ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「スローなブギにしてくれ」

2020-10-26 14:07:26 | Weblog
(C)KADOKAWA1981


以前アップした記事がどういうわけか、文字が読めない感じになっているので、改めて追記を含め、レビュー致します。

片岡義男の「スローなブギにしてくれ」をベースに「ひどい雨が降ってきた」「俺を起こして、さよならと言った」の2作品とオリジナル・エピソードや後日譚を加えて、藤田敏八監督が映画化したものです。(赤字はWikipediaより抜粋)

ネコの鳴き声がする・・。どこかの人通りの多い街中・・。
カメラはネコの目線まで降りている・・。さち乃(浅野温子)が餌をやっている・・・。


どこかの高速道路から見える夕陽・・・。

「スローなブギにしてくれ」・・タイトルが映る。
南佳孝の同名のタイトル曲がかぶる・・「・・・want you 俺の肩を・・♪」

そこまでで、田舎育ちの私には充分でした(゚∀゚)

高速道路が交わる間から見える夕陽・・「やっぱ都会はカッコいいなぁ・・・。」

ちょうど高校に入学する直前の3月公開だったように記憶しております。
背伸びをしたい時期でした。スローなブギが何だか訳わからずに、とりあえず
観なければ青春は始まらないと、勝手に思い込んでおりました(汗)

ちょい、あらすじ・・・。

夕暮れの第三京浜を走る車から、ネコと女の子(浅野温子)がほうり出された。
後ろから走ってきたバイクの青年(古尾谷雅人)が「大丈夫かよ!?ちょっとひでーんじゃねえの!!」
これがさち乃とゴローの出会いであった・・。
そしてさっきの車、ムスタングを運転していたのが、男(山崎努)である。


その男は、福生の旧米軍ハウスで、輝男(原田芳雄・友情出演)と敬子(浅野裕子<あさのひろこ>)の三人で暮らしている。

どちらの子供か判らない赤ん坊は、敬子の妹の由紀江(竹田かほり)に預けてあり、男と輝男が養育費を払っている。

さち乃を第三京浜で放り出した日の夜、輝男が夜の日課であるジョギング中に、心臓発作で急死してしまう。

三人で微妙なバランスをとっていた関係が、輝男の死で、崩れてゆく・・。

一方、夜のファミレスで、ネコにミルクを飲ませながら、ゴローと話していたさち乃は、ポシェットの中の財布を、ムスタングの中に置き忘れたことに気付く・・。

そしてゴローのアパートで、さち乃とゴローとネコの何となくの共同生活が始まるのだが・・。

と、こんな感じでストーリーが展開してゆきます。

ワタシ、浅野温子さんは、この映画で初めて見たのですが、こんな素敵な女優さんがいるんだなぁ、でも設定では高校生なんだけど、どう見ても大人っぽくて、高校生に見えないなぁ・・と感じたのを憶えております(笑)

古尾谷雅人さんは、金八先生シリーズのどれかに生徒の先輩の役で出演されたのを憶えておりましたが、映画ではこれが初めてで、カッコイイ俳優さんだなぁ、微妙な表情のニュアンスを変えたりする演技上手いし、松田優作さんより身長がありそうだもんなぁ。。素敵だなぁ。。と思ったのを憶えております。

浅野温子さん演ずるさち乃、古尾谷雅人さん演ずるゴロー、山崎努さん演ずるムスタングの男、浅野裕子さん演ずる敬子、それぞれキャラが立っていて、イイ感じなのですが、
何といっても、室田日出男さん演ずる、スナック・クイーン・エリザベスのマスターが素敵です(^^♪

昔はグループ・サウンズやってて、レコードも何枚か出したというこのマスター。
普段はマスターらしく色んな客を「いらっしゃい」で迎え入れる、一歩下がった感じで、イイ感じなのですが、さち乃を暴行した連中が客で来て、さち乃の顔を見て、慌てて逃げ出す一幕では、「おい、ちょっと待て!!」で逃げた二人の連れを一発で締め上げるコワもて振りを垣間見せます。カッコイイっす(^^♪


それで、その店のお客さんに、グループ・サウンズ出身の岸部一徳さんとか鈴木ヒロミツさんがいるってのが、洒落てます!

