タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪トヨタ11年9月中間連結決算で営業利益325億円赤字≫

Photo トヨタ自動車(本社=写真上段は、『ウィキペディア』から転載)は、十一月八日、11年9月中間連結決算で営業損益が325億円の赤字になると発表し、同時に、タイの洪水被害・ギリシャ債務危機に伴う世界経済の混乱・超円高が重なり、八月時点で4500億円の営業利益を見込んでいた12年3月期連結決算の業績予想を撤回し、未定とした。
P1210972P1210974 同日に発表された自動車大手八社の11年9月中間連結決算(決算表=写真下段<左>は、11月9日付『讀賣新聞』第9面から転写)によると、売上高は日産と三菱自を除く六社が減収、営業損益は三菱自を除く五社が減益でトヨタとマツダが赤字転落、マツダは純損益でも赤字。トヨタの生産挽回は順調に進展していたが、円高とタイの洪水というダブルパンチを受け、二年ぶりの営業損益赤字(トヨタの営業損益と生産台数グラフ=写真下段<右>は、同日付『釧路新聞』第5面から転写)を計上した。
 これに対して日産は、「部品の在庫を多く持っていたほか、仏ルノーとの連携で世界的に調達を多様化した」(前掲新聞)のが功を奏し、東日本大震災からの復旧も早かったし、タイの洪水の影響もトヨタやホンダよりはるかに軽かった。しかし、自動車業界全体としては、今後も超円高が続き経営環境の好転は望めない上に、世界経済の先行きが不透明で、下半期は大増産に転じるという目算に赤信号がついた。さなきだに米国や中国などの海外市場で韓国やドイツにシェアを奪われ、国内各社同士の消耗戦も予想される中で、業界では苦悩が尽きないだろう。

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