世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

~「障害」か「怠け」か・・・「出来ない子」どう見るべきか~

2013-02-28 22:23:55 | 日記
アスペルガーや自閉症、学習障害などの言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

近年、発達障害についての研究が進み、多くの研究事例が報告されています。
そのような子ども達に対する接し方などをまとめた本も、数多く出版されています。

そのような状況ではありますが、私には分かりません。
本当にその子が「障害」なのか、それとも「怠け」なのか・・・。

私はかつて、特別支援教育の立場から、某自治体の教育委員会の巡回指導講師をしていました。
その時の立場からすると、何か問題のある子ども達に対しては、
すべて「発達障害」的な視点で見ていました。

しかし立場が変わり、「教員」として学校の最前線で働くと、
いわゆる「出来ない子」への見方が変わってしまいます。

それはただの「サボリ」「怠け」「努力してないだけ」であると・・・。


私はジレンマを感じています。

その子が「できない」理由は、本当は何なのか?
決してサボっているわけではないのではないか?
いや、それともやっぱりただの怠け者なのか・・・?

私たち教員は医者ではないので、判断は下せません。

「~じゃないかな」という思いを持つだけです。

何もかも「発達障害だから」とするのはおかしいでしょう。
単純に「怠け者」も確実にいるはずです。
そのような子どもには、時には厳しい教育も必要だと思います。

しかしその裏で、本当に「発達障害」に苦しんでいる子どももいるはずです。
字が読めない、どうにも聴覚過敏で落ち着いていられない、等々・・・。

もちろん保護者の方にも安易に、
「子どもさんは発達障害かもしれませんね」などと言えるはずはありません。

そして仮に「発達障害」と診断された子どもがクラスにいたとしても、
私たち教員は、30~40人いる子ども達全員を見なければいけません。

正直な話をしてしまいますと、その子だけをずっと見ているわけにはいかないのです。

巡回指導講師をしているとき、そのような子どもだけを集中的に見ることができました。
しかし担任となれば、その子も含めて、全体のバランスを取らなければなりません。

様々な業務に追われる中で、なかなかその子をゆっくりじっくり見ることはできません。

そのことが、私には本当にジレンマです。
仮にも特別支援教育を専門的に学んできたのに・・・。


先日テレビで、発達障害に苦しむ大学生の特集をしていました。
研究が進み、発達障害の種類や対応方法など、様々なことが分かってきています。

しかし学校の現場では、なかなかその対応にまで追いついていません。
そしてその「出来ない理由」も、実のところ明確にするのは実に困難です。

すべての子どもが本当に良い形で教育を受けられるよう、
私たち一人一人が真剣に考えていかなければならないでしょう。


すべては子ども達のために

ふじもん

~背中を見せる教育~

2013-02-27 05:57:52 | 日記
子ども達って、本当に大人をよく見ています。

その日のネクタイの色、スーツの汚れ、ちょっとした髪型の変化など・・・
何か見つけると、すぐに突っ込んできます。

行動もまた然り。
偉そうに何かを注意しても、大人の側ができていなければ、
子どもはあっさり見切ります。

あいつは口だけだと。

昔からよく「子どもは大人の背中を見て育つ」と言いますが、
本当にそう思います。

しかし裏を返せば、良いものを見せれば、それもしっかり伝わるということ。

子どもはきっと、目の前の大人だけでなく、
世の中すべての大人を見ています。

ニュースで暗い話ばかり見ていれば、
世の大人に尊敬の気持ちは持てないでしょう。

つまりは、すべての大人に、これからの未来を担う子ども達に
何らかの形で影響を与えているということ。

すまりは、すべての大人に責任があるということ。

たまたま私は子どもと直に接する仕事をしていますが、
やはり教育ってすべての大人が意識しなくてはならないものだよな~と感じます。

私も含め、ちょっと「子供からの目」を意識して
生きていくことも必要だと思います。

一人一人の言動すべてが子ども達に影響を与えていることを意識して
私たちは過ごしていく必要があるでしょう。

より良い未来を築いていくために・・・!


