上海に暮らす中国経済専門家呉軍華さんが示す、今の中国の課題は次の通りである。
1. 投資・外需依存から消費主導への転換が必要であり、官有経済からの離脱が不可欠となる。中国は確かに豊かになったが、官に関係する人ばかりが豊かになっている。これは国有企業が川上産業を占めていて、そこに集中的に財政出動し、川下産業は競争市場としているためである。結果として家計部門には富の配分が行われず、消費は増えず外需頼りになってしまっている。
2. 疾走型経済から安定成長経済への移行が必要である。8%という成長をずっと続けることはできない。第三次産業を育成して雇用の創出をしていくことが重要になる。
中国が持つリスクよりも、中国と取引しないリスクが大きいので、進出するという決断をする日本企業、これからも同床異夢の摩擦は続くのだろう。
中国 大国の虚実 (日経ビジネス人文庫)
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