タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 道東道・清水─トマム ≫

P1010850 道東自動車道の十勝清水・トマム間が、「『物流』『観光』期待熱く」(10月20日付『北海道新聞』第27面〈釧路・根室〉、写真二枚を転写)と期待されて開通したのは、平成19年10月21日だった。
 国道274号線だけを利用する場合と比べて、時間的に僅か10分の短縮に過ぎないが、難所として知られる日勝峠を回避できるため、安心で快適なドライブが可能というのが、東日本高速道路北海道支社の触れ込みだった。
 私は、運送業界にとっても観光業界にとっても、それほど大きな経済的効果があるとは思わないので、交通量の推移に注目していた。とりわけ、冬期間の利用状況について、各種メディアの情報提供があるだろうと期待していたが、何も音沙汰がないまま、春を迎えた。P1010855
 3月中旬に用事があって、妹夫婦がこの自動車道を利用して江別から釧路まで来たので、様子を尋ねたところ、「ドライブは快適だったけれど、走行する乗用車やトラックは驚くほど少なかった」という話である。
 十勝清水・トマム間について、「総事業費は約四百七十七億円。同区間の通行料は普通車七百円、大型車千五十円で、東日本高速道路北海道支社は一日平均千八百台の利用を見込む」(10月17日付同新聞・第3面〈総合〉)も、達成できなかったのだろう。
 厳冬期の難所回避写真が新聞に掲載されるのを待ったが、物流も観光も安全も、情報提供はこれまで全くない。そもそも、道東観光そのものの不振と運送会社の負担増敬遠は予想されていたことで、たとえ数年後に、札幌・釧路間が一本の高速道路で繋がったとしても、総事業費を償還できる利用があるとは思えない。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「政治経済」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事