意思による楽観のための読書日記

脳男 首藤瓜於 ***

中部地方の愛宕町で起こった連続爆破事件、4回にも及び、死傷者も多数。現場の指揮をとる190cmの警察官茶屋は、緑川という男に絞って監視体制を続けていた。そして突き止めた爆弾製造工場である倉庫に踏み込む。そこにいたのはもみ合う二人の姿。緑川と、彼と格闘していた男に遭遇。緑川には逃げられてしまったが、相手の男鈴木一郎を捕らえることに成功。 鈴木一郎は、新たな爆弾の設置場所を供述し、そこで警察は爆弾を発見する。しかし、市内で小さな新聞社を経営していた鈴木の戸籍は他人のもの、過去の経歴が不明、茶屋は鈴木が緑川を助けたとしか思えなかった。半年の拘留の後、鈴木一郎は、精神鑑定を受ける。その鑑定を請け負ったのが愛宕医療センターの精神科医鷲谷真梨子。彼は一体何ものなのか。鈴木は感情が無く、言葉を論理的に理解する力のみで生きている男であること、また、感情が無いハンディキャップを埋める特殊な能力を持っていることがわかる。茶屋刑事と鷲谷は、鈴木の過去を調べ始める。そして彼の過去を知る一端を求めて東京へ行く真理子。すぐれた認識力を持っているのに、指示を外から与えなければ、行動を起こさないでコンピュータか、ロボットに似た存在だった。こんな男が、いかに自我を確立させて、生きるようになったのか。精神科医藍澤に話を聞き、追い立てられるように、山に登り、登山家の伊能に会いに行く。感情表出障害、しかしもしそうであれば、現在の彼が、普通に見えて普通以上の筋肉と反射神経と言語を持ったのはなぜなのか。後半では、緑川と、茶屋、鷲谷、鈴木が闘うことになる。それにより、鈴木は超人的な能力を発揮する。非常に興味深くおもしろい題材、続編も出ているのでそちらにも期待したい。
脳男 (講談社文庫)

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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