3月17日付『讀賣新聞』第4面〈国際〉は、「チベットでの民族対立の拡大が、やはり『中国政府、漢族』を敵視する新疆独立勢力の動きを刺激するのは間違いない」と断定している。大量の資金を投入し、経済発展で民族融和を図っても、漢族に対する少数民族の反感は抑えられるものではない。胡錦涛政権は、アメとムチの限界を思い知らされただろう。
奇しくも、ラサ暴動発生の前日に発売されたビッグコミック増刊号、『ゴルゴ13総集編』第150巻(小学館)に、大量に入植する漢族との間で民族対立が絶えない新疆ウィグル自治区のウルムチで起こった架空の事件が、「ピンヘッド・シュート」と題して掲載されている。
劇画『ゴルゴ13』は、単なるフィクションにすぎない、といえば確かにその通りだが、制作グループのサイトウ・プロは、可能な限り正確なデータを収集し、それに基づいて、国際社会で起こる様々な事件の真相を、デューク・トウゴウなる超人スナイパーの行動を介してえぐり出している。
人間性の真実を描き出すという点では、上の四コマは、新疆ウィグル自治区のイスラム系住民の現状を活写して余すところがない。
<ウルムチの写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から転載>
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