タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪震災「議事録なし」=責任感のない政治主導≫

P1220642  既に1950年代に公文書の管理・保存に関する法律を制定した英米に比べて、日本では半世紀以上も遅れて、「政府の意志決定を検証できる文書の作成を義務付けた公文書管理法が2011年4月に施行された」(1月28日付『讀賣新聞』第2面)ばかりで認識が薄かったとはいえ、東日本大震災や東京電力福島第一原発事故に関して設置した十五の対策会議(議事録未作成が判明した10会議=写真上段は、同新聞から転写)のうち十会議で議事録が未作成だったと、政府が1月27日公表したことは、政府の意志決定管理上の大きな失態を露呈した。
 野党時代の民主党は、自公政権に情報公開を強く要求し、「透明性」が同党の旗印だったにもかかわらず、政権奪取後は、今回の大震災関係のみならず、民主党政権が頻繁に設ける関係閣僚会議などでも議事録はほとんど作成されていない。
P1220644 議事録を作っていなかったことは、政府対応の検証作業に支障を来す懸念が強いため、「岡田副総理は27日の記者会見で、『復元を今行っているそのものを見ないとなかなか判断できない』(同新聞・第1面。記者会見の写真は、2月4日付『毎日新聞』第18面から転写)と述べ、なんとも歯切れの悪い姿勢を示した。「歴代の民主党政権幹部が『政治主導』の意味をはき違え、政治家の自由な発言権確保の名目で記録管理を怠る温床をつくった」(1月28日付『北海道新聞』第3面)ことは紛れもない事実である。
 政府内で議事録を作成しないことが常態化していて、その上に、大震災と原発事故に対応できずに右往左往する政府・東電関係者が怒鳴り合いながら連日議論を重ねるだけで、議事録作成など全く念頭になかったのだろう。国際的な恥辱とも言える。

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