「借りてきたネコのようにおとなしい」といういい方があります。
これは、ネコの先祖は単独生活者であり、自分の縄張りを持って暮らしていたことからくる習性です。
ノラネコも縄張り意識は強く、自分の縄張内で暮らしていて、餌場、トイレ、寝る場所などを決めています。
完全室内飼いの場合は縄張すなわち家の中で、とくにライバルはいません。
もっとも、多頭飼いで仲の悪いもの同士では寝場所などを巡って争うことがあります。
しかし、飼いネコの本能のなかにこの縄張意識というのが強く残っています。
このため、自分の縄張ではないところに連れて行かれると、恐怖と不安で、萎縮してしまうのです。
他人の家に長期不在のためネコを預けたりすると、まさにこの状態となり、
何処か安全な場所に隠れようとし、萎縮して温和しくなってしまうのです。
なかには気の強いネコがいて、恐怖のあまり、噛みついたり引っ掻いたりすることがありますが、
ほとんどは、「借りてきたネコ状態」で、妙に温和しくなってしまいます。
ちゃーちゃんもペットショップから連れてきた最初は、おそるおそる、
まわりの様子をうかがい、狭い椅子の下に隠れてしまいました。
驚かさないように放っておいたら、数時間経った後、まわりを探検し始めて、
やっと落ち着いたのは翌日でした。
よそのネコを預かったりして、借りてきたネコ状態のときはできるだけ驚かさないようにした方がよいです。