Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

MIAを逆転勝ちさせたFitzpatrick、「子供7人の誕生州が異なる説」は本当か(追記あり)

2020年12月31日 10時15分33秒 | NFL 2020
Week16のMIA@LVは4Qの残り4分を切ってから、リードするチームが3回入れ替わるというまれにみる試合となりました。
 
MIAを勝利に導いたのは、4Qの残り19秒、自陣25ヤードからRyan FitzpatrickがMack Hollinsに投げた執念のパスでした。このプレイが34ヤードのゲインとなっただけでなく、LVのDE Arden KeyのRoughing the Passerを誘発し、MIAはLV陣内26ヤードに進みました。
 
Fitzpatrickがどういう体制でパスを投げたかは、下の動画をご覧ください。あんな体制でもパスが投げられるものなんですね。
 
 
その後、1回のパス失敗を挟んでFGを決めたMIAが26対25で勝利を手にし、Playoff圏内に踏みとどまりました。新たなFitzpatrick伝説がMIAファンの心に焼き付けられたようで、試合直後からTwitterには#Fitzpatrickや#Fitzmagicのタグが付いたTweetが乱舞しています。
 
ということで、このブログで何度か取り上げてきたFitzpatrickについて、久しぶりに記事を書くことにしました。過去の経緯は以下の記事をご覧ください。別にファンというわけではないのですが。
上の2つの記事に書いた後のFitzpatrickの戦歴を下の表にまとめました。TBでJamis Winstonの控えとして2シーズン過ごした後、Fitzpatrickは2019年シーズンにMIAに移籍しました。ここではJosh Rosenと先発QBの座を争い、開幕戦こそ先発したものの、3試合目からRosenと交代。しかし5試合目の途中にRosenをリリーフしたFitzpatrickが、残りの試合で先発しました。
 
Year Tm G GS QBrec Yds TD Int Rate 年齢から推定
した誕生年
書籍などで確
定した誕生年
2005 STL 4 3 0-3-0 777 4 8 58.2 Harvard大卒業
2006 STL 1 0   0 0 0   結婚
2007 CIN 1 0   0 0 0     Brady誕生
2008 CIN 13 12 4-7-1 1905 8 9 70.0 Brady(12)  
2009 BUF 10 8 4-4-0 1422 9 10 69.7   Tate誕生
2010 BUF 13 13 4-9-0 3000 23 15 81.8 Tate(10)  
2011 BUF 16 16 6-10-0 3832 24 23 79.1   Lucy誕生
2012 BUF 16 16 6-10-0 3400 24 16 83.3 Lucy(8)  
2013 TEN 11 9 3-6-0 2454 14 12 82.0   Maizy誕生
2014 HOU 12 12 6-6-0 2483 17 8 95.3 Maizy(6)  
2015 NYJ 16 16 10-6-0 3905 31 15 88.0   Zoey誕生
2016 NYJ 14 11 3-8-0 2710 12 17 69.6 Zoey(4)  
2017 TB 6 3 2-1-0 1103 7 3 86.0   Ruby誕生?
2018 TB 8 7 2-5-0 2366 17 12 100.4 Ruby(2)  
2019 MIA 15 13 5-8-0 3529 20 13 85.5  Jake(1) Jake誕生
2020 MIA 9 7 4-3-0 2091 13 8 95.6    
    165 146 59-86-1 34977 223 169 82.3    
 
2020年シーズンは先発で開幕を迎えましたが、Week8からルーキーのTua Tagovailoaに先発を譲っています。ただTagovailoaの調子が上がらない試合などではQBを務めることがあり、Week16もまさにそんな状況でした。Fitzpatrickは4Qの途中から登板し、同点FGとなるドライブ→逆転TDを挙げるドライブ→再逆転となるFGを挙げたドライブを演出しました。
 
そんなFitzpatrickには、子供が7人います。そしてその子供が全て異なる州で生まれたという記事がネットで流れていました。別の記事では、Fitzpatrickがそれを肯定するコメントを残しているので、まあ間違いではないでしょう。
 
ただし記事には「Seven Kids Were Born in Different States」としか書いていないので、奥さんが夫の移籍先で子供を生んだかはどうか定かではありません(実家に帰って生むこともあるでしょうし)。そこで7人の子供を異なるFitzpatrickの移籍先で生むことが現実的に可能なのかを調べてみました(全てWebや書籍などに公開されている情報に基づいています)。
 
Fitzpatrickは2005年にSTL(現LAR)に入団後CIN→BUF→TEN→HOU→NYJ→TB→MIAと、都合8チームを渡り歩いてきました。STLでの2年は3試合にリリーフ出場しただけですが、CIN以降の7チームではTB時代を除き、1年以上はシーズン中にチームで最も先発をしたQB(つまりエースQB)となっています。
 
1つ目の記事には、子供の名前と記事掲載日(2020年9月4日、以下日付は省略)時点の年齢が公開されていました(Brady 12歳、Tate 10歳、Lucy 8歳、Maizy 6歳、 Zoey 4歳、 Ruby 2歳、Jake 1歳)。年齢だけなので生まれ月はわかりませんが、子供の年齢を上の表に当てはめるとこうなります(年齢から推定した誕生年)。最初のSTL以外の7チームに在籍しているときに子供が生まれたという仮説が成り立ちます。
 
最初はこれでよいのかと思いましたが、2020年9月に8歳のLucyは2011年9月から2012年9月の間に生まれた計算なので、必ずBUF生まれとなります。つまり上の仮説のままではTateとLucyは同じBUFで生まれになってしまいます。
 