あと、私的に好きなキャラクターが、ゴローがバイトしてる牛丼屋の店長さん(^^♪
鶴田忍さんという俳優さんが演じていらっしゃいますが、「なによ。。。個人の自由でしょ!」というこのキャラは、普段もそうなのかなぁ、と思うほど、それっぽかったです。ストーリーに潤いを与えて、とても素敵!

それと、春川ますみさんが演じた、さち乃の母親が、ムスタングの男に、疲れた感じで「あんた、学校の先生?」なんて言うのが、やはり上手いなぁ。。と思いました。

ストーリー的には、さち乃が、ゴローと、ムスタングの男のあいだを、まるで子猫のように行ったり来たりするのですが・・・。

ネタバレなので観る方は読まないでね、なんですが、

マスターがゴローに、
「おまえのズベ公が戻って来たんだ・・!!」
といって、そっとレコードをかけると、「・・・want you・・♪」

カクテルの「ソルティ・ドッグ」はこの映画で覚えましたです。。。(^0_0^)

以上、「スローなブギにしてくれ」のレビューでした。。。





ヒッキー的満足度★★★★




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「ねらわれた学園」

2020-10-19 17:23:57 | Weblog
(C)KADOKAWA1981


眉村卓の同名小説を、1981年に大林宣彦監督が実写映画化した作品です。

30年以上振りに本作を観直したのですが、この作品は、当時としては、かなり「実験的」だったのかな、と感じました。

1978年に公開された「野性の証明」の長井頼子役で鮮烈なデビューを飾った薬師丸ひろ子さん。

私的には、その時点ですでに薬師丸さんのファンにならせて頂いたのですが・・。

Wikipediaによると、角川映画のボス(?)である角川春樹氏はその頃、「薬師丸さんを、アイドルにしたい」というふうに思っていたそうな。

薬師丸さんは私の中ではすでにトップ・アイドルだったので、感覚的にそのへんよく解らないのですが、まぁ、そう思っておられたそうな。

そんで、大林監督にオファーがあって、ウチに薬師丸ひろ子という女優がおるのだが、まだアイドルになっていない。「ねらわれた学園」という作品で、この子を「アイドル」にして欲しいと。。。

という感じで、本作が作られることになる訳ですが、その後多くの「アイドル映画」を撮る大林監督なのですが、「戦略的」に「アイドル映画」として撮ったのは、本作一本のみ、とのこと。

以上、赤文字部分は、Wikipediaを参考にさせて頂きました。。

そんな訳で、ちょい、あらすじ。。。

新宿にあると思われる高校・第一学園がこの作品の舞台となっている。

主人公は、この第一学園の2年生である、三田村由香(薬師丸ひろ子)と、同じクラスの剣道部主将である関耕児(高柳良一)。

由香は成績学年トップの才媛だが、耕児は剣道に夢中になり、落第スレスレで2年生になった。
この2人はお互いがお互いの良き理解者であり、気心の知れた“相棒”である。

第一学園は、進学校ではあったが、その気風は自由闊達で、皆それぞれに個性的で、充実した学園生活を送っていた。

そんなある日、由香が耕児との下校の途中で、走ってくるトラックの眼前に漕ぎ出た三輪車の子供を見て、(危ない!戻って!!)と心で叫んだところ、ぶつかる直前の三輪車とトラックが、まるで巻き戻しのように後ろに下がり、事なきを得るという、出来事が起こった。

偶然だよという耕児であったが、後日、耕児の剣道の試合を応援に行った際にも、耕児のピンチに、自分で心の中で耕児を応援すると、試合中の相手が、まるでフリーズしたように動きを止め、耕児が一本を取って勝ち進んだり・・・。

由香は自分に何か、特別な力がついてしまったことを、悟らざるを得なかった。。。
(C)KADOKAWA1981

その日の帰り道、由香の前に謎の、星の魔王子(峰岸徹)が現れ、自分と手を組んで、世界を支配しよう、と由香を誘うのだった・・・。

そしてある日、由香たちのクラスに、転校生が入ってくる。

高見沢みちると名乗るその少女(長谷川真砂美)は、いきなり生徒会長に立候補し、当選。
「この学園の乱れた風紀を粛清する」という名目で、生徒による学園パトロールを実施。
徹底的に学園の自由を取り締まってゆく。。。

