魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

【国連加盟国は「難民条約」の理不尽な強制に反対して新たな難民対策を講ずるべき】①

2015-10-17 17:28:14 | 国際・政治
 「国家」と呼ばれるには何れにしろ「他国の意思に左右されず,自らの意思で国民および領土を統治する権利である独立権 」の意義としての「主権」、「国家が排他的に支配する土地(国家の主権の及ぶ区域」である「国土(領土・領海・領空をいう領域と同じ)」、そして「国家を構成する成員」の「国民」で構成され,「統治者が統治を行うために設けた国家機関の総称であり、国会・内閣・裁判所など」の「統治機関」を持つ。

近代国家」とは、中世封建国家や近世の絶対主義国家の崩壊後に成立した国家を言い、「国民の代表機関」である「議会制度」,「統一的に組織」された「行政制度」,「合理的法体系」に基づく「司法制度」,「国民的基盤」に立つ「常備軍制度」等が整備され,「中央集権的統治機構をもつ国家」をいう。従って、昨今日本で騒がれる「地方主権や地方分権」は近代国家に反し、過去の国家体制に逆行するものである。

 「国家の統治者」とは、言い換えれば、「主権者」のことと言えるだろう。「近代国家の主権者は国民である」との意識は世界中に広がったのは、凡そ古代より「主権者」は国家を構成する国民なのてある。何故ならば、譬え独裁者が国を統治する権力を持っていたとしても、国民の支えが無ければ独裁的統治は出来無いからである。「数は力」であり、独裁者が力で民衆を押さえ込めるのは、多くの人々が其の力を支えているからである。譬え、其れが独裁者の民衆に対する悪しき洗脳に因るものであったとしても。

 主権排他的権利でもあり、本来他国の干渉を受けず自主独立的に主権者が行使するものである。拠って、国内での紛争ごとは主権者である国民がその権利と義務によって解決すべきものである筈だ。近代国家ては主権者である国民が撰んだ者達に統治権を授けて居る。統治者が国民に対して善政を行えば国民は其の統治者に統治を任せ続け善政をを享受し続けたいと思うだろう。

 然し、統治者が国民の付託無く力を使って統治権者として君臨して悪政を行ったり、選ばれた統治者だとしても統治能力無く国内を紛糾させたのに武力を使って権力の座に居座っている場合には、国民が此奴等を統治者から引き摺り下ろすには実力行使しか手は無い。国連は国家の内政には関与すべきで無く、内政干渉は国家連合としての国連の存続意義を失するもので、国連が近代国家のあり方として尊守すべき国民主権を強く意識しなければならない国民の権利と義務を無為にすることに手を貸す愚を行っては為ら無いのだ。

 何故ならば、国連は国際平和と安全の維持,経済・社会・文化面の国際協力の達成等を目的として第二次大戦後に設立された国際的機関だが、本来、国家主義を否定するものでは無く、国家への内政干渉は避けるべきで、平たく言えば国家間の紛争紛糾を未然に防ぎ国家間の利害を調整して国際平和を保つべき国際機関でなければならないからである。

 道理としては以上の通りだが、国家に内紛が生じても、未だ主権者としての権利も行使も武器を持って抗うことも出来無い多くの女性や子供達が犠牲に成ることは看過出来無いことも確かなことである。


 国連は内紛が武力衝突や武力に依る国民弾圧迄紛糾した場合、其の国の民衆の生きる権利を護ろうと、1951年(昭和26年)7月28日の難民および無国籍者の地位に関する国際連合全権委員会議で、難民の人権保障と難民問題解決のための国際協力を効果的にする為の国際条約である「難民の地位に関する条約」が採択して1954年(昭和29年)4月22日に発効させたが、日本は1981年加入した。然し、此の条約の対象とする難民の定義が時限的であったことから、此の条約を補充する為「難民の地位に関する議定書」が1966年に作成され、1967年10月4日に発効したが、難民条約と略称されている。2006年10月現在、加盟国数は条約・議定書ともに143カ国に亘る。

 難民条約の定める要件に該当する難民を「条約難民」というが、出入国管理法第2 条第3 号の2 は、難民を難民条約第1 条の規定又は難民議定書第1 条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいうものと規定している。すなわち、難民とは、「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないか、又はそれを望まないもの」とされる。そのため、戦争、天災、貧困、飢餓等から逃れようとする人々は難民条約・難民議定書上の難民及び出入国管理法で規定する難民には該当しないことに留意する必要がある。


 国連加盟国だからといって、必ずしも此の「難民条約」を受け入れて、「難民の地位に関する議定書」の批准を強制されるものでは無いが、現実には条約を締結し、議定書を批准することは、様々な圧力で強要されるので、国際舞台で日本が様々の分野で活動しなければならないことからすれば、実質我が日本は議定書まで批准することが強制されたものであった。

 次回は、認定難民と認めた後の様々な自国に対する負担や自国民の生活や民族的信条等々に此の難民条約に因る国内での悪影響や重篤な障害について縷縷説明して行き、強いては表題に掲げたように此の条約と議定書を廃止し、此れに代わる認定難民制度の新たなる構築を如何目指すべきかを解いて行く積もりである。

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