2013年5月26日
ここはパラグアイのイグアス市。位置的に言うと、ちょうど日本の真裏に当たる。日本から一番遠いこの地に、日本人移住者の社会がある。
パラグアイと言われても、何のイメージも沸かない方が多いのではないだろうか。都市部は近代的なビルや商店も建ち並んでいるが、ちょっと田舎に行けばこんな感じ。ただひたすらに、一本道が延びている。
ブラジルとパラグアイの国境から41~42km地点に日本人の居住地があると聞いて、僕は足を運んでみた。いわゆる「イグアス居住区」だ。ここでも素晴らしい出会いがあり、そして考えさせられた。「日本人として生きる」とは、何なのだろう。
着いて何よりビックリしたのが、いきなり日本の運動会が行われていたこと!これには驚きました!まさか地球の裏側で、日本のまんまの運動会に遭遇するとは…。
色々な方と話そうと声をかけまくっていたのだが、その中に、イグアス日本人会の事務局員で広報部の部長であり、イグアス日本語学校の先生でもある澤村壱番さんとお知り合いになることができた。
本当に幸いなことに夕食にも誘っていただき、美味しい日本食を堪能した。
澤村さんは8年前にイグアスに移住したという。ビールとワインをグイグイやりながらお話をさせていただいたのだが、とても考えさせられた。
澤村さん:日本人は強いよ。ここに移住してきた一世の人達は、ジャングルしかないこの土地を一から開拓して、ここまでのものにしたんだ。俺だって日本人の強さを信じてるし、一世の人達ももちろん信じてる。だから震災があったときも、一世の人達は冷静に言ってたよ。「大丈夫、日本人はすぐに立ち上がれる」って。
ふじもん:そうなんですか。震災の復興は実際にはまだまだですが、地球の裏側の方々がそのように信じて下さっているなんて、本当に心強いです。
澤村さん:地球の裏側でこんな日本人の社会があるなんて、すげぇだろ?こんなところなのに日本と同じ米食って肉食って日本の酒も飲めて日本語で会話できて。すげぇと思わない?
ふじもん:いや、本当にすごいですよね。不思議な気持ちになります。
澤村さん:ここは世界で一番新しい移住地だから、まだ一世の人達も生きてるし、日本語もみんな話せる。でもブラジルはもう移住から105年。一世の方はほぼいなくなってしまったし、三世四世は日本語を話せない人も多い。
ふじもん:見た目は完全に日本人なんですけどね…。
澤村さん:つまり、日本語を必要としなくなってきているわけだよな。イグアスだって同じだよ。別にみんなスペイン語を話せるし、わざわざ日本語を使わなくったって生きていける。それなのに、なんでウチみたいな日本語学校が存在していると思う?
ふじもん:うーん、なんででしょう…?
澤村さん:それはな、精神だよ。日本人としての精神だ。日本から遠く離れたこの地にやって来て、開拓して、現地の人間として生きていても、やっぱり日本人としての魂を持ってるんだよ、特に一世の方々は!だからこの日本語学校も50年も続いてるんだぜ。50年だぞ!
ふじもん:すごい歴史ですよね。やはりそれだけ「日本語を残したい」という、一世の方々のプライドですよね。
澤村さん:俺はさ、日本大好きなのよ。やっぱり日本人なんだよね。だから俺達は、震災があったときも豆腐を大量に日本に寄付をしたんだ。知ってるか?色々な事情があって一世の人達はパラグアイにやって来たけど、やっぱり魂は日本人なんだよ。地球の裏側でこんなに熱い想いを持っている日本人がいることを日本の日本人にぜひ知ってもらいたいな。そして今の日本人よ!なーに腑抜けてんだって感じだよな。
澤村さんの言葉は本当に熱かった。
自分のことを好きになりなさい、と言う。
自分の母校に誇りを持ちなさい、と言う。
自分の生まれ故郷を愛しなさい、と言う。
でも、「日本を愛しなさい」には、何故か異常なまでに抵抗する日本人がいる。
俺らは日本人。海外に出たら、日本のパスポートが何よりの所属の証明。
そう、俺らは日本人だ。
地球の裏側で日本を愛し、誇りを持って生きている人達がいる。
じゃあ、日本で生きる俺達の気概は何なんだ?
