購入土地の用途、多摩市に伝達
市長要請「解体・建築一切行わないで」
東京都多摩市で統一協会(世界平和統一家庭連合)が土地を購入していた問題で、統一協会が市に「400人が宿泊できる研修施設を建設したい」と伝えたことが21日、分かりました。阿部裕行市長が同日、都庁で会見し明らかにしました。市長はこの日、自身が渋谷区の統一協会本部を訪れ、現在ある建物の解体や建築など「一切の行為」をしないよう申し入れたと語りました。
東京
6300平方メートルある問題の土地には現在、前所有者の食品卸会社が使っていた物流倉庫が立っています。前所有者が土地取引に先立って市に届けた文書には「研修施設として利用」と書かれていましたが、統一協会から具体的な説明があったのは初めてといいます。
市長によると20日、協会関係者が市を訪れ、26日から倉庫の解体工事を始める意向を伝えました。この際、新たな建物について「延べ床面積9000平方メートル、鉄筋5~6階建て」と説明。800人規模のホールも含むといいます。
市長が21日午前に統一協会に提出した田中富広代表役員宛ての申し入れ書は、協会の市内進出に「隣接する学校法人や市民から、不安の声が日々寄せられている」と指摘。国が宗教法人法に基づく質問権を繰り返し行使していることを挙げ、「少なくとも協会に対して同法に基づく解散命令がなされないことが確定するまでの間」、「解体や建築など一切の行為」を行わないよう求めています。
市長によると協会側は、「解体工事を1週間延期して7月3日から始める」意向を示しました。市長が申し入れの趣旨を説明したところ「上に伝える」と回答したといいます。
会見で市長は「先日の市議会では、一人会派を除くすべての会派から、統一協会の市内進出への懸念の声が上がった。反対する市民団体も結成された。拠点化に反対するのは市民の総意と受け止めている」と発言。市として工事を止める法的根拠はないとしつつ、統一協会に「真摯(しんし)に受け止め、踏みとどまっていただきたい」と求めました。
国にも、解散命令請求について「一日も早く結果を示してほしい」と述べました。
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