すべては子ども達のために

ふじもん

~先生に向いている人って・・・~

2013-02-17 22:44:36 | 日記
この前ある教員志望の学生から、
「僕って教員に向いてないんですかね・・・」と聞かれました。

翻って考えてみました。
「先生に向いている人」とは、どのような人なのでしょうか。


私は、先生って誰にでもできる仕事だと思うのです。
「想い」さえあれば、それでいいと思っています。

もちろん教員としてのテクニックやコツは必要です。
授業を進めるテクニックや、生徒や保護者との話し方のコツなど・・・。

しかし、それよりも何よりも大切なのは、

「子どもに何を伝えたいか」
「子どもにどうなってほしいのか」
「自分の信念や情熱は何か」
「教育を通じて、子どもを通して、世界をどう変えたいのか」

というような、教員側の気持ちだと思います。

その気持ち、想い、信念・・・さえあれば、基本的にはそれでいいと思うのです。


テクニックやコツなんて、あとからいくらでもついてきます。

それよりも何よりも、心持ち。

一生懸命は、子どもにも通じます。

その逆に、手抜きは子どもに見抜かれます。

たとえ下手でもミスをしても、一生懸命やっていれば、
子どもはそれを認め、敬意を表してくれます。

「自分はこれが大切だと思う。だからこれを伝えたいんだ。」

という信念を強く持てるかどうか。
情熱を持てるかどうか。

向いているかどうかなんて、まずは心だと思います。
その下地がきっちりしていれば、誰だって向いているのだと思います。

「安定しているから」
「公務員だから」

などという安易な動機ではなく、
その人なりの情熱や信念を持った教員が増えれば、
それだけでも教育現場は良いものに変わっていくはずです。


すべては子ども達のために

ふじもん

~「モンスターペアレントって・・・?」~

2013-02-16 00:41:51 | 日記
「教員をしてます」と言うと、よく聞かれるのがこの質問。

「モンスターペアレントっているんですか?」

結論から言うと(あくまで私の経験論ですが)いることはいます。
とんでもない行動をとる保護者の方も、いることはいます。
しかし、世間が思っているほど、たくさんいるわけではありません。

いや、それどころか、ほとんどの保護者は至って常識的です。
ほとんどの保護者の方は、本当に良い方々ばかりです。

では、なぜモンスターペアレントという言葉がこれほどまでに広がったのでしょうか?


その理由は、マスコミの報道でしょう。

「最近の親はおかしい」
「こんなとんでもないことを学校に要求してくる」

このように報道した方が、視聴者の興味を惹くことができますよね。

子どもの現状についても同様です。

「最近の子どもはおかしくなっている」

と報道した方が、視聴率は取れるでしょう。


もしかしたら、以前よりは非常識な親は増えたのかもしれません。
もしかしたら、以前よりおかしな子どもは増えたのかもしれません。

しかし、私が現場で働いている中で感じるのは、
子どもも保護者も決しておかしくなんてなっていないということ。

多くの方が誤解をしてしまっているのは、大袈裟な報道にあると思います。

先生に対する報道も同様です。
「最近の先生は問題ばかりで・・・」というようなニュースも多いですが、
ほとんどの先生は、本当に真摯に職務に励んでいます。

マスコミを責めるわけではありません。
しかし、あらゆる報道において、私たちはメディアリテラシーを身につけなければいけないですよね。

もう一度申し上げますが、
世間が騒いでいるようなモンスターペアレントは、本当にごく一部です。

正しく現状を理解して、正しい教育を考えていくことこそ、
今後の日本の未来のために必要なことですよね。


すべては子ども達のために

ふじもん

~「担任オールマイティ主義」から考える、学校の仕事とは~

2013-02-10 22:56:45 | 日記
私の大好きなある先輩の教員が、こんなことを言っていました。

「教員の多忙感の原因の1つに、担任オールマイティ主義という姿勢がある」と。

先生の仕事はどうあるべきか?
この「担任オールマイティ主義」という視点から考えてみたいと思います。


自論ですが・・・
教員の仕事は(中学・高校の場合ですが)「大きく3つプラスワン」に分けられると思います。

1.教科指導~これはご存知の通り、要は授業です~
2.特活(特別活動)~いわゆる、学級活動(生徒会や修学旅行も含めて)や総合的な活動の時間、道徳など~
3.部活動~これもご存知の通りです~
+.生徒指導~問題行動のある生徒の対応や、普段の生活に対しての指導ですね~

