日本時間の2020年12月15日10時15分KickOffのMNF(Monday Night Football)、BAL@CLEは白熱した試合になりました。
試合経過は飛ばして第4QのBALの攻撃が始まるところから、直前のドライブで追い上げられたBALのQBのポジションには、Lamar Jacksonではなく控えのTrace McSorleyが立っているではありませんか。
現地リポートでは「けいれんが理由でJacksonがロッカールームに戻り、復帰はQuestionableである」という情報が流れました。その時に流れた映像(NFL GamePassでは02:00:40頃)Jacksonがロッカールーム(というよりも、Bathroomらしい)に慌てて駆け込む様子も流れていました。
そのBALのドライブは3andOutに終わり、直後のドライブでCLEがTDを決めて34-35と逆転します。それに対するBALドライブでも、スナップを受けるのはMcSorley。Jackson不在のこのドライブを何とかつないで、CLE陣内44ヤードのところまでこぎつけたのですが、Two-minute warning直前の3rd Down5のプレイでMiles Garrettのタックルを受けたMcSoleyがひざを痛めていしまいました。
どうなるBAL!というところへ、Jacksonが走って戻ってきた!という映像が流れたとき、まるで図ったかのようにテレビにはTwo-minute warningのCMが流れます。そして、戻ってきたJacksonが何をしたかというと…
ここから先もこの試合にはいろいろあって、最終的にはBALが勝利するのですが、その経過は省略します(ぜひCLEの最後のプレイまでご覧ください)。ただ筆者はJacksonにいったい何があったのか気になったわけです。
当然、試合後のメディアインタビューでこのロッカールームの話に質問が飛ぶわけですが、そこでJacksonはこう答えたという報道があります。
"I was cramping," Jackson told reporters in his post-game press conference. "I ain't pull no Paul Pierce. I didn't pull a Paul Pierce. I was cramping."
https://www.insider.com/video-lamar-jackson-paul-pierce-poop-break-2020-12
「私はけいれんをしていた。Paul Pierceのようなことをしたわけではない」という趣旨です。 じゃあ「Paul Pierce」って誰で何をしたのということになりますね。
Pierce はNBAのスターで、2008年にBoston Celticsの「Big 3」(Paul Pierce, Kevin Garnett and Ray Allen)の一員としてチームを2007-08シーズンのNBA Final 制覇(相手はLos Angels Lakers)に導いた選手です。このときはFinal MVPも獲得しています。
事件はそのFinal初戦(2008年6月)で起こりました。第3Qの途中、競り合いに巻き込まれたPierceはフロアに倒れこみ、そのまま立ち上がれず、チームスタッフの手を借りて車いすに乗せられてロッカールームへと引き上げます。
車いすで搬出されたPierceは、その後しばらくして試合に復帰。その時点で同点だった試合は、Pierceの3Pointもあって10点差を付けての勝利となり、Pierceは一躍ヒーローとなりました。
しかしその試合の直後から、Pierceはなぜロッカールームに、しかも車いすで運ばれなくてはならなかったのかが話題となっていました。この光景があるため、この試合のことは「Wheelchair game」と呼ばれています。
その後にいくつかの報道はありましたが、(Tront RaptorsとGoldenstate WarriorsのNBA Finals第3戦の試合中ということですから、2019年6月に)Pierce自身がESPNのカメラの前で当時の様子を告白しているので、それをご覧ください。
Paul Pierce’s ‘Wheelchair Game’ confession: Was he just joking? | ESPN Voices VIDEO
動画では「I just had to go to the bathroom(字幕ではbalcony)」と言った後に字幕はなくなりますが、どうやら「something went down」(なんか出た)と言っているようです。つまり、このトラブルで自分で歩いてコートから退場できなくなっていたというの真相のようです。
この経過を知っていたJacksonが、Pierceの行為のどこまでを否定しているのかははっきりしませんが、Jacksonもbathroomに行かなくてはならなかったのは事実のようです。そのあとに復帰して、チームを勝利に導いたというPierceと同じ働きをしたといってよいでしょう。
日本人として初めてNBAドラフトの1巡目で指名された八村塁のいるWashington Wizardsには、なんとRussell WilsonではなくRussell Westbrook(2016-17SeasonのMVPを獲った名選手)が移籍してきました。こんなビッグニュースも日本ではほとんど話題にならない状況を、非常に心苦しく思っています。何とかならないものなんでしょうかねえ 。
NFLに話を戻すと、現在BALはAFC北地区の3位で、まだPlayoff進出を確定できていません。同地区のCLEを破ったことで、なんとかAFCの8位となりましたが、7位のMIAや9位のLVとの競り合いが残っています。
NBA Final初戦のPierceとRegular Season中のJacksonとでは状況は違いますが、試合中の緊急事態に襲われたあとにチームをどこまで導けるか。2019年シーズンのMVPであるJacksonのこれからに注目していきましょう。
2015年シーズンからアメリカンフットボールのFANTASY FOOTBALL を楽しんでいるトーマスといいます。NFLだけでなく、MLBやNBAについても語ります。
AFC東
BUF
バッファロー・ビルズ
NFC東
DAL
ダラス・カウボーイズ
MIA
マイアミ・ドルフィンズ
NYG
ニューヨーク・ジャイアンツ
NE
ニューイングランド・ペイトリオッツ
PHI
フィラデルフィア・イーグルス
NYJ
ニューヨーク・ジェッツ
WAS
ワシントン・フットボール・チーム
AFC北
BAL
ボルティモア・レイブンズ
NFC北
CHI
シカゴ・ベアーズ
CIN
シンシナティ・ベンガルズ
DET
デトロイト・ライオンズ
CLE
クリーブランド・ブラウンズ
GB
グリーンベイ・パッカーズ
PIT
ピッツバーグ・スティーラーズ
MIN
ミネソタ・バイキングス
AFC南
HOU
ヒューストン・テキサンズ
NFC南
ATL
アトランタ・ファルコンズ
IND
インディアナポリス・コルツ
CAR
カロライナ・パンサーズ
JAX
ジャクソンビル・ジャガーズ
NO
ニューオリンズ・セインツ
TEN
テネシー・タイタンズ
TB
タンパベイ・バッカニアーズ
AFC西
DEN
デンバー・ブロンコス
NFC西
ARI
アリゾナ・カーディナルス
KC
カンザスシティ・チーフス
LAR
ロサンゼルス・ラムズ
LAC
ロサンゼルス・チャージャース
SF
サンフランシスコ・49ers
LV
ラスベガス・レイダース
SEA
シアトル・シーホークス