誰が松浦の息子なのか、駒井は殺人犯なのかなどがストーリーの柱だが、茜沢が幸恵のルーツを探るプロセスで知り合う人物達が暖かく、これがストーリーを包んでいた作者の人の良さを示していると感じる。「天空への回廊」「太平洋の薔薇」に比べるとスケールは小さいが、親子の絆を描いた本作品は、作者のもう一つのストーリーテラーとしての才能を示す。読後の印象は悪くない。
時の渚 (文春文庫)
未踏峰
駐在刑事 (講談社文庫)
不正侵入 (光文社文庫)
太平洋の薔薇 (上) (光文社文庫)
太平洋の薔薇 (下) (光文社文庫)
還るべき場所
フォックス・ストーン (文春文庫)
![](http://image.with2.net/img/banner/c/banner_1/br_c_2308_1.gif)