地球の裏側で、「日本人」を一人考える。
2013年5月26日。イグアス移住区の日本人宿「ペンション園田」にて。
ここはパラグアイのイグアス市。位置的に言うと、ちょうど日本の真裏に当たる。日本から一番遠いこの地に、日本人移住者の社会がある。
パラグアイと言われても、何のイメージも沸かない方が多いのではないだろうか。都市部は近代的なビルや商店も建ち並んでいるが、ちょっと田舎に行けばこんな感じ。ただひたすらに、一本道が延びている。
ブラジルとパラグアイの国境から41~42km地点に日本人の居住地があると聞いて、僕は足を運んでみた。いわゆる「イグアス居住区」だ。ここでも素晴らしい出会いがあり、そして考えさせられた。「日本人として生きる」とは、何なのだろう。
着いて何よりビックリしたのが、いきなり日本の運動会が行われていたこと!これには驚きました!まさか地球の裏側で、日本のまんまの運動会に遭遇するとは…。
色々な方と話そうと声をかけまくっていたのだが、その中に、イグアス日本人会の事務局員で広報部の部長であり、イグアス日本語学校の先生でもある澤村壱番さんとお知り合いになることができた。
本当に幸いなことに夕食にも誘っていただき、美味しい日本食を堪能した。
澤村さんは8年前にイグアスに移住したという。ビールとワインをグイグイやりながらお話をさせていただいたのだが、とても考えさせられた。
澤村さん:日本人は強いよ。ここに移住してきた一世の人達は、ジャングルしかないこの土地を一から開拓して、ここまでのものにしたんだ。俺だって日本人の強さを信じてるし、一世の人達ももちろん信じてる。だから震災があったときも、一世の人達は冷静に言ってたよ。「大丈夫、日本人はすぐに立ち上がれる」って。
ふじもん:そうなんですか。震災の復興は実際にはまだまだですが、地球の裏側の方々がそのように信じて下さっているなんて、本当に心強いです。
澤村さん:地球の裏側でこんな日本人の社会があるなんて、すげぇだろ?こんなところなのに日本と同じ米食って肉食って日本の酒も飲めて日本語で会話できて。すげぇと思わない?
ふじもん:いや、本当にすごいですよね。不思議な気持ちになります。
澤村さん:ここは世界で一番新しい移住地だから、まだ一世の人達も生きてるし、日本語もみんな話せる。でもブラジルはもう移住から105年。一世の方はほぼいなくなってしまったし、三世四世は日本語を話せない人も多い。
ふじもん:見た目は完全に日本人なんですけどね…。
澤村さん:つまり、日本語を必要としなくなってきているわけだよな。イグアスだって同じだよ。別にみんなスペイン語を話せるし、わざわざ日本語を使わなくったって生きていける。それなのに、なんでウチみたいな日本語学校が存在していると思う?
ふじもん:うーん、なんででしょう…?
澤村さん:それはな、精神だよ。日本人としての精神だ。日本から遠く離れたこの地にやって来て、開拓して、現地の人間として生きていても、やっぱり日本人としての魂を持ってるんだよ、特に一世の方々は!だからこの日本語学校も50年も続いてるんだぜ。50年だぞ!
ふじもん:すごい歴史ですよね。やはりそれだけ「日本語を残したい」という、一世の方々のプライドですよね。
澤村さん:俺はさ、日本大好きなのよ。やっぱり日本人なんだよね。だから俺達は、震災があったときも豆腐を大量に日本に寄付をしたんだ。知ってるか?色々な事情があって一世の人達はパラグアイにやって来たけど、やっぱり魂は日本人なんだよ。地球の裏側でこんなに熱い想いを持っている日本人がいることを日本の日本人にぜひ知ってもらいたいな。そして今の日本人よ!なーに腑抜けてんだって感じだよな。
澤村さんの言葉は本当に熱かった。
自分のことを好きになりなさい、と言う。
自分の母校に誇りを持ちなさい、と言う。
自分の生まれ故郷を愛しなさい、と言う。
でも、「日本を愛しなさい」には、何故か異常なまでに抵抗する日本人がいる。
俺らは日本人。海外に出たら、日本のパスポートが何よりの所属の証明。
そう、俺らは日本人だ。
地球の裏側で日本を愛し、誇りを持って生きている人達がいる。
じゃあ、日本で生きる俺達の気概は何なんだ?
地球の裏側で、「日本人」を一人考える。
2013年5月26日。イグアス移住区の日本人宿「ペンション園田」にて。