中国人が大好きになった著者の中国旅行記。中国南部の日本人旅行者はあまり行かないと思われるようなベトナム国境の町、東興、ベトナムに中国人と一緒に不法入国してみる。普通の日本人ならやらないこと、著者は肩肘張らずに、しかし緊張感をもってやってしまう。台湾の対岸の町、廈門や平潭では地元のタクシー運転手と仲良くなり、寧波では食堂のおばさんと仲良くなる。仲良くなるきっかけは何気ない出会いだが、相手の中国の人が、日本人の旅行者に気さくに話しかけてきてコミュニケーションが始まる。この始まりは相当程度に中国人側の積極性が関与していて、日本ではこうはならない。中国人の狡猾さや、気が抜けない盗人がいることと同時に、底抜けに人が良い人たちがいる、これが著者が中国人が大好きになった理由だ。 この本を読むと、読者も中国人が好きになってしまう。バイタリティ、という言葉がぴったりな星野博美さんである。 謝々(シエシエ)!チャイニーズ (文春文庫) 読書日記 ブログランキングへ