状態ではたらいていた。鉱山労働者の平均寿命が30才位だったというから、それがいかに過酷な状況だったかが判る。

ゲバラはまず、現地の反政府ゲリラを、革命戦士へと訓練する予定だった。
しかし、ここから暗雲が立ち込める・・。

支援を求めていたボリビア共産党が、武力闘争に及び腰になり事実上手を引いてしまったのである・・・!
さらに厳しい訓練に耐え切れず脱走したものから、情報が政府側へ漏れていったのである・・。

ここから先ネタバレなので要注意ですが、
「チェ・28歳の革命」「39歳別れの手紙」そして「モーターサイクル・ダイアリーズ」の3つの作品から見えてくることは、
エルネスト・チェ・ゲバラという人の持っていた感受性の強さ、それを起爆力にして行動する鋼のように強い意思力と正義感。
上記3本の映画を観るまでチェ・ゲバラについてほとんど知らなかったことに忸怩たる念を禁じ得ません。

ラストでゲバラは捕らわれの身となり、射殺されますが、
遺体を担架に乗せて運ばれるシーンでは、まるで本当のチェ・ゲバラとの別れのように思われ、目頭が熱くなりました。

「世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、いたみを感じることができるようになりなさい。」
自分の子供へむけた手紙に書かれていた文章です・・・。



「ヘブンズ・ドア」

2009-02-08 14:35:37 | Weblog
 また一つ、素敵な映画が登場いたしました!

「ヘブンズ・ドア」であります。

何が素敵って、全部ステキ!!

まず、映像の切り取り方が圧倒的にイカしてます!!これは、マイケル・アリアス監督と、撮影の小松高志さん、編集の武宮むつみさん達の勝利と言えるでしょう!

さらに映像そのものがとても綺麗なんですよ。何か、長瀬さん演じる勝人のイメージカラーが赤で、福田さん演じる春海が青なんだそうですが、
ワンシーン、ワンシーンが、とっておきたくなるような美しさでした。
監督、撮影、美術、編集、すべて素晴らしいです!

ちょい、あらすじ・・・。
勝人(長瀬智也)は28歳。田舎から都会へ出て10年・・。当初の夢も今はどこかへ、野放図な生活を送っていた。
頭痛がするので受けた精密検査の結果、脳内部に直径10㎝ほどもある腫瘍が見つかった・・。医者曰く「もって一週間。今すぐ死んでもおかしくない。すぐ入院してください。」

とりあえず入院した総合病院で、勝人は14歳の少女、春海(福田麻由子)に出会う。彼女曰く、自分は心臓病と癌で、もうすぐ死ぬらしい、とのこと・・・。
病院の夜の調理場に二人で忍び込み、テキーラを飲みながら「天国ではみんな海の話をするらしい・・。」「海行きたい!!」

勝人は酔った勢いで、春海を連れて、海へ向けて病院を飛び出した!!

長瀬智也さんてこんなに素敵な役者さんだとは知らなかった!
軸のぶれない存在感!粗野なようでいて、繊細でもある。いいねぇ!

福田麻由子さんも、この役はこの子にしかできない!と思わしめる鮮烈な魅力!
私は福田さんを初めて観たんですけど、伸びるでしょうね!楽しみです!

そしてこの映画の原点にもなっている曲「ノッキン・オン・ザ・ヘブンズ・ドア」。原曲はボブ・ディランが歌っていますが、この映画ではアンジェラ・アキさんが歌詞を日本語に訳して歌っています。

この曲、エンドロールに流れるのですが、私的には、警察の追跡から逃げるシーンに使って欲しかったかな・・・と。

しかし素敵な映画でした!









読書・重松清「気をつけ、礼。」

2009-02-06 18:34:33 | Weblog
「気をつけ、礼。」 
六つの短編からなる本です。

本の帯には書いてあります
「どうして大人には、先生がいないのだろう?」・・・。

「ドロップスは神様の涙」では一見怖い保健の先生「ヒデおば」が登場します。
5年1組の河村さんは、クラスメイト全員から「死ね」「バカ」「ばいきん」などと意地悪をされています。
ある時から、頭痛と腹痛で吐き気がするようになり、保健室へ頻繁にいくようになります・・・。
となりのベッドには1年1組のまえだたつや君が必ずと言っていいほど、寝ていました。
そしてヒデおばは二人に必ず、缶に入っているドロップスを1つずつくれるのでした・・・。そして・・・。

残りの5つの短編には「生徒が大人になって先生と再会する」という共通のシチュエーションがあります。

中でも印象に残ったのは「白髪のニール」です。
高校の物理の先生が、ギターの弾ける生徒にたのんで、ニール・ヤングを夏休み中になんとか弾き語れるようにする・・というお話です。

先生曰く「ニール・ヤングは、歳をとることを歌うてくれたんじゃ。それがロックなんじゃ。ロックはロールなんじゃ。キープ・オンなんじゃ。」

年甲斐もなくバンドを続けている私にはグサッとくる台詞です。

「先生」も人間なんですね。失敗もするし、全て公平になんて無理かもしれません。
しかし、生徒のそばにいてあげれば、声はとどくのかもしれません。
先生、すごく大変な仕事だと思います・・・。