「英光塾」という謎の塾も出現し、ガリ勉の有川(手塚真)を筆頭に、次々と魂を抜かれたように、学園の仲間が通い始める。

これは、何かおかしい。
由香は、心の中で、この学園に、そしてこの地球に危機が訪れているのを悟るのであった。。。

みたいな感じで、物語が展開してゆくのですが、本当に実験的な作品で、まず上映時間が約90分という短さです。
その90分間に、薬師丸さんの魅力をちりばめた感じです。

そしてさらに実験的なのは、ストーリー後半で繰り広げられる「特撮」です。
1981年時点で、日本映画の特撮を使って、それまで見たこともないような映画を作ろうと、角川春樹氏と大林監督がタッグを組んだ作品というだけあって、思いっきりハジけた映像になっています。
観ていてちょっとキツいかな、という感じもあるのですが、長谷川真砂美さん演ずる高見沢みちるの目が光るシーンなどは、いい感じだなと思います。


画面の中程と、その周囲を微妙に色を違える手法などは、あぁ、ここで試されたのが、2年後に公開される「時をかける少女」に繋がってゆくんだな、と思いました。

手塚真さん演ずる有川君のキャラクターが、こういう演出なのか、または手塚さんのアイデアなのか判りませんが、強烈なインパクトを与えます。リアルタイムで劇場で観たとき、このキャラクターにビックリした憶えがあります(^^♪

耕児役の高柳良一さんは、この作品がデビューで、剣道部の主将を演じて、イイ感じです。この高柳さんは、前述の2年後の「時をかける少女」でストーリーの鍵を握る深町一夫を演ずることになります。誠実さが感じられて、イイ俳優さんだなと、思いました。

高見沢みちるを演ずる長谷川真砂美さんが、いわゆるヒール役なんですが、「あなたの命も無くってよ!」なんてセリフが冷たい感じで、とても魅力的です。良いキャスティングだと思いました。

星の魔王子を演じた峰岸徹さん。演じたキャラクター的には、ちょっとイタいものがあるのですが、当時の限られた特撮技術の中で、真摯に演じる姿は、とても素敵でした。

あと、耕児の父親の熊吉を演ずるハナ肇さんが、しっかりキャラクターの味わいを出していて、流石だなと思いました。ハナさんの演技で、ストーリーが引き締まる感じがしました。

この作品、音楽は、後日「時をかける少女」でも音楽を担当なさる松任谷正隆さんが手掛けており、オープニングとエンディングて流れる主題歌「守ってあげたい」は作詞・作曲・唄を、松任谷由実さんが手掛けていらっしゃいます。
この「守ってあげたい」のフレーズで、「♪ほかには、何一つ、できなくてもいい・・」というのが、“無償の愛”を感じさせてくれて、大好きな曲です。

そして主人公の三田村由香を演じた薬師丸ひろ子さんは、この作品をステップに、大スターへの階段を駆け昇ってゆく訳であります。
当時、薬師丸さんは、角川の事務所サイドの方針だったと思いますが、テレビや雑誌への登場が殆んど無くて(角川書店から発売されていた「バラエティ」という月刊誌にちょっと出るくらいで)、勢いひろ子ファンは、いざ映画館へ!と、足を運ぶことになる訳であります(^^♪
(C)1981KADOKAWA

あの頃、斜陽気味だった日本映画に、薬師丸ひろ子というスターの登場は、強烈なカンフル剤となったと思われます。。。

ということで、「ねらわれた学園」のレビューになっていないようなレビューでした。。。スンマセン(T_T)

追記。 耕児の家の酒屋の店員さん(鈴木ヒロミツ)が、配達のバイクにまたがり、「ぅおんちゅ~おーれの~肩を~♪・・」と、この映画の少し前に公開された「スローなブギにしてくれ」の主題歌を歌うシーンが、楽屋落ちなのですが、ツボにはまってウケてしまいました(^^♪。。。




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「蘇える金狼」

2020-10-11 13:54:24 | Weblog
(C)KADOKAWA1979


刺すような毒気がなけりゃ、男稼業もおしまいさー

そのセリフで、すでにカッコイイ(T_T)

