田舎で暮らしてます。 (My country life!)

都会の喧騒を離れ、北関東の田舎で可愛いペット達と暮らし始めた中年夫婦の日記です。

昼の訪問者

2012-05-21 05:36:48 | 日記
住み慣れたアパートを引き払い、2年前に夫の実家に引っ越したと聞いていた姪のKから「今度の土曜日は中学生の娘が休みで家にいるので是非あそびに来て下さい。」とメールを受け取り二つ返事で了承した。この社宅の近くに引っ越すとは聞いていたが未だに住所さえも聞いておらず、こんな近くに住んでいたとは知らなかった。11時頃来てくれれば、手料理をご馳走してくれるとの話であるから手ぶらで訪問するわけにはいかないと思い家内と相談して菓子折りを一箱とケーキを数個持参することにした。こんな片田舎ではケーキ屋さんなど近くにあるわけもなく、隣町のヨークタウンまで車を飛ばした。一人娘と祖父を含む4人家族だったはずだが、家内はなぜかケーキを8個も買っていた。あわよくば自分たちもご相伴にあずかろうという魂胆だったのだろう。
買いものを済ませ社宅近くまで車で戻ったところで、携帯電話で住所を聞き出そうとして家内にメールを打たせたが返事がないので直接電話をさせた。土地勘の無い妻には道案内がチンプンカンプンだったようで、いきなり運転者に携帯を差し出して聞いてくれという。今、大きな通りに出る直前にある神社の手前であると説明したところ、既に行き過ぎていると言われた。正直まったく驚いた。まだ、いつも利用しているゴミ集積所を過ぎたばかりで家から1キロも走ってはいない。しかたなく来た道を戻りかけたところ、前方に歩いている二人の人影を見つけた。それは確かに姪のKと娘のMであった。こんな近くに住んでいたとは全く想像もしていなかったし、しかも2年前の春に「白菜祭り」を手伝った時には、この家のそばで白菜を積みこんでいたこともあるのである。この家の存在自体は良く知っていたが、まさかこの家が姪の夫の実家であるとは全く考えもしなかった。
さて、買い物などもあり到着したときに時計は11時半を回っていた。姪の住まいは義父が2年前に建て替えた家の東半分にあるが完全な二世帯住宅という訳ではなかった。風呂とトイレなどは共有しており、2LDK部分が姪たち3名の居住空間ということになるが、義父との関係も聞いたところではギクシャクしており、まるで大家さんとアパートの住人のような印象を受けてしまった。姪のKが義父のことを良く思っていない事は所詮他人なのだから理解できないことはないにしても、娘のMにとっては実の祖父である、Mまでも祖父の言動を愚痴っぽく語るのは母親の影響でもあるのだろうか。プライバシーが守れないので一度リビングに鍵をつけたのだが、それも取り外されてしまったとか、留守の間に勝手に自分たちの冷蔵庫を覗いたりするとかいう苦情めいた話が次々に飛び出すのには少々驚かされた。
手料理というので、子供の好きそうなハンバーグやパスタなどの洋風料理をイメージしてきたのだが、出てきたのは太巻きが3種類30個ほどであった。姪が“回転ずし” でパートをして働いていることは知っていたが、まさか昼の手料理がお寿司とは思っても見なかった。家内もこの意外性に驚いていたようである。まあ太巻きと、お吸い物は美味しかったので文句のつけようはないと観念した。食事が済むと、話題はキャビネットに飾ってあったMのドレス写真に移り、Mが身につけていたアクセサリーになり姪がビーズアクセサリー作りを趣味にしていたことが明らかになった。そのコレクションの多さにも驚かされた。一体どれだけの時間をこれらの創作活動に費やしたのかと思うと気が遠くなる。とにかく凄いと、家内も驚きを隠せない。その後、Mの幼稚園時代の写真をみせてもらったり、テレビの録画番組を見たりしているうちに、とうに3時を過ぎてしまった。この辺で帰ろうと思ったが何やら家内が不機嫌そうに帰るのを渋っていた。どうも買ってきたケーキを食べてから帰ろうというつもりらしい。まるで子供である。それとなく、Mがケーキを食べたいのではないかと誘い水をなげかけるのだが、意に反してMは未だお腹がすいていないと発言した。残念! 幸いにも、姪がそれに気づいてくれたようで、おもむろにケーキを冷蔵庫から取り出してきた。ケーキを食べ終わると、時計は既に4時を大幅に過ぎていた。初めての訪問で長居し過ぎたと反省しながら帰宅の途に就いた。ひと月に及ぶ入院生活を終え、退院から3日目にして暫くぶりに楽しい一時を過ごした。姪の思いがけない招待に感謝の一日であった。