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朝鮮人への差別 いまも

2024年07月22日 16時28分38秒 | 一言
 話題を集めているNHKの朝ドラ「虎に翼」では、女性への差別をはじめ、さまざまな形の差別の問題が描かれています。注目される登場人物の一人が崔香淑(チェ・ヒャンスク)。主人公の寅子が大学で法律を学んだときの同期生です。
 朝鮮から留学していた香淑は、兄が思想犯の疑いをかけられたことで、弁護士の夢をあきらめて朝鮮に帰ります。かの地で、のちに寅子の同僚となる汐見圭と知り合って結婚し、再び日本に渡ります。そのときから汐見香子と名乗っています。
香淑はなぜ名前を変えなければならなかったのでしょうか。子どもを産んだ彼女は寅子にいいます。「崔香淑は捨てたの。娘のために」。背景に朝鮮人への差別がうかがえます。当時の日本で朝鮮人として生きることはどんなに大変なことなのかと。
 差別はいまも続いています。戦前の侵略と植民地支配のなかで醸成されてきた偏見も拭い取られないまま、朝鮮学校が「高校無償化」から除外され、自治体による補助金も各地で打ち切り・停止になるなど新たな差別も。ヘイトスピーチやSNSでの暴言は目に余るものがあります。
 日本政府は「徴用工」や日本軍「慰安婦」の問題など過去の加害の事実に向き合おうとしていません。被害者にきちんとした謝罪や補償をしない姿勢が、差別を許す土壌を広げています。
 歴史の事実を受け止め、差別によって人間の尊厳を奪ってきたことへの反省を示すことこそが、この国が「国際社会において、名誉ある地位」を占める第一歩になるでしょう。