京都の高等学校の現役社会科の先生たちが共同執筆した京都案内、歴史視点での京都案内で面白く読めます。京都案内というと、嵐山、清水寺、金閣寺などの観光地案内とグルメや旅館案内、お祭りやマーケットのイベント案内というのが定番、歴史を看板に据えての案内は千年の都らしいといえます。僕が面白かったのは「巨椋池」、京都の南に昔あった巨大な池を1932年に干拓、今は住宅地や高速道路が走ります。地名には向島、中書島などという駅名や西浦、蓮池などの地名にも残ります。木幡(こわた)や大和田も「ワタ」という入り江を表す言葉からきているとは中学生の時に習ったこと、思い出されます。今元気で面白い京都の古本屋さんの紹介もユニーク、東京では神田の古本屋街ですが、京都にも京大の周辺から三条河原町までたくさんあるということ、この不況の時代を経ても河原町近辺の古本屋さんは一軒も廃業していないことなどを紹介しています。京都の町とその周辺の面白さを歴史を切り口にほじくり返してやろうという社会科の先生たちの熱意がほとばしっています。京都好きには是非におすすめしたい逸品です。 京都に強くなる75章 読書日記 ブログランキングへ