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道路の陥没事故

2025年02月13日 13時04分25秒 | 一言

大型開発優先の抜本的転換を

 埼玉県八潮市の県道陥没事故は、インフラの老朽化がもたらす危険や住民への影響の大きさを見せつけています。運用から42年になる下水道管の腐食によるとみられ、穴に転落したトラックの運転手はいまだ行方不明です。

 下水道に起因する道路陥没は2022年度に約2600件起きています。下水道管の標準耐用年数は50年とされ、腐食のおそれが大きい箇所は政令で5年に1回以上の点検が求められています。この下水道管は21年度の点検では「直ちに工事は必要ない」との判定でした。点検の期間・方法の見直しを含め、老朽インフラへの対策が急務です。

■加速化する老朽化

 高度経済成長期以降に整備されたインフラの老朽化が急激に進んでいます。50年を経過した下水道管の割合は42年に40%になり、橋の75%、トンネルの53%が40年までに建設後50年以上になります。

 12年の中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故を受け政府は13年に「インフラ長寿命化基本計画」を策定し、現在は25年度を期限に第2次計画が進められています。

 しかし、国交省自身、「地方公共団体管理のものを中心に早期に修繕が必要なインフラが多数存在したまま」と認めています。下水道は地方自治体管理で、21年度から23年度の点検で「速やかに措置が必要」と判定されたうち、24年3月末までに対策が完了したのは44%にとどまります。

■自治体任せ改めよ

 水道事業は独立採算制が原則とされます。しかし、自治体の予算と技術系職員の不足で、この原則の維持が困難になっています。水道職員数は1995年に6万2千人いましたが、22年には3万9千人にまで激減。自治体リストラとともに、行政が担ってきた業務を民間に開放する規制緩和が現場の技術力を低下させる原因となっています。必要な技術者を国の責任で確保することが不可欠です。

 能登半島地震を受け、水道の耐震化も課題となりました。ところが、政府の24年度補正予算に盛り込まれた補助制度は、水道料金値上げを誘導する仕組みになっています。住民負担増とセットのやり方は改めるべきです。

 自公政権は競争力・産業インフラ機能強化などとして不要不急の大型開発に巨額の予算を投入しています。

 整備新幹線、高速道、空港建設が進められ、東京外環道(関越―東名)の建設費は20年には約2兆4千億円に膨張。国際コンテナ戦略港湾整備では24年1月までに1兆円近くが投入されています。

 国民の安全・安心のため大規模開発・新規建設優先からインフラの維持・更新、防災・減災優先に根本的に切り替えることが不可欠です。

 特に国は自治体任せを改め、抜本的な支援策を打ち出すべきです。▽点検を繰り返し行うため市町村の点検費用などを国が全額補助する▽国の「防災・安全交付金」を増額し地方の要求額に100%応える▽市町村の単独事業となっているインフラの維持管理費を補助対象に拡充―などで財政難による必要な修繕の「先送り」が起きないようにすることが求められています。


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