Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

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数字でNFLを考える(3)---Power Rank1位がなかったDENがSBで勝てた理由

2016年02月14日 17時40分00秒 | Stats
シーズン中、毎週試合前に公開されるPower Rank。自分が応援するチームの現状を把握するのに役立ちます。トーマスも2015シーズンは、ほぼ毎週NFL.comのPower Rankを見ていました。
 
ただしこのPower Rankはあくまで相対的な状況を把握するものと考えるべき。シーズン途中でPower Rankが落ちても一喜一憂する必要はないという、分かっている人には当たり前の話をしてみます。
 
Super Bowl 50で優勝を飾ったDENは、RS中は低く評価されていました。シーズン途中のPeyton不調やその後の離脱を目の当たりにしていたトーマスは、その時点で妥当と感じていました。
 
では実際の推移はどうだったのでしょう。
 
今季のLeague Championshipに勝ち残った、DENとCAR、NE、ARIの4チームについて、勝ち越し数とPower Rankを調べてみました。ほかのチームまで入れるとごちゃごちゃするのと作業量が増えるので割愛しました。
 

結果はこのグラフ。上の表で示しているPower Rank順位は試合が終わった後のものです。折れ線グラフの勝ち負けの結果が、上の表のPower Rank順位に反映されていると思ってみてください。
 
開幕当初、4チームの中で最も評価が高かったのはNE(4位)でした。その上にSEA、GB、INDの順で並んでいました。
 
トーマスもGB対INDのSBを予想しており、Fantasyのメンバーにこの2チームの主力を二人ずつ入れていました(具体的には、RodgersとLacy、HiltonとGoreですね)。
 
当時のDENは8位。Peytonが昨季負った怪我の復調度合が不透明なことや年齢がマイナス要因で、課題とされていたOLが改善されたようには見えなかったこともあり、この順位は素直に受け入れられました。
 
CARはエースWRのKelvin Benjaminの離脱が大きなマイナス要因で18位。前年の勝率が5割に届かなかった(7.5勝)こともあって評価は高くありませんでした。
 
Week8まではCAR、DEN、NEが全勝でした。中でも危なげない勝ちっぷりを見せたNEが序盤はPower Rankで1位を継続します。
 
DENも連勝していますがPeytonのQB Ratingが悪く、D#のおかげで勝てた試合が多かったこともあってPower Rank は上がりません。Week9でのIND戦での初黒星とWeek10のKC戦でのPeytonの4INT(とその後の離脱)による敗戦で一気に順位を下げました。
 
そして開幕戦から14連勝を上げたCARがPower Rankの1位に立ちます。序盤4勝2敗と出遅れたARIはその後9連勝。13週でDENに敗れPHIにも負けたNEを抜き、2位となりました。「今期のSBはNFCが勝ちそうだな」という声を多く耳にしたのはこのころでした。
 
RS最終戦終了時点で4チームのPower Rankは、CAR(1)、ARI(3)、DEN(5)、NE(6)の順で並びました。ちなみに2位はSEAで4位はKC。確かにこの時点で両チームの勢いはすさまじかったですね。
 
DENはBrock OsweilerのQB起用後に3連勝しますが、Week14と15でOAKとPITに連敗。Power Rankも下がり、最後の2試合の結果次第では地区優勝ばかりか、SB進出さえ逃す可能性があったのです。
 
この後は薄氷の勝利が続きます。Week16のCIN戦は序盤に14点を先行されるも逆転。McManusのサヨナラFG失敗は致命傷にならず、OTで決着を付けました。Daltonが欠場していなかったら、どうなっていたか分かりません。
 
最終戦はSDに苦しめられますが、負けている状況でのPeyton投入が功を奏し逆転。NEが最終戦、MIAにまさかの敗戦を喫したことで、AFCでシード1位を獲得しました。
 
DivisionalのPIT戦は終盤のTOがなければ危なかったし、League ChampionshipはGostkowskiのまさかのPAT失敗がなければOTになっていたかもしれません。
 
もっと言えば、NEがRS最終盤で崩れなければLeague ChampionshipはGillette Stadiumで戦っていました。こうしてみると、DENにいろんな幸運の巡り合わせがあったように感じられます。
 
D#の力を中心に僅差で勝つというKubiakのゲームプラン通りといえばそれまでなのですが、一つのプレー失敗が敗戦を招く致命傷になりかねません。見ている方も疲れます。
 
CARとのSBも終わってみれば24-10ですが、4Qの残り4分までは16-10。TD一発で逆転する僅差がずっと続いた試合でした。ひとつ転べばどうなるかわからない状況をD#の力で押し切るという、この一年を象徴していた試合でした。
 
PeytonもWeek17での復帰後は、TOをしないよう慎重にパスを投げ、3rd Downで距離が残っても無理をせずにランを使っていました。当初はなじめなかったKubiakのシステムを受け入れたように見えます。結果的にSBで勝てたのは、このシステムがシーズン最終盤に完成をみたからといえるでしょう。
 
おっと、このコラムはPower Rankの話でした。
 
Power Rankは第1戦からそれぞれのチームの相対的な力量を見ながらランキングをつけていきます。そうなると、勝ち続けているチームは当然ながら上にランキングされます。負け方が悪かったり、大幅な戦力減があると一気に落ちます。
 
試合経過も、前半リードを奪って勝ち切る横綱相撲のような勝ち方の方が、僅差の試合を逆転勝ちの方よりも印象は良いでしょう。ちょうどAFC DivisionalのKC@NEがPIT@DENよりも評価されるようなものです。どちらもOnside Kickまでありましたが、勝者の安定感には雲泥の差がありました。
 
シーズン終盤でSBで勝てる戦力や体制が整うのは、今回のDENに限った話ではありません。そして力量がほぼ互角のチームが直接対決した場合、たった一つのプレーが結果を左右します。
 
今期のように一度もPower Rankで1位に立たなかったDENがSBに勝ったことで、チームケミストリーの急速な変化と個々のプレーの重要性を改めて理解しました。それらは前の試合の結果から相対的に弾き出すPower Rankだけでは表現できませんね。
 
とは言いつつも、SB終了後に発表されたシーズン最後のPower Rankで、DENが1位になったことはちょっと嬉しいですね。
 
Peytonの去就やほかのFA選手の契約などで2016シーズン開幕直前までDENがこの地位にいることはないと思います。それでも、つかの間の1位を楽しみましょう。
 


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