Fantasy Football(ファンタジーフットボール)戦記

NFLのFantasy Football(ファンタジーフットボール)のほかMLBやNBAについて語ります

Rodgersが初のパッサーレーティング満点、今シーズンは早くも4人目の達成

2019年10月22日 20時45分12秒 | Stats

2019年シーズンWeek07のOAK@GBで、Aaron Rodgersがクォーターバックのパッサーレーティングで自身初の満点を記録しました。あれ、Rodgersは初めてだったっけ?と思う方が多いかもしれません。

今シーズンはなぜかQBレーティング満点を記録したQBが多く、Rodgersは4人目でした。しかしGBファンの筆者であり、この日は早起きして試合を全部見たこともあり(21日はお休みをいただいていたのです)、ちゃんとデータを整理しておきたいと考えて筆を執りました。

なおこの記事は、ちょうど一年前の2018年シーズンWeek04の直後に書いた記事の続きです。今回も、WikipediaのList of NFL quarterbacks who have posted a perfect passer ratingを引用しています。

ちなみにMLBでのノーヒットノーランの記録もWikipediaにありますが、こちらは1876年から記録があって、今年の9月1日のJustin Verlanderの達成まで303試合が記録されています(複数のピッチャーで達成した場合もカウントしています)。NFLのperfect passer ratingの記録がある1948年以降で比較すると183例があります。

つまりNFLのQBレーティング満点達成の出現回数は、MLBのノーヒットノーラン達成よりも低いことをご理解ください(試合数が違いすぎるので、全試合数から換算した出現頻度ではどっちが上かよくわかりません)。

なおRodgersの達成は76回目だそうです。1948年からの71年で76回ですから、年に1回あるかないかくらいの計算です。今年は何かあったんでしょうかね。2019年シーズンの満点記録者は、Week01のLamar JacksonとDak Prescott、Week04のDeshaun Watsonでした。

ではRodgersの数字を検証します。例によって下の青字は過去の記事の再掲ですので、ご存知の方はすっ飛ばしてください。

算出のための公式について。必要になるのは、「パス成功率」「パス平均獲得ヤード」「TDパス成功率」「INT率」です。全てパス試投回数が分母であることをご確認ください(後の説明に出てきます)。INTは0でないと満点は獲れません。

パス成功率 = パス成功回数 / パス試投回数 × 100
パス平均獲得ヤード = パス獲得ヤード / パス試投回数
TDパス成功率 = TD回数 / パス試投回数 × 100
INT率 = INT回数 / パス試投回数 × 100

そのあと、ここで出たそれぞれの数字に係数をかけて、同じレベルにそろうよう換算します。実はこの換算式にはちゃんと根拠があって、1960~70年代のリーグの数字を基にそれぞれの数値の平均値が「1」になるよう調整した結果なのだそうです。

(a)………(パス成功率 - 30)× 0.05
(b)………(パス平均獲得ヤード - 3)× 0.25
(c)……… TDパス成功率 × 0.2
(d)……… 2.375 - (INT率 × 0.25)

そしてそれぞれの換算後の値がどれだけ大きくても、「2.375」を超えたら2.375に置き換えて計算します。その逆もありで、小さい場合は、最小値を0にします。マイナスはありません。

そうしてはじき出すのが以下の数字。

パッサーレーティング=((a)+(b)+(c)+(d))/ 6 × 100

さて、Rodgersの成績はというと、

パス試投が31回で、成功が25回。パス獲得ヤードが429でTDパスは5回。そしてINTは0でした。でした。ここから、QBRの算出のために必要な数字をそれぞれ算出すると

パス成功率は80.65%(25 / 31)
パス平均獲得ヤードは13.84ヤード(429 / 31)
TDパス成功率は16.13%(5 / 31)
INT率は0.0%

