レギュラーシーズンが終わった日は、本ブログにとっての大事な使命を果たす日でもあります。次のシーズンのチーム別難易度(strength of schedule NFL 2018、2018年シーズンの対戦相手の2017年シーズンの勝率)を公開するのです。前年も書きましたが、日本語のブログではどこよりも早いつもりでやっております(というのも数年間やってきたテーブルがあるので瞬時に計算できちゃうんですよ)。
2017年シーズンの戦いぶりで2018年シーズンの対戦難易度を予測するのは、だいぶ無理な話というのも前年に書きました。ドラフトもトレードもあるわけですし、チームによってはHCコーチも変わるわけですから。今期のLARの急上昇ぶりを見ると、やはりHCやDCの交代が大きく効いていることは否定できません(前任者をディスっているという意味ではありません)。
それでもこの数字はNFLの翌年を考えるために例年公開されており、ベースボールマガジン社のNFL年鑑にも載っているのでいち早くお知らせする次第です。
では例年のごとく、2017年シーズンの結果(勝ち星の数)の整理から。今シーズンは256試合に引き分けがなかったので、引き分けの場合の0.5勝0.5敗として扱う計算は不要でした。上位2チームが同星のNFC南と下位2チームが同星のAFC南(INDとHOUがあっという間に落ちぶれたのもショックですが)は、リーグが決めたTie Breakルールに従って上位下位が決まっています。
AFC東 | NE | BUF | MIA | NYJ |
33 | 13 | 9 | 6 | 5 |
AFC北 | PIT | BAL | CIN | CLE |
29 | 13 | 9 | 7 | 0 |
AFC南 | JAX | TEN | IND | HOU |
27 | 10 | 9 | 4 | 4 |
AFC西 | KC | LRC | OAK | DEN |
30 | 10 | 9 | 6 | 5 |
NFC東 | PHI | DAL | WAS | NYG |
32 | 13 | 9 | 7 | 3 |
NFC北 | MIN | DET | GB | CHI |
34 | 13 | 9 | 7 | 5 |
NFC南 | NO | CAR | ATL | TB |
37 | 11 | 11 | 10 | 5 |
NFC西 | LAR | SEA | ARI | SF |
34 | 11 | 9 | 8 | 6 |
という結果でしたね。地区名の下の数字は地区全チームの勝数の和です。こうしてみるとAFCで5割(4チームだと32勝)を挙げていたのはAFC東だけでした。
さてこの後に2018年の対戦難易度を計算するわけですが、地区別にみると今シーズンPlayoffに3チームが進出したNFC南とは戦いたくありません。AFC南は2桁勝利を挙げた上位と4勝ずつだった下位が両極端でしたね。
では2018年シーズンの各地区の対戦地区割りを見てみましょう。ご存知通り、同一カンファレンスは3年周期、他カンファレンスとは4年周期で対戦地区が変わります。これは毎年、Wikipediaを見て確認していますが、今年は「2018 NFL season」https://en.wikipedia.org/wiki/2018_NFL_seasonに書いてありました。
Intra-conference(カンファレンス内)
AFC East vs AFC South
AFC West vs AFC North
NFC East vs NFC South
NFC West vs NFC North
Inter-conference(カンファレンス外)
AFC East vs NFC North
AFC North vs NFC South
AFC South vs NFC East
AFC West vs NFC West
例えばAFC東から見ると、AFC南とNFC北とのマッチアップですね。ほほう、来年はBrady対Rodgersを見られるのか。またともにPlayoffを逃したGB対SEAは来年もあるのね。
これを見やすく書き直すと、
AFC東(33勝)はAFC南とNFC北
AFC北(29勝)はAFC西とNFC南
AFC南(27勝)はAFC東とNFC東
AFC西(30勝)はAFC北とNFC西
NFC東(32勝)はNFC南とAFC南
NFC北(34勝)はNFC西とAFC東
NFC南(37勝)はNFC東とAFC北
NFC西(34勝)はNFC北とAFC西
と戦います。
さて各チームの対戦相手は、同一地区内のライバルとは2試合ずつ(6試合)、上に書いた周期で変わる地区の4チームと1試合ずつ(8試合)、そして上の周期に重ならない、同一カンファレンスで同じ順位だった2チーム(例えば3位だった場合、同じ3位のチーム)と1試合ずつ(2試合)の計16試合を戦います。
ということで計算結果を出しましょう。2018年シーズンのチーム別難易度は以下の通りです。
AFC東 | NE | BUF | MIA | NYJ |
0.484 | 0.496 | 0.500 | 0.477 | |
AFC北 | PIT | BAL | CIN | CLE |
0.477 | 0.488 | 0.473 | 0.523 | |
AFC南 | JAX | TEN | IND | HOU |
0.477 | 0.465 | 0.484 | 0.453 | |
AFC西 | KC | LRC | OAK | DEN |
0.492 | 0.480 | 0.473 | 0.477 | |
NFC東 | PHI | DAL | WAS | NYG |
0.492 | 0.500 | 0.504 | 0.520 | |
NFC北 | MIN | DET | GB | CHI |
0.520 | 0.535 | 0.539 | 0.520 | |
NFC南 | NO | CAR | ATL | TB |
0.535 | 0.512 | 0.508 | 0.531 | |
