十二月一日、官民ファンド企業再生支援機構(機構の仕組み=写真下段<中>及び機構による支援の骨子=写真下段<右>は、12月2日付『北海道新聞』第1面から転写)は、経営難に陥った、道内老舗の札幌グランドホテル、札幌パークホテル、章月グランドホテル(札幌グランドホテル本店=写真上段は、『ウィキペディア』から転載)などを運営するグランビスタ&リゾート(東京)の事業再生支援を決定したと発表した。
今回、グランビスタ&リゾートが会社更生法や民事再生法など法的整理で再建を図る方途を選ばなかったのは、結婚式や宴会が売り上げの柱となるホテル業のイメージダウンを避けるためで、機構側も、取引先に広く債権放棄を求めなくとも、同社の保有する施設が同内外で高い知名度を誇ることから、再生が可能と判断したものと思われる。佐々木成人社長は来年三月で引責辞任し、後任は機構が選任することになる。
機構の支援決定を受け、グランビスタの須田副社長(写真下段<左>は、前掲新聞から転写)は記者会見で、「東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故で多大な影響を受け、回復傾向にはあるが、健全な事業継続のために支援を申し込むことが最良と考えた。民事再生などの法的措置でなく倒産とは異なる」(同日付『讀賣新聞』第33面)と述べたが、旗艦施設である札幌グランドホテルの改築などの課題もあり、事業再生計画を遂行し三年以内に経営健全化の道筋をつけるのは難しいのではないか。
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