タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 危険技の魁皇スペシャル ≫

P1000666 大相撲九州場所初日に、豊ノ島に一方的に突き出された魁皇は、二日目は、豪栄道の左腕を極め、いわゆる<魁皇スペシャル>といわれる強引な小手投げ(写真は、11月11日付『北海道新聞』17面〈スポーツ〉から切り取り、台紙に貼って転写)で勝った後、右ふくらはぎの肉離れの痛みに土俵上で顔をしかめた。対戦相手の豪栄道は、魁皇の強引な技で左腕関節を痛めたが、表情を変えず一礼して土俵を下りた。
 この<魁皇スペシャル>で、これまで多くの力士が怪我を負わされてきた。自分ではここが痒い、あそこが痛いとご託を並べ、サポーターだらけで土俵に上がりながら、ツボにはまると見境のない危険技を平然と打つ魁皇は、亡くなった父がファンだったとはいえ、私には好感が持てない嫌いな力士の代表格である。
P1000668P1000667 三日目の若の里戦では、上半身がぶつかり合った直後に、右手で左上腕を押さえ顔をゆがめて戦意喪失、土俵下に無様に転落(写真は、12日付、前掲新聞・17面〈スポーツ〉から転写)した。若の里は何も技をかけていないのに、「(筋肉)が切れたような気もする」(同日付『讀賣新聞』第19面〈スポーツ〉、写真下段<右>を転写)とはよく言った。豪栄道の左腕関節のことを考えるがよい。
 私が少年の頃、昭和二十年代後半から三十年代前半、十勝以上の成績をあげられない大関は<クンロク大関>と揶揄されたものである。松登とか三根山といった四股名を思い出す。今の魁皇は<クンロク>以下だろう。本人はまだ現役を続けるつもりらしいが、引退の潮時は疾うに過ぎた。木戸銭を払って観る相撲ではない。

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