NFC西 | LAR | SEA | ARI | SF |
0.523 | 0.523 | 0.520 | 0.500 |
つまり2018年シーズンの最も難易度(対戦相手の2017年シーズン勝率) が高いのはなんとGBの0.539で、一番低いのはCINとOAKの0.473HOUの0.453でした。その差は0.08366。1/16=0.0625ですから勝率にして1勝強の差です。2017年シーズンが0.154あったことを考えるとだいぶ平準化(不公平がない)されたと言っていいのではないでしょうか。
ちょっと検算しましょう。GBの相手は、AFC東が33勝とNFC西が34勝(どちらも4チームの勝ち数の数)。同地区が27勝(地区の34勝から自チームの勝数7を引いたもの)×2試合=54勝、NFC西を除く地区3位チーム(つまりWASとATLの勝ち数の和)が17勝ですから、対戦相手全ての勝ち星を足すと33+34+54+17=138勝を挙げたチームと戦います。
これを全試合数(1チーム当たり16試合なので32チーム×16試合/2=256試合)で割った結果が0.539ですね。NFC北の最下位だったCHIを難易度で上回ったのは、GBが当たるWASとATLの勝率が地区3位にもかかわらず高かった(17勝、これに対してCHIが当たるNYGとTBは8勝、つまり9勝分の差がある)のと、GBとCHIの勝ち星に差が2勝しかなかった(地区での対戦相手の勝ち数は2勝×2試合=4勝分の差)からです。つまりCHIとは対戦相手の勝ち数の差が9-4=5勝分ある計算となります(GBが2018年に16試合で対戦するチームの2017年シーズンの勝ち星の総和は138勝となり、CHIは133勝となる)。
最低勝率のOAKを例にとると、AFC北が33勝でNFC西が34勝。(自地区30勝-自チームの勝ち数6)×2試合で48勝、AFC北を除くAFC地区3位の2チーム(つまりMIAとIND)の勝ち数の和が10勝なので、33+34+48+10=121勝となりました。121/256=0.473となりますね。
ついでに検索して見つけた、DETのファンページにはDETの2018年シーズンの難易度が0.535と書いてありました。どうやらこの計算で間違っていないようです。
せっかくなので2017年シーズンの数字を引っ張り出してみましょう。
AFC東 | NE | MIA | BUF | NYJ |
0.527 | 0.547 | 0.561 | 0.535 | |
AFC北 | PIT | BAL | CIN | CLE |
0.453 | 0.461 | 0.449 | 0.469 | |
AFC南 | HOU | TEN | IND | JAX |
0.455 | 0.439 | 0.424 | 0.439 | |
AFC西 | KC | OAK | DEN | LAC |
0.576 | 0.564 | 0.578 | 0.568 | |
NFC東 | DAL | NYG | WAS | PHI |
0.531 | 0.535 | 0.543 | 0.531 | |
NFC北 | GB | DET | MIN | CHI |
0.480 | 0.469 | 0.453 | 0.479 | |
NFC南 | ATL | TB | NO | CAR |
0.521 | 0.518 | 0.510 | 0.504 | |
NFC西 | SEA | ARI | LAR | SF |
0.455 | 0.467 | 0.482 | 0.475 |
数字が赤字のチームはPlayoff進出チームです。そう考えると、AFCではKCやBUFが、NFCではPHIやATLが、前年の勝率が高かったチームと戦いながらも、Playoff進出という結果を出せたことになります。
今回も速報的な役割は果たせているはずです。ということでまだ次回。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。
AFC東 | BUF | バッファロー・ビルズ | NFC東 | DAL | ダラス・カウボーイズ |
---|---|---|---|---|---|
MIA | マイアミ・ドルフィンズ | NYG | ニューヨーク・ジャイアンツ | ||
NE | ニューイングランド・ペイトリオッツ | PHI | フィラデルフィア・イーグルス | ||
NYJ | ニューヨーク・ジェッツ | WAS | ワシントン・レッドスキンズ | ||
AFC北 | BAL | ボルティモア・レイブンズ | NFC北 | CHI | シカゴ・ベアーズ |
CIN | シンシナティ・ベンガルズ | DET | デトロイト・ライオンズ | ||
CLE | クリーブランド・ブラウンズ | GB | グリーンベイ・パッカーズ | ||
PIT | ピッツバーグ・スティーラーズ | MIN | ミネソタ・バイキングス | ||
AFC南 | HOU | ヒューストン・テキサンズ | NFC南 | ATL | アトランタ・ファルコンズ |
IND | インディアナポリス・コルツ | CAR | カロライナ・パンサーズ | ||
JAX | ジャクソンビル・ジャガーズ | NO | ニューオリンズ・セインツ | ||
TEN | テネシー・タイタンズ | TB | タンパベイ・バッカニアーズ | ||
AFC西 | DEN | デンバー・ブロンコス | NFC西 | ARI | アリゾナ・カーディナルス |
KC | カンザスシティ・チーフス | LAR(旧STL) | ロサンゼルス・ラムズ | ||
OAK | オークランド・レイダース | SF | サンフランシスコ・49ers | ||
LAC(旧SD) | ロサンゼルス・チャージャース | SEA | シアトル・シーホークス |
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