世界中から熱苦しく・・・「ふじもん世界放学ブログ」

元「変な学校先生」私ふじもんが、ただ今世界を駆け巡っています!世界の今と僕の魂をお届けしますので、ぜひお読み下さ~い!

【ふじもん世界放浪「放学記」第3章北米編 [タイセツナコト」】

2013-10-21 11:01:21 | 日記

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2013年10月20日。

《僕はずっと、「日本人の代表のつもりで旅をしている」ということを言い続けているが、今日、その気概の大切さをアメリカ人から教わった。場所はニューメキシコ州の片田舎の名もなきガソリンスタンド。たまたま出会ったあるご夫婦が、僕たちに大切なことを教えてくれた。》

僕たちは今ニューメキシコ州にいる。外には相変わらずの大平原が広がり、走っても走っても、その景色は終わることがない。本当はもっと先まで進んでいる予定だったのだが、運悪くアメリカ政府機関の閉鎖のタイミングと重なってしまい、予定通り動くことができなかった。そのためかなりの遅れが出てしまってはいるが、それもまた運命。メッチャ楽しみながら、アメリカ横断の旅を続けている。

生まれて初めてのキャンピングカーでの旅。それも1ヶ月というなかなかの長期間だ。2~3日ならともかく、何週間もキャンピングカーに乗り続けていると、何かしら不具合が生じてくる。


ちょこっと愚痴(笑)。

いやね、すごい快適なキャンピングカーなんですよ。綺麗だし広いし、基本的に何の問題もないんです。が、スタートしてすぐの段階から、ちょいちょいトラブルが発生しているんですよね。

まず食器。
マグカップが附属されているのですが、そのうちの1つを持った途端に取っ手がバキッと!ええ?持っただけだぜ?そんなわけなかろう!しかしどうみても折れている。なんだそりゃ、いきなりそれかい!

次に排水パイプ。
宣言します。僕たちは断じて無茶な運転はしていません。公道を走り、スピードも守り、悪路などにも入っていません。それにも関わらず、トイレと台所の汚水を排水するパイプから水がポタポタと・・・。ええ?まだスタートしたばっかだぜ?俺たち何もしてね~ぜ?そりゃないだろうよ、何で漏れてんのさ!

そして給水ホース。
この旅始まって最初のRV Parkに行ったときのこと。さぁ給水をしようと附属されているホースを繋いでみたら、あらビックリ!バンバンに水が漏れるじゃありませんか!よく見ると、ホースの接続部分が明らかに楕円形に歪んでいる。そりゃ漏れるわな!おいおいおい、そこは直しておいて下さいよ~!結果的に漏れても給水できているからよかったけど、これで水が入らなかったら大騒ぎですよ!

などなど・・・(笑)。でもまぁそうは言っても普通に走ることはできているので、順調に移動はできているんですけどね。こういうトラブルも旅の醍醐味。いや、トラブルこそ旅の醍醐味!でぃすいずあめりか!ってことで、良しとしましょう!(笑)


さて、話をシリアスに戻します。グランドキャニオンを見学した僕たちは、Gallupという街で一泊し、次の目的地「ホワイトサンズ」という国定公園に向けて出発をした。

しかしどうも何か調子がおかしい。ここ数日そうだったのだが、走っていると、何故か車が右に寄っていく。もしかしたらタイヤの空気圧がおかしいのかもしれないと思い、ガソリンスタンドに寄って空気を入れることにした。

しかし・・・。

空気の入れ方が分からない・・・。しかも空気入れの機械に目盛りなどはついておらず、これではタイヤにどのくらい空気が入っているのかも分からない。う~ん、これは困った・・・。

悩んでいても仕方ないので、とりあえず僕は隣で同じく空気を入れているおじさんにやり方を尋ねてみた。するとそのおじさんは、自分の車のタイヤに空気を入れているにも関わらず、手を止めながら何度も親切丁寧に教えてくれた。

「ここ押すと空気が出て、手を放すとこれが動くんだ。この目盛りが空気圧のゲージだよ。」

やり方が分かった僕らは早速自分たちの車のタイヤに空気を入れようとした。するとなんと、そのおじさんが「俺がやってやるよ!」と言わんばかりに、手助けをしてくれるではないか!


