色鮮やかな折り鶴の周りに人びとが集います。家族連れや学生、外国人の姿も。戦争の悲しみのない世を希求しながら。
広島の平和記念公園にたつ「原爆の子の像」。モデルとなった佐々木禎子さんのことを将来に語り継ぐための後継者づくりが始まっています。これまで同級生だった川野登美子さんらが中心となってきた証言活動。語り部の育成には被爆の風化と後退する平和教育への危機感があります。
いま平和記念資料館では「被爆体験伝承講話」が毎日開かれています。被爆者の体験や被爆の実相、そして自身の平和への思いを伝承者としてわかりやすく説き聞かせます。
被爆者が高齢化していくことから広島市が養成、2015年から活動を開始しました。いまでは20代をふくめ200人ほどが伝承者に。その数は年々増えているといいます。
一方で平和教育を教育の原点としてきた広島市の教材から「はだしのゲン」が消されました。理由や経緯は不明瞭ですが、「日本会議」や自民党の議員が参加する団体から削除を求める声が上がっていました。これには現場の教員や被爆者団体から批判が相次いでいます。なんのための平和教育かと。
ロシアが再三、核兵器を使うと脅し、米国では映画をめぐって原爆をやゆする画像がSNSで拡散。核なき世界の歩みに逆行する動きがあるなか、きょう78回目の8月6日をむかえます。伝承者は呼びかけます。「次の世代によりよい世界を渡さなければ。私たちの活動は平和への種まきなんです」
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