田舎で暮らしてます。 (My country life!)

都会の喧騒を離れ、北関東の田舎で可愛いペット達と暮らし始めた中年夫婦の日記です。

金魚のつぶやき

2011-10-30 08:10:27 | ペット
暫くご主人様の姿が見えなかったので長期出張で家を留守にしていたのだろうか、などと考えていたら今朝は日曜日だと言うのに早起きをして今のカーテンを開けた。水槽のフィルターポンプが妙な音を立てているのに気がついたようで、こちらに近づいてきた。水槽の中を覗きこんでどぎつい彩色をされたプラスチックの水草の後ろに潜んでいたあたいたちを眺めるとすぐに異変に気がついた。そうだよ。水位がこんなに下がっているじゃないの、三分の一も水が減っているのに家族の誰ひとり気がつかないなんて、一体この家の住人たちはどうかしているわよ。このまま見過ごしたら、ポンプが空回りして壊れちゃうじゃないの。全く鈍感なんだから。ああ、やっと気がついてポンプのコンセントを引き抜いた。そう、そう、それでいいのよ。あれ? ポンプを止めて部屋を出ていったわ。どうしちゃったのかしら。水を足してくれるんじゃなかったの? 
2、30分ほど経って、ご主人様が戻ってきた。ああそうか、水道水をそのまま入れたんじゃ、あたいたち金魚は棲めないのよね。なんでも人間たちが飲んでいる水道水には塩素とかいう薬品が混入されていてカルキ抜きとかをしないと金魚は死んじゃうだってペットショップで飼われていた頃に仲間から聞いたことがあるわ。そうか、忘れていたわけじゃないんだ。お風呂場かどこかでバケツの水にカルキ抜き剤を入れて準備をしていたということか。いきなりバケツの水をいれるのかと思ったら、今度は別のバケツに水槽の水をくみ出した。おい、おい水を減らすんじゃなくて増やすんだろう? ペットボトルを再利用したような変な形をした透明のコップのようなもので、一杯、二杯と水槽の水を抜きだした。さらに水槽の水位が下がってきた。あっという間に、半分以下になってしまった。いくらあたいたちが小さいとは言え、こんなに水位が下がっては泳ぎにくいわ。全く何を考えているのか、人間の言葉がわかるなら文句のひとつも言ってやりたい心境よ。とかなんとかつぶやいていると、今度はやっとバケツから変なコップで水をすくって水槽にいれ出した。そうそう、それでいいのよ。たかが水槽に水をいれるのに一時間もかけるなんて全く人間はやることがのろい。あたいたち金魚と違って脳の造りがおそまつなのかしら。ああ、自分たちで水槽の水が変えられるなら、ものの5分もかかりやしないことを見せつけてやるのに。残念ながら金魚は水の外では生きられない、たとえ生きられても手も足も出ない。いや出ないというより、手も足もないの。こんなに優秀な脳をもって、思考力と観察力なら人間に負けないのに、人間の言葉は話せないという、たったそれだけのことで小さな水槽で飼われる哀れなペットとして一生を送るなんて。全くこの世の中は理不尽なことだらけである。まぁいいか、飼われていると考えずにあたいたち金魚が人間を飼っていて、お世話をさせていると思えばいいのかも。この家の住人は、執事とメイドたちだと考えよう。食事の時間だけ忘れなければ、あとは適当にじぶんたちの好きなように振舞っても金魚迷惑にはならないんだし。まずは水もきれいになったことだし。感謝。


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