この作品は、1979年8月に公開されているので、ちょうど日テレ系で放送されたドラマ「探偵物語」の放送時期と重なっています。
どちらが先に撮影されたかは、定かではない(同時期に並行して撮られたのかも知れない)ですが、そのTVシリーズ「探偵物語」と、この映画「蘇える金狼」が優作中期の代表作であることは、優作ファンの多くが認めるところではないでしょうか。

前出の「探偵物語」が、優作の“硬軟取り混ぜた”の「軟」の部分を前面に出したものであるのに対し、本作「蘇える金狼」は、ハードボイルドな「硬」の部分が前面に出されています(それでも、会社のうだつの上がらない社員に扮するシークエンスなどは、思わずこちらも笑ってしまうのですが(^^♪)。

村川透監督の作品です。

あらすじ的には、まず、夜明けのオフィス街で、輸送中の1億円が強奪される強盗殺人事件が発生。
現場の状況から、犯人はかなり拳銃などの取り扱いに慣れた者と予想された。

事件発生後、朝のオフィス街ー
その一つ「東和油脂」でも朝からその話題で持ちきりである。
経理部の面々でもその話題が取り沙汰されていた。

その中に、一人の風采の上がらない社員(松田優作)の顔があった。
補欠合格でやっとこの社に入ったという彼の席の足元には、郷里の母親が送ってきたという林檎が箱に入って置かれていたが、それが実は、今朝強奪された1億円であるとは、誰も気付かないのであった。

そう、彼こそがあの現金強奪殺人事件の犯人・朝倉哲也であった。

強奪した現金のナンバーが銀行で登録されていたのを知った朝倉は、現金をウラで安全なヘロインに変える算段をして、元締めの市会議員・磯川に近付き、引渡し場所にいた磯川の兵隊を全滅させて、1億円と引き換えにヘロインを手に入れる。

彼は日中この「東和油脂」の経理部でしがない社員を演じながら、実はこの会社を乗っ取る画策をしていた。
夜はボクシングジムでトレーニングを重ね、銃火器の取り扱いにも余念がない、もうひとつの顔を持っていた。

東和油脂の内部情報を手に入れるために、朝倉は、小泉部長(成田三樹夫)の愛人である永井京子(風吹ジュン)に近付く。
麻薬とセックスで京子を味方につけた朝倉の、次なるターゲットは、東和油脂の役員たちの横領をネタに5000万円をゆすり取ろうという男・桜井(千葉真一)だった・・・。

という感じで、展開してゆきます。

この作品の見せ場の一つは、前半の1億円とヘロインの受け渡し場所での銃撃戦でしょう。
優作の長身でしなやかな肢体が、黒のツナギでいっそうシャープな感じが増して、カッコイイっす(^^♪
「日本でこんな銃撃戦あるか?」なんて無粋なツッコミはどっかへ行っちゃいなさい!!みたいな。
優作が走って、撃つ。それだけで、難しいストーリーどっかに忘れちゃうのであります。

“そこにいるだけで、既にさまになって、男も惚れてしまう”というような俳優さんは、なかなかいませんね~。人によって違うと思いますが、私が今思い浮かぶのは、高倉健さん・・ポール・ニューマン、ロバート・デ・ニーロ・・そして優作さん・・くらいかなぁ・・。

それはいいとして、意外なことに、優作さんが出てくる大きなアクション・シーンは、前出のヘロイン受け渡しのシークエンスだけなんですね!

ストーリー中盤で石炭埠頭でのカーチェイスの銃撃戦があるのですが、千葉真一さん演ずる桜井と、岸田森さん演ずる石井という探偵がメインで、そこには優作さん出てこないのです。

ストーリーは、朝倉の東和油脂乗っ取りのクライム・サスペンスの様相を帯びてきます。

この映画で特筆すべきもののひとつに、永井京子を演じた風吹ジュンさんの演技があると思います。

よく、「体当たりの演技」なんて言葉が使われますが、この作品の風吹ジュンさんが、真にそれ。
最初朝倉に出会う時から、徐々に朝倉から離れられなくなる京子を演じて、ラストへ・・。

私、風吹ジュンさんの歌手時代の事はほとんど知らないのですが、この映画を見て、素敵な女優さんだな~と思っていたら、その後、数え切れないほどの映画やテレビドラマ、ドキュメンタリーなどに出演なさって、大活躍されてますね~(^^♪