アメリカのガソリンスタンドの空気入れは、小銭を入れると一定時間空気入れが動くシステムで、このガソリンスタンドでは25セントコインを3枚入れると機械が動く仕組みだった。小銭を持っていなかった僕たちが困っていると、なんと助手席に座っていた奥さんが車から降りてきて、お金を入れてくれたのだ!

そしておじさんは完全に僕たちに変わって空気を入れてくれている。ちょっと面倒くさいタイプのタイヤだったようだが、おじさんは慣れた手つきでホイールを外し、空気を入れてくれた。

僕は何度も「Thank you very much」とお礼を言った。しかし、そのおじさんが返してくれた一言で、僕は「自分の在り方」を深く考えさせられた。


「気にするな!ここは俺たちの国だから、外国人を助けるのは当り前さ!」


たとえばもしこのご夫婦が僕たちに冷たく接していたら、僕は「なんだよ、アメリカ人って嫌な感じだな。」と思うだろう。しかしこのご夫婦がとても優しく助けて下さったことで、僕は「アメリカ人って優しいな。とてもいいじゃないか。」と思うことになる。

つまり、僕らにとっては、このたまたま出会ったご夫婦は「アメリカ代表」だったわけだ。そしてこのご夫婦にとっては、僕らは「日本代表」なわけだ。このご夫婦の振る舞いによって僕たちは「アメリカ人」のイメージを持つわけだし、助けてもらっている立場とはいえ、僕たちの振る舞いによって彼らに「日本人」のイメージを与えることになる。

僕はここまでのアメリカの旅の中で、アメリカ人のイメージがかなり良くなった。正直、アメリカに対してちょっと懐疑的だった僕は、もっとアメリカ人も冷たいのではないかと考えていたのだ。

しかし現実はそうではなかった。「偶然のご縁」によって僕とお話をして下さったアメリカ人のほとんど全ては、上手く表現できないが、みんな「良い人」だった。僕にとっての「アメリカ代表」となった方々の振る舞いによって、少なくとも僕という日本人は、この国への印象をかなり良いものへと変えられている。


このご夫婦は、僕に大切なことを僕えてくれた。

「親切であれ。他人に優しくあれ。」そして「常に自分はその国の代表だと思って振る舞え。」


僕は今、他の国に土足で上がらせていただいている。アメリカに限った話ではなく、本当に多くの人に僕は助けられて旅を続けられている。僕は今「助けられ続けている」立場にあるのだ。そのことを絶対に忘れてはいけない。

人生における大切なことってたくさんあると思うけど、どんなに金持ちになるより、どんなに高い社会的地位を手に入れるより、僕は「今隣にいる人」に優しくできる人でありたい。そういう当たり前の小さな「優しさ」の方が、人間として大切だと思う。

今日出会ったこのご夫婦は、きっと「普通の」アメリカ人なのだろう。しかし僕にとっては、一生忘れることのできない大切な「普通の人」になった。


偉そうにふんぞり返る「凄い人」よりも、いつも謙虚に相手を思いやれる「普通の人」の方が、よっぽどいいじゃないか。

常に利益ばかりを求める「成功した金持ち」よりも、貧しくとも卑しくなく「他人を思いやれる貧乏人」の方が、よっぽどいいじゃないか。



ニューメキシコ州の名もなきガソリンスタンド。こんな片田舎で、僕にとっての大きなレッスンが待ち受けていたんだなぁ。

もう出会うことはない。伝えることもできない。だけど、せめてこの場を借りてもう一言・・・
「Thank you very much!I remember your lesson!」

2013年10月20日。ホワイトサンズ国定公園にほど近いRV Parkにて。

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