2015.9.25 23:47更新
【米中首脳会談】
オバマ氏「公正な競争」「人権」促す、習氏は排出量取引表明で協調演出
http://www.sankei.com/world/news/150925/wor1509250072-n1.html
ホワイトハウスでの歓迎式典で並んで立つ中国の習近平国家主席(左)とオバマ米大統領=25日、ワシントン(ゲッティ=共同)
【ワシントン=山本秀也】米国を公式訪問中の中国の習近平国家主席(共産党総書記)は25日、ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した。米国が懸 念を強める中国のサイバー攻撃や南シナ海問題など安全保障分野の課題をはじめ、経済政策など幅広い問題が取り上げられる。地球温暖化問題では、中国が温室 効果ガスの排出量取引制度の導入を表明するなど、米中が協調して排出削減の国際交渉に当たる方針が表明される見通しだ。
米中首脳会談は昨年11月の北京会談以来10カ月ぶり。経済成長が鈍化に陥った中国と、大統領選を来年に控え内政の変動期に入った米国が、安保、経済分野の課題をどう処理して関係を構築するかが焦点となる。
会談に先立つ歓迎式典でオバマ氏は習氏の訪問を歓迎しつつ、米企業を狙った中国のサイバー攻撃や中国の人権状況に言及し「企業が公正に競争でき、人権が尊重されるなら、国はさらに成功し得る」と述べた。習氏は互恵や相互尊重に基づく関係強化を求めた。
サイバー攻撃問題で、米側は米企業の知的財産が標的にされたとして懸念を強め、対中制裁の可能性も示唆してきた。一方、南シナ海問題で中国は、3千 メートル級滑走路の整備を含む人工島建設について「主権の範囲内」として米側の非難をはねつけ、相互に「核心的利益」を尊重するよう米側に迫るなど、首脳 会談で安全保障問題での抜本的な合意は難しい情勢だ。
安保問題の議論が平行線をたどる可能性が強い中、中国側は習氏のシアトル訪問で、中 国経済がなお米企業の利益に貢献し得るとアピールし、米中が利益を共有する「新型大国関係」の構築を訴えた。米側も、バブル崩壊懸念の強い中国経済の構造 改革を促すなど、経済分野では米中の協調が図られるもようだ。
温室効果ガス削減に関し、世界の2大排出国である米中は昨年の北京会談で排出削減に取り組む方針で合意。中国は地域で導入している排出量取引を2017年にも全土で導入する方針を表明するとみられる。
2015.9.24 20:09更新
【習近平氏訪米】
規制緩和で米企業に対中投資呼びかけ、経済界の取り込み図る
http://www.sankei.com/world/news/150924/wor1509240051-n1.html
米西部シアトルのボーイング社を訪れた中国の習近平国家主席(左)=23日(新華社=共同)
【ワシントン=山本秀也】中国の習近平国家主席は23日、米中の有力企業トップ約30人との会合で、「中国経済の長期的な発展傾向に変わりはない」 と述べ、外資の参入規制を緩和する方針を表明し、米企業に対中投資の拡大を呼びかけた。来年の米大統領選に影響力を持つ経済界を取り込むことで、米側の対 中認識を揺さぶる狙いだ。
会合はブッシュ政権で財務長官を務めたヘンリー・ポールソン氏が主宰し、米側からアップルのクック最高経営責任者(CEO)らIT、飲料、自動車などの企業経営者が出席した。
米中双方の報道によると、習氏は会合で、中国市場への外資参入規制の大幅な緩和や知的財産権の保護拡大を柱とする改革を現在進めていることを表明。さら に、米中政府間で協議中の投資協定に言及し、合意に達すれば米経済の発展に有利だと指摘した。習氏は「中国と米国の経済協力には巨大な潜在性がある」と呼 びかけ、米国の大手企業が地域本部や研究開発部門を中国に設立することを「支持する」と述べた。
一方、習氏はこの日、中国による300機の新規調達が決まったシアトルのボーイング社工場を訪れ、作業員らの歓迎を受けた。
米東部の政界やニューヨークの市場関係者の間では、指標が悪化する中国市場の先行きに悲観論が強い。習氏は太平洋地域の窓口のシアトルで、米中間の貿易、投資を拡大することが米国の利益や雇用につながるとアピールした形だ。
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