さらに、小泉部長を演じた成田三樹夫さん!相変わらずイイっす(^^♪
「野性の証明」
では、三國連太郎さん演ずる大場一成の息のかかった中戸組組長をシャープな感じでニヒルに演じ、かと思ったら五社英雄監督の「吉原炎上」では名取裕子演ずる主人公を買い受けて吉原へ連れてくる女衒を演じ、はたまたTVの「探偵物語」では、優作さん演じる「工藤ちゃん」に何かと絡んでくる服部刑事をコミカルに演じ、この「蘇える金狼」では、何でも金でカタをつけたがる俗物でヤク中になってゆく経理部長を、傲慢と卑屈が綯い交ぜになっている感じで演じて、とても魅力的です。
朝倉から麻薬を分けてもらう談判をするシーンが、俗っぽさ全開で、観ている方もつい笑ってしまいます。


ストーリー的には、石井という探偵(岸田森)が、東和油脂の上層部を裏切り、前述の横領をネタに1億円を要求してきます。
その石井を消すために、朝倉が選ばれます。東和油脂の重役の椅子を約束するという条件で、上層部直々に殺人を依頼されるのです。

首尾よく石井を殺った朝倉は、その時点で、用無しということで、上層部から消される予定が、逆に社長以下重役たちを脅して、まんまと東和油脂の株、200万株を手にいれ、東和油脂の重役となり、社長の末娘・絵里子(真行寺君枝)とも交際を始め、裏街道でついにピークまで登り詰めたのですが・・・。

ラストのストーリーは書かないですが、優作さんが飛行機のチケットを・・・のシーンは、悲しくも、カッコよすぎる(T_T)
前野曜子さんが歌う「蘇える金狼のテーマ」が、流れます。。。渋い。渋すぎる(T_T)

このラストの・・・は最初見たときは、予想がつかなかったです。

ストーリーの最後を含んだ言葉だと思うのですが、優作さんはこの映画を「恋愛映画」と表現したとのこと。

優作さんが亡くなって30年以上経ちますが、今なお私の中では、松田優作さんは生き続けています。
機会あるごとに、彼が出演した作品を観直して、いきたいと思っております。。。

以上、「蘇える金狼」のレビューでした。。。





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「野性の証明」

2020-10-04 16:26:43 | Weblog
(C)KADOKAWA1978                             

思い出の映画です。

あれは、1978年になるのでしょうか。
中学生だった私は、それまでいわゆる「大人向けの映画」(成人映画じゃないっすよ)を、ほとんど観たことがありませんでした(スター・ウォーズくらいかな)。

たしか中間テストか何かで、学校が早く終わった午後だったように記憶しているのですが、どういうきっかけだったか忘れてしまったのですが、友達に誘われて、この映画を観に行くことになりました。すでに上映終了の日が近い頃で、映画館はお客さんもまばらだったように記憶しております。
その頃のテレビでは、この映画の宣伝が頻繁に流れていた(当時の角川映画はTVスポットが頻繁にありました)ので、何となく映画の雰囲気は知っていたのですが。。。

田舎の中学生だった私は、オープニングの健さん演ずる特殊工作隊員たちのトレーニングのシーンで、いきなり目が点になってしまいました。
自衛隊員の中から選りすぐられた、「超法規的」に命令を遂行する、秘密の精鋭部隊です。

ネタバレあります。。。

映画ではまず、反政府ゲリラが、アメリカの大使たちを人質にとって山荘へ立てこもる事件に、特殊工作隊が闇に紛れてカイトで山荘に舞い降り、事件を制圧するエピソードが描かれます。。。

それに続いて、その特殊工作隊で行われる、北上山地からのサバイバル訓練の様子が映し出されます。

この映画の主人公・味沢岳史(高倉健)もその訓練に参加していたのですが、あまりの過酷さに、疲弊しきって登山道へ転がり出たところで、登山者の越智美佐子(中野良子)と遭遇してしまいます。

この訓練中の、一般人との接触は、固く禁じられていました・・。

そして、運命(?)の薬師丸ひろ子さんの登場です。
薬師丸さんは、味沢が越智美佐子に遭遇した場所から程ない寒村で起きた、そのほとんどが惨殺された事件の、集落のたった一人の生き残りである長井頼子役で登場します。

