台湾偏愛日記~台湾の団地に行きたい~

台湾の団地マニア・tamazoの台湾見聞記。眷村と日式建築と市場と台湾の店の整然としたごっちゃり感が大好きです。

台北の台湾大学は日式建築の宝庫!

2020-11-10 07:13:37 | 日本統治時代の洋風建築(近代建築)

台湾大学は、1945年に設立された台湾最難関・最大の大学で、これまで台湾の総統を4人輩出している名門大学です。
前身は1928年の日本統治時代に設立された台北帝国大学。旧帝国大学なので、東大とは兄弟です。

台湾大学の中には日本統治時代の建物が多く残り近代建築好きは必見です。
現代建築としては2013年に完成した伊東豊雄が設計した社会科学部棟が、いまだに多くの見学者を集めています。


■椰子の木ロード(椰林大道/イエリンダーダオ)
正門から図書館までを一直線につなぐヤシの木の並木道。
台湾らしい景観に椰子が欠かせないと考え、椰子の実でけがをしないように、わざわざ実のならない椰子を開発して植えたそう。

■台湾大学文学院
竣工:1929(昭和4)年
設計:井出 薫(総督府官房営繕課)

旧台北帝国大学の校舎群に共通した様式の建物。3つのアーチ型開口部を持つ大型の車寄せのある玄関ポーチを中心に左右対称に両翼を張る重厚な建物。外壁は石積みの腰に、正門と同じ淡褐色の?哩岸石(きりがんせき)という台湾台北市北投区で採取された火成岩のタイルを貼っています。
内部は広々としたホールは前面褐色のタイル貼りの床に2階までの吹き抜け。2階に上がると吹き抜けを取り巻く回廊は8本のイオニア式柱で支えられた優美な空間です。設計は再び井出薫。市定古蹟の鉄骨鉄筋コンクリート造り、2階建て。

■台湾大学小小福
 旧台北帝国大学農林専門部化学教室
竣工:昭和初期
設計:不明

行政大楼の裏の大きな瓦葺きの寄棟屋根を張り出した亭仔脚式の建物。農林専門部化学教室だった建物で、現在は”小小福(しゃおしゃおふー)”と呼ばれています。台湾で購買部のことを”福利社”と呼びますが、”福利社”の中でも比較的小さい規模ということで、こういう命名がなされたのだろうという情報がネット上にありました。

■台湾大学行政大楼
 旧台北帝国大学理農学部・農林専門部本館
竣工:1928(昭和3)年
設計:総督府官房営繕課
キャンパス入口から奥に進んだ右手にある、台湾大学の事務所です。設立当時に建てられた一連の総督府官房営繕課の設計による建物の中でも赤煉瓦の建物として貴重なものです。現在は行政大楼という大学本部になっています。
屋根は黒い瓦ぶき、外壁は白い腰部の上に赤煉瓦。正面中央は張り出していて、2階まで届くイオニア式の大きな列柱が左右に2本ずつ対称に配されています。少し引っ込んだ形の左右の部分の1階はアーチ窓が並びます。市定古蹟の鉄筋コンクリート、煉瓦造り、2階建て。

■磯永吉小屋(台大旧高等農林学校作業室)
開放時間:水土日,9:30-12:00,14:00-16:30
竣工:1925年
「台湾蓬莱米の父」と呼ばれる故・磯永吉(いそ・えいきち:1886-1972年)氏の研究室があったことから、このように呼ばれています。蓬莱米はご飯としてだけでなく、我々の大好きなものの原料としても使われています。台湾の国民的ビールといえばもちろん「台湾ビール」。この台湾ビールにも蓬莱米が使われており、原料に「蓬莱米」と明記されています。
老朽化が進む中、台湾大学の卒業生らが、修繕に協力したいと70万台湾元(約258万日本円)の寄付を行いました。

■椰林小舖(台北帝国大学側門守衛室)
竣工:1929年(昭和4)年
元は台北帝国大学の守衛室だった建物を改装して台湾大学ブランドのグッズを売る店舗としています。
Colazという会社が台湾大学のライセンスを受けてデザインした商品を扱っています。ロゴ入り衣料品のほか、バッグ、マグカップ、文具などなど、小さな店内に色んなグッズが並んでいるほか、店内ではコーヒーも販売しています。

■社会科学部棟
竣工:2013年
設計:伊東豊雄

建物は平屋の図書館棟と、八層の教室棟で構成されています。図書館の屋上は、隣の誰でも入れる建物から見下ろせます。図書館自体もパスポートを示せば入れるようです。

大学構内は誰にでも開かれていていつでも行けるので、散策やランチ、建物観察、変わったお土産探しもできます。校内が広くて一回りするだけでもかなり時間がかかるので、余裕をもってお出かけください。



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