「15枚綜絖織機を使って良いかしら」
と妻がゴブラン織りの基本組織を織っておきたいと言い始めた。
かつて、江南市や蒲郡市で織られていたゴブラン織りを織るという、
ゴブラン織りはジャガード織り装置が発明されるまでは、
空引き織機(ジャガード装置の代わりに織機の上で職人が経糸を上げたり下げたりする)で織られていた装飾織物で、綴織り技術も使いながら多彩な織物を織り出していた。
もちろんフランスで発明された織り方である。
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京都の祇園祭の山車に飾られているタペストリーも紋織りつづれ織で織られている。
のちにジャガールがジャガード織りを発明して以来、ゴブラン織りはジャガード織機で織られている。
昭和40年代までは京都はもちろん桐生や江南、蒲郡で織られてインテリア装飾織物だったが、最近はジャガード織の職人も減って幻の織物となってしまいそうである、
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という事で、ジャガード織り意匠絵師で紋紙職人である私の指導で16枚綜絖の織機で織ることになった。
ジャガード織機は1300本の多綜絖織機なので自由に柄の創作は出来るがのだが、
我が家の織機は16枚綜絖織機なので自由な柄創作が出来ないので市松構成の柄構成で作ってみた。
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基本組織は経3本×緯3丁で私が作り、妻が整経から始めて織り上げた。
蒲郡を代表する装飾織物であったゴブラン織が完成した。
次はこのジャガード織の代表組織ゴブラン織に綴れ織りを入れる企画に入る予定である。
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「手織りで織らなくても、ジャガード織機の紋紙が自分で出来るのだからゴブランを
織ったら良いのに」、
と言われるが織機を止めてつづれを織るには手織り機の方が良いのである。