その事件では、越智美佐子も犠牲になっていました。

頼子は目の前で繰り広げられた凄惨な事件のショックから、記憶を失ってしまいます。

救出されてからの警察署員の問いに、頼子が口にするのは「青い服を着た男の人・・」という言葉だけでした。。
そして頼子は、遠縁の親戚に引き取られて行きます。。

という感じで始まるのですが、今考えると、デビューの作品で、いきなりこの難しい役どころというのは、薬師丸さん、かなりの重責だったのではないでしょうか。

ストーリー的には、この事件の一年後の、東北にある羽代市を舞台にして、特殊工作隊を除隊した味沢と、その養子になった頼子、そして件の事件で犠牲になった越智美佐子の妹である新聞記者・越智朋子(中野良子・二役)の3人を軸に、羽代市を影で牛耳る大場グループの会長・大場一成(三國連太郎)、その息子であり、暴走族のリーダーである成明(舘ひろし)、建設業者中戸組の幹部・井崎(梅宮辰夫)などが登場し、朋子と、彼女を見守る味沢の、大場グループの不正を暴くべく戦いが描かれます。

それと並行して、岩手県警宮野署の刑事・北野(夏木勲)が登場し、件の集落惨殺の生き残りの長井頼子を味沢が引き取ったことに不審を抱き、味沢が元自衛隊の特殊工作隊員だった事を嗅ぎつけ、味沢が件の惨殺事件の犯人であるとして、彼を逮捕すべく行動してゆきます。

そして味沢の自衛隊除隊の真相が知れて、特殊工作隊の存在が明るみに出ることを恐れた自衛隊幹部は、要注意除隊者であった味沢を、記憶が戻りそうな頼子もろとも抹殺することにします。。。


だんだんスケールがでかくなって、終盤の戦闘シーンにつながっていくのですが、2時間半近い大作なので、登場人物が多いし、ストーリーが交錯してゆきます。
逃げたと思ったら連れ戻されたり、味方だと思ったら、そうじゃなかったり。脚本も凝っています。
ちょっとストーリーのフォーカスがぼやけたかな、とも思うのですが、やはり健さんと、薬師丸さんの魅力で(私的には中野良子さんも素敵!)物語に惹きつけられます。

三國連太郎さん演ずる大場会長も重厚で存在感あるのですが、その息子を演じた舘ひろしさんがとてもイイっす!若くて無謀で無鉄砲な“若(ワカ)”を演じて、新鮮なインパクトでした。(この前年に公開された「人間の証明」では、岩城滉一さんがいい味を出していましたね!)

ネタバレになっちゃうのですが、終盤の特殊工作隊との戦闘の前に、健さん演ずる味沢が北野刑事に、「助かる方法は三つしかない。この演習が終わるまでどこかにじっと隠れているか、演習地の外へ逃げ出すか・・さもなくば・・・あの22人を倒すかだ!」のセリフがカッコよすぎる!スンマセン単純で。。。

しかし、特殊工作隊が味沢たちを抹殺するために来るのはまだ解るとして、何も3人を消すのに、演習に紛れて始末するとは言うものの、地平線の彼方から、戦車隊やロケット砲を持ってくるというのは、ちょっとスケールがデカすぎるかなと(苦笑)。
まあそれだけ、味沢という男は脅威だったんでしょうね。

当時の雑誌か何かの、角川春樹氏のコメントで憶えているのは、「どうせ嘘をつくなら、スケールのデカい嘘をつきたい」というものでした。

この終盤の戦闘シーンは、北米のどこかで撮影されたとか。
たしかにスケールデカいっす。

観ていても、ヘリの音が消えたらブレーキを解除して、トロッコは下りで動くから、と、薬師丸さん演ずる頼子が、味沢から言われますが、こんな所から、どうやって千葉のおばあちゃんの所へ行くんだろう??とまじめに心配したのを憶えております。

