☆♪☆ 鉄のみゅーじしゃん ☆♪☆

作編曲家・ギタリスト塩塚博のブログ。
近年は駅メロディの作曲で知られています。

久保田早紀さんの"blu-spec"CD

2013年07月10日 00時58分57秒 | 好きなアーティスト
今日は久しぶりに、「あの人」に関する話題です。

久米さゆりさん。

最近僕のブログを見始めた人もいらっしゃることと思うので、少しだけ解説。
シンガーソングライター「久保田早紀」として1979-1984年活躍、アルバム7作を発表。
「異邦人」は今なお歌い継がれる名曲です。
84年末に久保田早紀を引退し、翌年キーボード奏者・作編曲家の久米大作さんと結婚。
現在は「久米さゆり」の名前で教会音楽家・ゴスペルシンガーとして活躍されています。
僕は、1986年、まず久米大作さんと知り合い、その後「うちのカミさん」と紹介していただき、
それ以来の古いつきあいの友人夫妻であり、お世話になった恩人です。



さてその久保田早紀さんのファーストアルバム「夢がたり」(1979年)とセカンドアルバム「天界」(1980年)が今年、"blu-spec"CDという高品質CDとして再発されました。
現在世の中に出回っている早紀さんのCDは、1991年に「CD選書シリーズ」で出たものと、2007年にリマスターして紙ジャケで出たもの。後者は生産数が少なくて廃盤状態です。
今回は2007年のリマスターの"blu-spec"CD化です。
はたしてどんな音が飛び出してくるのか!?
購入して聴いてみました。



91年のものと比べると、今ふうのマスターになっており、全体のボリュームが上がり、リミッターのかかった、音圧感のあるサウンド。
音の透明感、繊細さが向上しているようですが、ボリュームの強弱(ダイナミクス)が少し平坦になりました。
アナログレコードの音に近かったのは、間違いなく91年の方です。
ただ、今回のリマスターのサウンドにも魅力があり、優劣がつけられるものではありません。

最初は、91年のものとどう違うのか、そのポイントを探しながら聴いていましたが、途中からはもうどうでもよくなりました。
久保田早紀という、今や幻のアーティストが残した不朽の名作を、改めてじっっっくり、楽しむことができて、よかったです。

早紀さんの初期の作品に出てくるキーワードは、
旅、異国、宇宙、時空(過去・未来)、生と死、といった、普通のニューミュージックには出てこないような世界観が多く、
曲も素晴らしいけれど詞の世界もユニークです。
あ、もちろん恋愛も大きなテーマですが。

ファーストの「夢がたり」は、序曲から終曲までがひとつの映画のサントラのように連なり、ストーリーを織り成す、トータルアルバム。そう、夢の、物語です。
アルバムのラスト2曲の「ナルシス」「星空の少年」は、切ないけれどロマンチックな素晴らしいエンディング。涙をこらえることは、もう不可能です。
セカンドの「天界」は、異邦人の路線を強化して、異国や宇宙や未来へと発展した詞の世界と、
胸を揺さぶり琴線をかきむしる、哀愁をたたえたメロディが素敵。
2枚のアルバム、90分の間、早紀ワールドに浸り、えもいえぬ感激に震えてしまった、私でした。

久米さゆりさんは、今も音楽活動を主に教会で続けており、もちろん作詞作曲も手がけています。
久米名義のアルバムも3枚発表しています。
「くめさゆり」名義のアルバム「天使のパン」のレビュー記事を2012年3/12に書いていますので、よかったらご参照下さい。
久保田早紀の時とは歌のテーマが変わり、神=キリスト、や、世界の人たちへの大きな愛を、やさしく歌うさゆりさんも、とても素敵で、癒されます。

・・だけど、久保田早紀の作品も、やっぱり、不滅。
今日は、それを確認できた一日でした。
コメント (3)
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