偉大なる詩人であり作家であると同時に、
最も人間的な魅力にあふれたゲーテは、
無限に豊富な知と愛の言葉の宝庫を残している。
彼の言葉がしばしば引用されるのも、
そこには永久に新鮮な感性と深い知性と豊かな愛情とが、
体験に裏づけられて溶けこんでいるからである。
『ゲーテ格言集』は、彼の全集作の中からと、
警告、格言として独立に書かれたものの中から
読書に親しみやすいものを収録した。
『ゲーテ格言集』…NO.6
*しばしば言い慣らわされている色々の格言も、
後世になって与えられるのとは
全く別な意味を持っていた。*
*自分の一生の終わりを
初めと結びつけることのできる人は
最も幸福である。*
*喜びには悩みが、
悩みには喜びがなければならない。*
*苦しみが残して行ったものを味わえ!
苦難も過ぎてしまえば、甘い。*
*「人間の持つものの中で、
自分自身に基礎をおかぬ力ほど不安定で、
はかないものはない」*
*自分自身をなくしさえせねば
どんな生活を送るもよい。
すべてを失ってもいい、
自分のあるところのものでいつもあれば。*
*鉄の忍耐、石の辛抱。*
*人間のあやまちこそ
人間をほんとうに愛すべきものにする。*
*婦人を最も力づよく保護することを心得ている男だけが
婦人の好意を受ける資格がある。*
*ひとりの人を愛する心は、
どんな人をも憎むことができません。*
*太陽が照れば塵も輝く。*
参考資料:『ゲーテ格言集』
高橋健二 編訳