ここに来て、二年がたちます。足跡の無いまっさらなところと思っていたのに、やっぱり記憶という足跡があちこちについていました。
どこへ行っても、切り取ってしまいたい過去から逃れられない 身にしみて分かりました。そして、改めて思いました。それだけ、何時も一緒だったんだぁと!
そうよね。三十七年間を共有して、まだ四年しか消化してないんですものね、三十七から四を引いたら幾つ? ああ、死ぬまで忘れられないんだぁ。
こっちのあたりとかバスの窓からながめる川沿いの風景、みたような気がすると思ったら、お互い違う市で発掘していたんだよね。アンタの言う小判が出て緘口令しかれちやったぁってのはこの近くだよ。坂東家と言って、旧家だったよね。
川沿いの方は、わたしが自転車で走ったところと似ている~~~~~あそこはわたしが雇われた市が受け持っていたところ。そうそう、旧石器時代の層まで掘ったこともあったっけ。
ふたりとも発掘現場のおばさんてとこかな? 測量に図面引き、良くやったねぇ。
好きなことしておカネがもらえる。アンタは学生だったからアルバイト、カァチャンはパートってとこかな。
もしかしたら、この公園、わたしたちが発掘調査してから作られたんじゃないのぅ? それだったら、カァチャンたちの市が受け持ったところよ、きっと。
どこへ行っても、わたしは思い出という足跡から逃れられない。いま、それがしみじみ分かった。ま、これも運命か☆★★
カァ、こっちにもカァカァ ああ、にぎやかなこと。あ、向こうの木にも一杯とまっている~~~