青く染まった舌を、見せ合う若者たち。「オーバードーズ=OD」といわれる、市販薬の過剰摂取によって表れる現象です。いま若年層にひろがり、社会問題となっています。
乱用されているのは一般的なせき止めやかぜ薬に鎮痛剤。それを一度に大量に飲むことで、気持ちが落ち着いたり、高揚したりするといいます。しかし意識や内臓に障害が起きて、命にかかわる危険も。くり返すうちに依存状態にもなりやすい。
背景にあるのは、家庭での虐待、学校や職場になじめないといった生きづらさ。多くが自分では解決できない痛みを抱えています。つらい気持ちを和らげたい、現実から逃れるための手段として。
「一人ひとりに寄り添った支援と、回復できるというメッセージを届けることが大事」。この問題を都議会でとりあげた共産党の原のり子都議は、若者たちが安心して相談できる環境の整備を訴えました。自己責任的な見方を変え、いまを生きる若者の苦しさと向き合う施策をと。
依存の先はODだけではありません。ギャンブルやアルコール、オンラインゲーム…。のめり込んでいく若者の多くが生きづらさを抱え、居場所を探しています。そこには貧困や格差、人間不信や将来に展望がもてない社会のありようがかかわっています。
きょうは、みずから生き抜こうとする若者たちを祝い、励ます成人の日です。何かに依存せず、自立を助け、だれもが大切にされる社会。生きる希望がわいてくる国をつくる。世代をこえ手を携えて。
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