「今の先生って本当に忙しいですよね」とよく言われます。
それはなぜか?
私が思うに、この「3つプラスワン」の業務を、一人の先生が一手に引き受けているからだと思います。

1.授業
もし本当に毎回の授業を深く良いものにしようとしたら、何時間もの準備が必要です。
民間企業ですと、よくプレゼンの準備の話が出てきますが、
授業というのは、そのプレゼンを毎日行っているのと似ていると思います。
例えばですが、他の企業にプレゼンをするとなれば、周到な準備が必要ですよね。
毎日ある授業というのは、それと同じだと思います。
本当に良い授業を行おうとすれば、毎回考え直し、相当な準備の時間が必要です。

2.特別活動
ぶっちゃけます。これがけっこう悩みの種という教員は多いと思います。
次の道徳、どうやってやろう?総合学習、何をしたらいいのか・・・?
例えば「総合的な学習の時間」って、ザックリ言ってしまえば「何でもあり」の時間です。
これを毎回充実させることは本当に難しい。
授業同様、相当な準備が必要です。
生徒会や修学旅行などの行事の担当になると、これもかなり大変です。
放課後なども、この行事の準備にほとんどの時間を割かれることにもなります。

3.部活動
これは以前のブログで詳しく述べさせていただきました。

プラスワン・・・生徒指導
これは学校の状況によりますが、荒れている学校になると、大変な業務になります。
教員には授業のない、いわゆる「空き時間」がありますが、
荒れている学校だと、この「空き時間」は大変な時間になります。
フラフラ出歩く生徒がいる、廊下で寝ている生徒がいる、窓ガラスが割れる、等々・・・。
放課後も同じです。
最悪の時は、夜遅くまで家庭訪問をしたり警察に行ったり・・・。


これらの仕事を一手に引き受けることになるのが、現在の日本の教員です。
だからしんどいんですよね、きっと。

先生は、特に担任の先生は何でもできなくちゃいけない。
教科指導もできて、総合学習みたいなこともできて、生活指導もできて、部活もできて・・・
まさに「担任オールマイティ主義」です。

私は思います。
これらを「こなす」ことはできると思います。
現に、多くの先生は「こなして」います。

しかし、1つ1つの質を本当に上げようとしたらどうなるか?
きっとパンクしてしまうでしょう。

現に、パンクしてしまった先生も多いですよね。

私は、上に述べたような業務の、それぞれの「専門の先生」がいていいと思うのです。
教科に特化した「授業の超プロの先生」
特活に特化した「超総合学習の先生」「超道徳の先生」
それぞれのスポーツの専門家の「超部活の先生」
さらに、それにぷらすして、
スクールカウンセラーも兼ねられるような「超生徒指導の先生」

このくらい、ワークシェアリングをしてもいいのではないでしょうか?
きっと、ものすごく「超高品質な指導」ができる学校になるのではないでしょうか?

上の4つはすべて子ども達の教育の核であり、手の抜けないものばかりです。
それを一人の先生に任せてしまっては、質を上げることが難しい。
当然、先生方の負担も莫大なものになる。
双方にとってマイナスになってしまいます。

しかし、こういう意見もあります。
「先生が色々なことをやるから、子ども達のことがよく分かる。関係も築ける」
確かにそうですよね、その通りです。私もそうは思います。

ですが、これは裏を返せば、
「様々な大人と触れ合うチャンスを逸することにもなる」
とも言えるのではないでしょうか。

時代とともに、あらゆるものが専門分化しています。
以前の学校よりもはるかに、先生方はより丁寧な指導が求められています。
当然、これまでと同じ形では歪みが生まれます。
まさに、それが今だと思います。

未来を築くためにも、学校は変わらなくてはいけません。


すべては子ども達のために

ふじもん