恩とは、原因の因であり、因(ちな)みの下に心と書きます。
因みとは、関係。縁。つながりを表す言葉です。
単なる関係や縁ではなく、心がそれを持ち上げる事で生まれるのが恩です。
漢字って面白いですね。
人間は、決して一人で生きている方は、居ません。
必ず、人様のお世話になり生活をさせて頂いております。
今、あなたが住んでいる家は、大工さんが立てて下さったもの。
あなたが食べているものは、それを育てて下さった農家の方が作られたもの。
あなたが寝ているベットは、それを作った方がおられるから。
あなたがこの世に生きているのは、ご両親がいらっしゃるからです。
必然的な出会いがあり、今までお会いさせて頂いた方、見えないところでお世話になった方。
そして師です。(師の恩は、前にも書いた事がありますので今回は、触れません)
すべてが必然的な縁です。
一人で生まれ、一人で生きて来た方は、お会いさせて頂いた事がありません。
そう。
すべてが縁で繋がっています。
この縁は、必ず意味があります。
例えば、企業で考えるとその企業の質は、社長の質に比例します。
社長が人を育てる事。人を大切にする事をモットウとされていれば、おのずとそういう方が集まります。
社長に夢と希望がなければ、その企業は、衰退していきます。
だから社長が交代されると企業の質がガラッと変わる事が往々にしてあります。
ついでに書かせて頂きますが、企業とは、根本的に人を育てる場です。
本来であれば、社長様である経営者がその仕事を一人でやるところを人様に手伝って頂く事でその事業が成り立って、ご自分の生活も成り立っていきます。
言い換えれば、社長様は、社員様に対し恩があるのです。
この恩に報いるためには、何をすべきかです。
また、雇われた社員様も雇って下さった社長様に恩があります。
働かせて頂く事で生活ができますからね。
その恩に報いるだけの仕事をしなければ、なりません。
こうやって相互扶助で成り立っています。
これは、企業だけに言える事ではなく、個人にも言えることです。
先に書いた大工さんや農家の方などは、あなたが家を建てる事で、あなたが野菜を買う事で生活が成り立っています。
ご両親もあなた居たから頑張れたり、励まされたりして全うに生きられます。
お互いがお互いのために必死に生きていると言う事です。
個人でも相互扶助で生きています。
ここで疑問がでます。
みんなが真剣に生きている訳では無いし、グータラな亭主は、子供たちもおられます。
この方たちは、世の中の役に立っていないのかと言う事です。
いいえ。
すっごく役に立っておられます。
2・6・2の法則って聞かれたことはありませんか?
団体を形成する中で必ず、この割合に分かれるというものです。
2割のリーダー的な人
6割の普通の人
2割のどうしようもない人
このどうしようもない2割の人を排除したとしたら普通の人からどうしようもない2割ができあがります。
つまり、団体である以上、この2・6・2は、必ず出来上がるそうです。
このどうしようもない2割の方を排除するのではなく、この方々にあった仕事などを与えてあげるべきです。
ですからリストラや辞めるように仕向ける事は、この2割を育てる事になり企業でも団体でも良い結果を生まないと言う事。
それならば、このどうしようもない2割の方も必要と認めてあげて、働いて頂いている恩を持って接して差し上げるべきです。
もし、2割のリーダーが2割のどうしようもない人になったとすれば、それは、その団体をトップの問題です。
人間は、恩を忘れたら驕りを持ってしまい、人を排除したり、傷つけたりしてしまいます。
それが無いよう恩を忘れずに生きてください。
皆様のお幸せを心より祈念致します。