【ネット「炎上」を人間の「本能的制裁欲求」が暴走と片付けるのは余りに短絡である。】

　ネット上に【熊本地震に「不謹慎叩き」が蔓延する真の理由 人間の「本能的制裁欲求」が暴走を始めた 】東洋経済オンライン岡本純子　
"http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%86%8A%E6%9C%AC%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AB%EF%BD%A2%E4%B8%8D%E8%AC%B9%E6%85%8E%E5%8F%A9%E3%81%8D%EF%BD%A3%E3%81%8C%E8%94%93%E5%BB%B6%E3%81%99%E3%82%8B%E7%9C%9F%E3%81%AE%E7%90%86%E7%94%B1-%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%EF%BD%A2%E6%9C%AC%E8%83%BD%E7%9A%84%E5%88%B6%E8%A3%81%E6%AC%B2%E6%B1%82%EF%BD%A3%E3%81%8C%E6%9A%B4%E8%B5%B0%E3%82%92%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%9F/ar-BBsoOb6?ocid=iehp#page=1"

という投稿記事が載っていた。此の記事は冒頭から、

　熊本地震後、「不謹慎」をめぐる炎上事案が相次いでいる。タレントの発言が不適切だ、売名行為だ、と批判し、「自粛」を求める人々がいる一方で、そうした「言葉狩り」に違和感を覚える人々もいる。こうも毎日、自分の主張を声高に叫び、誰かをやり玉にあげる風潮ばかりを見聞きすると、こんな疑問がわいてくる。「日本人は劣化したのか」と。
　中略
　そもそも、生物学的にみれば、自分に利害のないことで、他者に怒りを覚えるという行動はチンパンジーなどにも見られない人間特有のもので、生後8カ月の赤ん坊にさえ、そうした行為は出現するという。また、脳科学的に見ると、人は悪事をしたとみなす誰かを罰するときに、快感を覚える生物らしい。以下略

　という様な文面が長々と続く。此の岡本純子とか言う叔母さんの現状把握力と分析力の痴劣さには呆れるばかりである。と言うのは、ネットでの「不謹慎叩き」の蔓延は今始まったことでは無く、此の事を熊本地震に結び付けることは、恰も地震の被災者が鬱憤晴ししているかの様な印象を植え付け、被災者を侮辱していることの様に受け取れる。

　二昔も前だったら、最近頻発する酷い不祥事に対する擁護論等出ようものなら、態々ネットで大騒ぎし無くとも、其れこそ其の人物の社会的評価は地に落ちたものだし、無論、不祥事を起こした人物も活躍していた分野から排除された。

　人間は社会を造って生きている。社会にはルールが必要である。此のルールは社会を構成する人達の共通の価値観から造られる。社会の構成員の様々な価値観が同じものが多ければ多い程、社会のルールは道徳や倫理という形で具現され、態々法律でルールを造る迄も無く成る。我は最近のネットでの「不謹慎叩き」は、「社会が共通の価値観を持て無く成った苛立ち」と解して居る。

　昨今、矢鱈社会に多様性を求める意見が横行しているが、社会のルールの基本でもある道徳観や倫理観の多様性は社会を劣化させ、最悪、社会の崩壊に繋がる。プライベートと思われる不祥事も単なる私事と片付ける訳には行か無いのである。野放図に不祥事を赦して仕舞えば、道徳観や倫理観も崩れて仕舞うのであり、社会に生きるものとして見逃すことは出来無い危機感を持つのは当然であり、寧ろ、社会人として健全なものなのである。