この映画、音楽は、「犬神家の一族」「人間の証明」や「ルパン三世・カリオストロの城」などを手がけた大野雄二さんが担当しています。

ストーリー最後の方に、山川啓介さん作詞、大野さん作曲で町田義人さんが歌うテーマ曲「戦士の休息」が流れますが、これは当初は「銀河を泳げ」というテーマ曲が用意されていたらしいのですが、それより後に作られた「戦士の休息」で行こう、ということに変更されたというのを何かで読んだ記憶があります(「銀河を泳げ」のメロディーは、インストゥルメンタルで、作品中に使われています)。


この映画のTVスポットは、高倉健さんの姿をバックに、「男は、タフでなければ生きていけない。優しくなければ、生きている資格がない」というレイモンド・チャンドラーの小説のセリフがかぶり、「戦士の休息」が流れる、という感じだったのを憶えております。

当時中学生だった私は、この映画の余韻に浸りたくて、映画館からの帰りの道を、バスに乗らずに、歩いて帰った記憶があります。

この映画を観たのを皮切りに、映画館へ足繁く通う少年になりましたです。。。

ということで、「野性の証明」のレビューでした。。。




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「時をかける少女」'83年版

2020-10-02 15:09:20 | Weblog
(C)KADOKAWA1983 
                  
なぜここで、この映画のレビューなのかと、言われるかもしれないけど、久しぶりに観たら、懐かしかったので、レビューします(^^♪

筒井康隆の同名小説を、先だって逝去された大林宣彦監督が1983年に、原田知世主演で実写化した作品です。当時様々な作品を作っていた、いわゆる、角川映画の一つです。

1972年に「タイムトラベラー」というタイトルでドラマ化されているようですが、「時をかける少女」というタイトルでの映画としては、恐らく一回目の映画ではないかと(違っていたら、ゴメンナサイ)思われます。

原作は、アニメも含むと、今まで9回も映像化されているとのこと。

この作品は、広島県の尾道をメインの舞台にしていて、大林監督の「転校生」「さびしんぼう」と並ぶ“尾道三部作”の一つと呼ばれています。

あらすじ的には、スキーの授業での深町一夫(高柳良一)の出現がまずあるのですが・・・。

ある日、原田知世演ずる高校生の主人公・芳山和子は、放課後の清掃中に、理科実験室の物音を確かめに行った際、割れたフラスコから立ち昇る白い気体を吸い込み、気を失ってしまいます。


一夫と、同級生の堀川吾朗(尾美としのり)によって保健室に運ばれた和子は、程なく意識を取り戻しますが、その時をきっかけに、彼女は時空間を飛び越える“タイム・リープ”の能力を身につけてしまいます・・・。

彼女の「普通の女の子でいたい」という思いとは裏腹に、一瞬、時としては丸一日タイム・リープしてしまい、火事を予見してしまったり、吾朗の危険を察知したり・・。

和子は、あの時の白い気体の香りを思い出します。
そう、それはまさに“ラベンダー”の香りでした・・。


図らずも身に付けてしまったタイム・リープの能力について、途方にくれた和子は、一夫にそのことを打ち明けますが、実は一夫の自宅の温室には、そのラベンダーが栽培されているのでした・・・。

という感じです。。。あとは映画を観てね・・。

この作品、SFとしてだけでなく、主人公・和子の、一夫と吾朗の間で揺れ動く乙女心を丁寧に描いていて、青春映画としても素敵なものがあります。

で、ストーリーも良いのですが、なんつっても映画全編を彩る音楽が素敵!
松任谷正隆さんが手がけているんですが、(エンディング・テーマの「時をかける少女」は、作詞・作曲ユーミンとなっていますが)この尾道を、より趣深く、時としてとても切ない青春物語の舞台に仕上げています。
オープニングの「時をかける少女」という題字からストーリーの最後の部分まで、一度も行ったこともない尾道を、まるで故郷のように感じさせてくれます。。。

主演の原田知世も、まだ新人なので、ちょっと演技にぎこちないところもあるのですが、一生懸命に演じていて、今見ても新鮮な感じがいたします。

ワタシ実は、'83年にリアルタイムで映画館で観たとき、そんなにイイ映画だとは思わなかったのです(エンドロールのNG集もちょっと違和感を感じました)が、時を経て自分が「時を経たオジサン」(?)になってから観直したら、えらく感動した次第であります。

そういう映画もあるんですね(^0_0^)

という事で、「時をかける少女」'83年版のレビューでした。。。




ヒッキー的満足度★★★★☆





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