日本語で気の利いた言い回し。「猿も木から落ちる」、英語ならNobody is perfect、日本語のほうがずっと分かりやすいし気が利いている。「猫に小判」、単語三つで的確に意味を伝えている。独創的な言い回し、「全米が泣いた」、安っぽいアメリカ製映画の宣伝文句のようであり、これを皮肉にも使える。
日本語で外国人に伝わりにくい言い回し、「今度来てね」。「今度=this time?」、今度というのは次の回にはということはなかなか分かりにくいという。それじゃあ今週は次の週という意味かと聞き直したくもなる。
日本語にしか見られないという、母音一文字の単語。「鵜の胃と尾の絵」、少し変な文章ではあるが意味は分かる。「u no i to o no e」英語なら35文字も必要なのが十文字で書ける。「ペラペラ」「イライラ」「パチパチ」などは、国宝級の素晴らしい表現ではあるが、日本語学習者にとってはきちんと意味を学ばない限りそれが理解できない擬声語、擬態語である。
筆者お気に入りの日本語表現、ベストスリー。第三位「勝負パンツ」第二位「上目遣い」第一位「おニュー」。なぜそう思ったのはは本を本で見てほしい。
日本以外では見られない光景、山手線で爆睡するサラリーマン、新聞を縦に四つ折りにして隣の人に迷惑にならないように読んでいる人、居酒屋のトイレにある異様に深い洗面台、公園の木陰でアイドリングして寝ているタクシー運転手、プールで強制的に休憩させられる時間、ハチ公前で待ち合わせする人たち、スーパーの陳列棚を見ている自分の前を手刀を切りながら頭を下げ下げして通り過ぎる他人、公衆トイレでハンカチを口にくわえ手洗い後手についたしずくを二回振って水を切るサラリーマン、アパートのベランダでの布団干しとパンパンという布団たたき、電車で前の席が空いて二人つれが席を譲り合い座った方は立っている人の荷物を持ってあげる、こういう小さなことが日本以外では決して目にしない日本らしい風景であると。
1990年代以降の20年を「失われた20年」というのは、ビールとサッカーに関しては真逆である。自由化されたビールはバリエーションを増し、発足したJリーグをベースに実力を向上させたサッカー、いずれも世界に誇っていい。
2006年発刊の書であるが決して古びてはいない。英語版、続編、アメリカ社会版、イギリス社会版もある。
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