となりますね。この数字を上の計算式に代入します。

(a)………(パス成功率 - 30)× 0.05=(80.65 - 30)× 0.05=2.5325 > 2.375
(b)………(パス平均獲得ヤード - 3)× 0.25=(13.84 - 3)× 0.25=2.71 > 2.375
(c)……… TDパス成功率 × 0.2=16.13 × 0.2=3.226 > 2.375
(d)……… 2.375 -(INT率 × 0.25)=2.375 -(0.0 × 0.25)=2.375

全ての数字が2.375を上回っているか等しいので2.375 × 4 / 6 × 100 = 158.3になりました。

ちなみに、計算式を逆算すると分かるのは、それぞれの項目で満点をクリアするための条件です。

パス成功率は77.5%
パス平均獲得ヤードは12.5
TDパス成功率は11.875%
INT率は0.0%

を超えないと、パッサーレーティングは満点に届きません。

もしパス試投数を40とするなら、パス成功数は31回(ちょうど31 / 40が77.5%)。パス獲得ヤード数は500ヤードを超えないと平均獲得ヤードは12.5(500 / 40)となりません。TDパス成功数は4では10%にしかなりませんから、11.875%を超えるには5回成功しないと(5 / 40)いけません。もちろんINTは0回が条件です。

Rodgersの成績に戻ると、パス試投数は31でしたから、パス成功率が77.5%を超えるには24回の成功が必要24 / 31=77.42%、23 / 31=74.19%では不可)で、獲得ヤード数は388ヤード(388 / 31=12.51ヤード、387 / 31=12.48ヤードではダメ)、TDパス成功数は4回(4 / 31=12.9%、3 / 31=9.68%では届かない)が必要でした。つまり、パス成功回数の25回のところが、一番ギリギリだったわけです(2回失敗していたら、満点になりませんでした)。

せっかくなので、今年パッサーレーティング満点を獲った4人の記録を比較してみましょう。

WeekDayQB相手パス
成功数
パス
試投数
パス獲得
ヤード
TD数パス
成功率
パス平均
獲得ヤード
TDパス
成功率
01 2019/9/8 Lamar Jackson BAL@MIA 17 20 324 5 85% 16.2 25%
01 2019/9/8 Dak Prescott NYG@DAL 25 32 405 4 78.13% 12.66 12.5%
05 2019/10/6 Deshaun Watson ARL@HOU 28 33 426 5 84.85% 12.91 15.15%
07 2019/10/20 Aaron Rodgers OAK@GB 25 31 429 5 80.65% 13.84 16.13%

こうしてみるとヤード数はRodgersが最多ですが、効率がいいのはJacksonでしょうか。20回のパスで5回TDですから、4回に1回がTDパスでした。

一番ぎりぎりだったのはPrescottでしたね。それからJacksonは遠征先での満点達成。ほかの3人は、有利なホームグラウンドでの達成でした。

2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。

AFC東BUF バッファロー・ビルズ NFC東DAL ダラス・カウボーイズ
MIA マイアミ・ドルフィンズ NYG ニューヨーク・ジャイアンツ
NE ニューイングランド・ペイトリオッツ PHI フィラデルフィア・イーグルス
NYJ ニューヨーク・ジェッツ WAS ワシントン・レッドスキンズ
AFC北BAL ボルティモア・レイブンズ NFC北CHI シカゴ・ベアーズ
CIN シンシナティ・ベンガルズ DET デトロイト・ライオンズ
CLE クリーブランド・ブラウンズ GB グリーンベイ・パッカーズ
PIT ピッツバーグ・スティーラーズ MIN ミネソタ・バイキングス
AFC南HOU ヒューストン・テキサンズ NFC南ATL アトランタ・ファルコンズ
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JAX ジャクソンビル・ジャガーズ NO ニューオリンズ・セインツ
TEN テネシー・タイタンズ TB タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西DEN デンバー・ブロンコス NFC西ARI アリゾナ・カーディナルス
KC カンザスシティ・チーフス LAR ロサンゼルス・ラムズ
OAK オークランド・レイダース SF サンフランシスコ・49ers
LAC ロサンゼルス・チャージャース SEA シアトル・シーホークス

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