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半導体企業ラピダスに税金投入

2025年02月19日 15時54分55秒 | 一言

軍事転用 危険な思惑

政官一体で米国の“歯車”に

衆院予算委 辰巳議員の追及

 半導体メーカー・ラピダスへの税金投入―政府は、過去に半導体メーカーへの公的資金投入で多額の国民負担をもたらした失敗に責任をとらないまま、かつてない規模の支援に突き進んでいます。背景には、ラピダスが作った半導体を米軍の兵器に利用したい米国の意向があるのでは―。衆院予算委員会での日本共産党の辰巳孝太郎議員の追及(14日)で、政府の危険な思惑が浮かび上がりました。


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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=14日、衆院予算委

 政府はすでに、ラピダスに最大9200億円の支援を決定。さらに2024年度補正予算で同社を念頭に1兆円、25年度予算案では出資のために1000億円を計上しています。1企業に対して2兆円規模の国民の血税を投入する異常事態です。これだけで中小企業対策費1695億円(25年度予算案)の12倍近くになります。しかも、本格稼働までに5兆円もの資金が必要とされています。武藤容治経済産業相は「1社に対して兆円規模の補助金を措置した事業はない」と認めました。

責任とらず

 かつて、半導体メーカー・エルピーダメモリは、政府主導で400億円の公的資金を投じられながら12年に経営破綻。約277億円が国民負担となりました。辰巳氏が「誰がどのような責任をとったのか」と追及すると、武藤経産相は「責任をとったことはない」と答弁。委員室にどよめきが起きました。

 辰巳氏は「巨額の国民負担を生んでおきながら誰も責任をとらないまま、また特定企業に公的資金投入を進めている。際限なく国費投入を続けることでモラルハザードが拡大し、エルピーダメモリの二の舞いになりかねない」と批判しました。

 ラピダスへの「国費投入」「日米連携」の方向性を決めてきた経産省の「戦略検討会議」の座長は同社の東哲郎(ひがし・てつろう)会長が21年から務め、同社の特別参与には元経済産業事務次官の嶋田隆氏が就任していると辰巳氏は指摘。「公共政策をゆがめる利益誘導や、大企業と政府の癒着がまかり通ることは絶対にあってはならない」と強調しました。

武器爆買い

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(写真)建設中のラピダス千歳工場=10日、北海道千歳市

 「なぜ政府はラピダスにこれほど巨額の支援をしようとするのか」―。辰巳氏は、米国防総省「2021年次産業能力報告書」の「国防総省の調達慣行」という項目で、「国防総省の発注する電子機器は、携帯電話通信などの商用のものと比較して生産量が少なく、企業は国防総省向けに生産する意欲を失っている」としていることを示し、軍用半導体は「利益が出ないということだ」と強調しました。

 さらに、同報告書では、米軍兵器に使用される最先端半導体のサプライチェーンの台湾依存を危険視し、日本との共同製造について言及していることも提示。そのうえで、22年10月に経産省幹部が米国防総省と行った懇談で「ラピダスが作る半導体の軍事利用について話したのではないか」と迫りました。

 武藤経産相は「半導体政策全般について意見交換を行う一環として国防総省も訪問した」と答弁。これに対し辰巳氏は、米国防総省・半導体政策責任者のデフ・シェノイ氏との会談を終えた経産省の情報産業課長が「日本の歯車をむしろアメリカは待っている。『早くはまりに来いと』。われわれとしてはしっかりぴしっとはめていく」と発言した事実を突きつけました。

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(写真)防衛省が開発している極超音速ミサイルの模型

 さらに辰巳氏は、東会長が23年の講演で「重要な部分は何かというと、国防の領域」「そういう半導体を、まずはアメリカに届ける」と発言するなど、ラピダス幹部自身が米兵器への利用を語っていることを告発。「米国防総省の思惑に『ぴしっとはめていく』という経産省の方針と符合している」と強調しました。

 23年6月に経産省が作成した「半導体・デジタル産業戦略」には、「極超音速、地対地ミサイル、空対地ミサイルへの適用。高速移動可能な軍用偵察機」と、軍事利用に関する文言が躍っています。

 辰巳氏は「米国防総省の発注する『発注量が少なく利益の出ない』軍用半導体の納入をラピダスが担わされ、赤字で破綻したら日本国民の負担。ラピダスが作った半導体が組み込まれた米国のミサイルを日本が爆買いする構図になる」と警告しました。

日米同盟絶対 大企業の利益優先

根本に「二つのゆがみ」

 半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との、中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料で、これらを用いた集積回路も慣用的に“半導体”と呼ばれています。電子機器や装置の頭脳部分としての役割を果たしています。通信機器、家電、自動車、航空機などさまざまな分野で使用されています。

 重大なのは、半導体が兵器開発でも不可欠となっていることです。米国は中国に対抗して最先端の兵器を大量生産するため、「経済安全保障」と称して、同盟国を巻き込んでの半導体の生産体制構築を打ち出しています。日本政府はこれに呼応して、ラピダスや台湾の半導体企業TSMC(台湾積体電路製造)熊本工場(同県菊陽町)といった半導体企業に巨額の国費を投入しているのです。

 7日の日米首脳会談で発表された共同声明でも、「…先端半導体といった重要技術開発」で「(中国による)経済的威圧への対抗」を明記しています。

 半導体企業への巨額支援の根本にあるのは、「日米同盟絶対」「大企業の利益優先」という日本政治の二つのゆがみです。



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