これでは矛盾するのでさらにネットを調べると、子供の誕生年が書かれた書籍を見つけられました(「Quarterback: Inside the Most Important Position in the National Football League」)。それによるとBradは2007年生まれ、以下Tateは2009年、Lucy は2011年、Maizy は2013年、 Zoey は2015年生まれであることが分かりました。
さらに別の記事では一番下のJakeが2019年1月に生まれたことが明らかにされています(書籍などで確定した誕生年)。
 
とするとFitzpatrickがMIAと契約するのは2019年5月ですから、JakeはTampaBay生まれということになります。さらにここから推測するとRubyは2017年生まれ(2017年9月から2018年9月の間に生まれていたら2020年9月時点で2歳です)。つまり1年おきに7人の子供が生まれている可能性が高まりました。
 
こうした条件でFitzpatrickの在籍チームと子供の生まれ年を当てはめると、Brady(CINにトレードされたのは2007年9月なのでSTL在籍中に誕生)、Tate(BUFと契約したのは2009年2月なのでCIN在籍中に誕生)、Lucy(BUF在籍中に誕生)、Maizy(2013年5月のTEN契約後に誕生)、Zoey(NYJとは2015年5月に契約したのでHOU在籍中に誕生)、Ruby(TBとは2017年5月に契約したのでNYJ在籍中に誕生)、Jake(MIAとは2019年5月に契約したのでTB在籍中の2019年1月に誕生)となります。つまり7人の子供を夫の移籍先で産むことは可能なのでした。この仮説が正しいなら、現在在籍中のMIAでは子供が生まれていないことになります。
 
さて、1年おきに7人の子供を産んできたFitzpatrickの奥さん(Liza Barber)はどんな人かというと、Harvard大でサッカーで奨学金を受けていたバリバリのスポーツ選手でした。2004年にチームのキャプテンを務め、卒業する2005年にはディフェンスのチーフを務めていたという情報もあります。ネットを検索すると、2003年当時のLizaの写真がハーバード内の学内新聞のWebサイトで確認できます。
 
2人は2005年にHarvard大を卒業し、2006年に結婚したのですが、プロポーズ時のエピソードが伝わっています。詳しくは記事原文を見ていただけばよいのですが、かいつまんで言うと、Ryanが2人の共同口座で婚約指輪を買って、サプライズで渡そうと持ち歩いていた→セントルイスのショッピングモールの買い物をしていたとき、GAPの店員が誤ってその口座から2重引き落としをしてしまった→Lisaが店員に、家に帰ったら口座を確認するので問題ないと言っていた(つまり、家に帰ると共同口座をチェックされてしまう!)→サプライズにするには、その日に家に帰る前に指輪を渡さないといけない→その日の夕食のレストランを探したけど、指輪を渡されることなど予測していないLisaはMcDonaldで食事したいという→結局、チキンナゲットを食べながらMcDonaldでプロポーズとなったそうです。
 
Fitzpatrickは試合中でも結婚指輪を外さないという逸話も伝わっています。とっても愛妻家なのですね。これまでのペースを守るなら、2人の間に2021年に8人目の子供が生まれるかもしれませんが、現時点でLisaが妊娠しているかどうかは分かりませんでした。
 
最後に、2005年のNFLドラフトで指名されたQBについてまとめましょう。14人いますが、指名順と指名チームは下表のとおりです。まだMatt Casselは引退を表明していないようなので、4選手が現役となります(文字が赤い選手)。最上位の2人と最下位の2人が残っているというのも面白いですね。
 
14人のうちPro BowlerはAlex Smith、Aaron Rodgers、Derek Anderson、Casselの4人で、Fitzpatrickは16シーズン(実働14シーズン)のNFL生活でその栄誉に浴していません。
 
全体    
1 1 Alex Smith SF
1 24 Aaron Rodgers GB
1 25 Jason Campbell  WAS
3 67 Charlie Frye  CLE
3 69 Andrew Walter  OAK
3 85 David Greene  SEA
4 106 Kyle Orton  CHI
4 121 Stefan LeFors  CAR
5 145 Dan Orlovsky  DET
5 152 Adrian McPherson  NO
6 213 Derek Anderson BAL
7 229 James Kilian  KC
7 230 Matt Cassel NE
7 250 Ryan Fitzpatrick  STL
 
そしてFitzpatrickは14人の中で最もINTをされたQBのはずです。全選手を調べたわけではありませんが、出場試合数がFitzpatrickよりも多いSmithとRodgersを上回る169回を記録しています。それでも8チームを渡り歩き、必ず年に数試合は先発となり、若手のQBと先発の座を競い合うFitzpatrickは、稀有な存在と言えるでしょう。
 
まだまだ現役で通用するFitzpatrickは、2021年はどこのチームに行くのでしょう。MIAとは2年契約なので2020年シーズン終了をもって契約が切れます。Cam Newtonとの契約は1年で、Jarrett StidhamもBryan Hoyerも心もとないNEに在籍すれば、AFC東の4チームすべてに在籍したことになります。そういう可能性はありますが、2020年シーズンが終わってもいない現時点ではわかりません。
 

という記事を書いたばかりのRyan Fitzpatrickですが、日本が正月を迎えた直後に新型コロナウイルス陽性であると判明し、Week17の出場が絶望となってしまいました。MIAは先発QBをTagovailoaで予定していたようですが、Playoff出場がかかるMIA@BUFがどうなるか注目です(2021年1月1日11時55分追記)。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東 BUF バッファロー・ビルズ NFC東 DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・フットボール・チーム
AFC北 BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北 CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南 HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南 ATL アトランタ・ファルコンズ
IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西 DEN デンバー・ブロンコス NFC西 ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
LAC ロサンゼルス・チャージャース SF サンフランシスコ・49ers
LV ラスベガス・レイダース SEA シアトル・シーホークス

フッター

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CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
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IND インディアナポリス・コルツ CAR カロライナ・パンサーズ
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TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
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